レビューしてくれた方

ペンネーム:文次郎さん

レビュー作品詳細

 

ZIPANG

・タイトル:ジパング 深蒼海流
・作者:かわぐちかいじ
・出版社:講談社/週刊モーニング
・発売巻数:1−23巻 <完結済>

マンガのストーリー展開のサマリー&感想

治承・寿永の乱(いわゆる源平合戦)を題材にした漫画です。
主人公の一人である源頼朝が元服する場面から物語が始まり、源氏の衰退、平家の隆盛、そして源氏の再興から平家の滅亡、そしてもう一人の主人公である義経からの視点を絡めながら進行していきます。同名の海上自衛隊の出てくるマンガ「ジパング」とは直接の関係性が見られませんでしたが、「ジパング」に出てきた日本の防衛を担う自衛隊、そしてその深層に流れる一つの流れ、国防力あるいは武力の源流になる「武士」の初期の姿を描くことで何かしらの関係を訴えているのかもしれません。

そして日本の歴史という大きな流れを時折描く海や巨鯨の姿、そして深層の海流によって表現しているという見方もできるかもしれません。いずれにしても、北条氏や有力な御家人の力を頼りながら、いわば他力によって自らの人生を切り拓いていく冷静沈着な兄の頼朝と自らの力を信じ、自由奔放に自力によって自らの人生を切り開いていく弟の義経という二人の対照的な描写もこの漫画の魅力を、より高めているような気がします。

そういったことを強調したいという筆者の現れはそれぞれの顔の描写に表れているような気がします。細くやや切れ目の兄頼朝の描写と目が大きく二重の義経の描写、そういう見方をするとどのキャラがどのような性格であるかが一見気難しそうに見える歴史ものの漫画を読み易くしています。個人的には後白河法皇の源平の興亡の陰にいるフィクサー感の出た顔の描写は絶妙という印象です。

このマンガのおすすめポイント

先ほどもお話ししましたが、顔の描写です。日本の歌舞伎は正義の役を赤い隈取、悪人や死人の役を青い隈取にすることによって江戸時代、字の読めなかった庶民でもだれがどんな役でどんなことをするのかというのが理解できるようになっていました。それと同じく作中の人物の顔は、良い人物を童顔のようなどこか愛嬌のある顔、そうでない人物をいかにも悪人のような顔で描写されています。そういう見方をすると源氏→正義、平家→悪という見方ではなく、何を悪、何を正義と作者は訴えたいか理解できるような気がします。また、おおよその流れは史実に基づいてはいるものの、作者のオリジナルのエピソードがちりばめられているのも見どころの一つです。

このマンガの気になる点

木曽義仲などは、やや成人漫画的な描写(若干エログロ)になっているので未成年にもろ手を挙げて推薦できる作品ではないような気がします。また、先ほど書いた史実に基づかないエピソードも歴史学習に悪影響を与える可能性があります。物語と割り切って読める年代向けの作品ではないでしょうか。

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