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作曲家と著者、二つの顔を持つ囚人Pさんへのインタビュー

3月24日発売のプロジェクト第3弾 『FINALΦFICTION 狂想曲』を掲げる囚人Pさん

3月22日発売のプロジェクト第3章 「FINALΦFICTION 狂想曲」を掲げる囚人Pさん

「FINALΦFICTION(ファイナル フィクション)」プロジェクトとは——
「ニコニコ動画」で人気の歌い手『96猫』とボカロP『囚人P』のユニット“CLΦSH(クロッシュ)”が、音楽の枠を超え様々な形で世の中に作品を発信するプロジェクト

第1弾は小説として、『FINALΦFICTION 前奏曲(プレリュード)』が2013年3月にPHP研究所から発売。


第2弾では豪華声優陣によるドラマCD+書籍のハイブリッドBOOK『FINALΦFICTION 喜歌劇(オペレッタ)』を2013年5月に発売。


そしてプロジェクト第3弾では、再び小説を2014年3月24日(月)に発売。
タイトルは『FINALΦFICTION 狂想曲(カプリチオ)』
記事02FINALΦFICTION 狂想曲
そんな「FINALΦFICTION」プロジェクトにて、楽曲の制作と小説の執筆、両方を担当されている囚人Pさんに、ボカロP(ボーカロイドを使用した楽曲製作者)になったきっかけから小説化の裏話までインタビューさせていただきました。


——まずは経歴からお聞きしたいと思います。
音楽との出会いから、楽曲を制作して投稿するまでの経緯は?


(囚人Pさん)
元々は両親が二人とも音楽活動(ジャズのピアニストとボーカル)をしていることもあり、自然と自分も小さい頃から軽くピアノをやっていて、それ以上でもそれ以下でもなかったです。
中学生の頃は吹奏楽部、高校では軽音楽部に入っていました。高校2年生くらいの頃に、自分で曲を作れたら面白いだろうなと思って楽器屋に立ち寄った際、DTM(パソコンと電子楽器をMIDIなどで接続して演奏する音楽)とボーカロイド(以下、ボカロ)を知りました。

ボカロを知ったときは、ちょうど「鏡音 リン・レン」の発売2週間前くらいで、発売と同時に購入しました。
「初音ミク」ではなく「鏡音 リン・レン」を購入した理由は、単純に「初音ミク」が1種類の声に対して、「鏡音 リン・レン」は1パックで2種類の声が入っていてお得じゃん!と思ったからです。(笑)

そこからは独学で曲作りを行ってきましたが、説明書も特にないので大変でした…。だいたい1年くらい曲作りをしていて、その最中にニコニコ動画でたくさんボカロ曲が投稿されていることを知り、すごく面白いことやっているなーと思って、自分でもニコニコ動画に投稿し始めました。


——ニコニコ動画への投稿し始めた頃のエピソードはありますか?

(囚人Pさん)
高校2年生が独学で作った曲ですし、ひどいものでしたね…。今聞くと悶えてしまいます。(笑)
当時のボカロ文化は、「にゃっぽん」というボカロファン専用のSNSサイトがあって、そこを媒介にイラストレーターさんと楽曲製作者が色々とコラボしていて、完全に趣味の延長でみんなが盛り上げていた雰囲気がありました。

その中に自分も加えていただけたのが最初です。
なので、お金儲けしようだとか、商品として作品を作ろうとかではなく、単純に楽しく遊ぼうと思って投稿し始めました。
自分と同じ世代の人はみんな同じようなスタートだと思います。

ちなみにアニメを見始めたのもその頃です。
それまでは、どちらかというとアニメに対してはアンチだったのですが、友人が『コード○アス』というアニメを勧めてきて、「それを観てもアニメを面白いと思わないのなら、俺はもう二度とアニメを勧めない!」とまで言われてしまって…

——友人、すごい決意ですね。(笑)

(囚人Pさん)
はい、すごい背水の陣を敷いた友人から『コード○アス』のDVDをバンと渡されて、それを観てハマってしまいました。
——それまでは、アニメには詳しくなかった?

(囚人Pさん)
そんなに好きではなかったですね。
アニソンとかも全く聞いたことなかったですし、最初に曲を作った時も主に聞いていたのはJ-POPでした。
物語を作るのは好きだったので、もし絵が上手ければ漫画は描いていたかもしれませんね。(笑)
ただ絵心だけは何歳になっても育たなかったので、小学校高学年あたりであきらめました。

——ニコニコ動画とは音楽がきっかけで出会ったわけですね。

(囚人Pさん)
そうですね。
ニコニコ動画を観て感激したのは、「そこに自分のやりたいと思っていたことすべてがあった」ことです。
他のボカロ作品をニコニコ動画で観てみると、曲と物語がコラボレーションして、キャラがあるようでないボカロの特色を生かし、ビジュアル的にも世界観的にも自由に創造された作品が投稿されていました。

——非常に答え辛いかもしれませんが、なぜ自分の作品はたくさん再生されたと思いますか?

(囚人Pさん)
答え辛いですね…(笑) 自分よりもっと再生されている曲を作られている方とかも大勢いますし。
ただ、自分の場合、時代とタイミングだったかなと思います。
今、仮に自分の曲の中で一番再生数の多い『囚人』を投稿したとしても、今と同じくらい再生されることは絶対無理だと思います。
当時は、1つの動画に対して、曲や背景イラストなどみんなで協力して作っていく楽しさがあって、作る側も視聴する側も、一緒になって1つの作品を輝かせていく流れがあったと思います。
そんな時代にうまくマッチできたのではないかな、と自分でも思っています。
なので、今これから作る曲の動画再生数を伸ばそうと思ったら、絶対に違うやり方があると思いますね。

——楽しさから始めた曲作りですが、現在は仕事としても曲作りをされていますね。
※TVアニメ 『フリージング ヴァイブレーション』 オープニング&エンディング主題歌の作曲・編曲を担当

意識の変化などはありましたか?

(囚人Pさん)
クロスフェードのように仕事としての世界にも入っていったので、未だに仕事なのか、趣味なのかは曖昧です。
言ってしまえば、「〆切り」っていう言葉が聞こえた瞬間に、ああ仕事なんだなーと思うくらいです。(笑)
趣味であり、仕事でもあるという部分は、欠点でもあり長所でもあるのかなと思っています。

——仕事としての曲作りを目指して、今ボカロ曲を投稿している、もしくは今から頑張って投稿しようと思っている中高生にアドバイスはありますか?

(囚人Pさん)
うーん…目的によると思います。
よく「ボカロPになるにはどうすればいいですか?」って質問をされることがあるのですが、それってすごく不思議な質問だと思いますね。
曲が作りたいんじゃないの?じゃあ作ればいいよ…が答えです。
もし目的が「有名になりたい」ということなのであれば、アドバイスできることはありません。
なぜなら、自分が今もう一度スタートラインに立って目指したとしても、自信ゼロですので…。

でも、本当に曲を作ることが好きで、みんなで一緒に1つの作品を共有しながら作っていくのが楽しいって思っているのであれば、そのまま曲作りを続けてもらいたいですね。

なので、アドバイスと言えるか分かりませんが、一度目的について自己問答してほしいです。



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