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「オカオカハウス」をご存知だろうか。マンガ家であり、女社長でもある浜田ブリトニー先生が代々木上原に立ち上げたダイニングバーだ。そしてこのバーではなんと浜田先生自らが講師を努める「まんたま塾」というマンガの塾が開催されているらしい。

バーで塾?一体どういうこと?という訳でMangaStyle編集部は「オカオカハウス」へ取材してみた。

「オカオカハウス」は閑静な住宅街の中にある一見、普通の一軒家だった。だがよく見ると玄関にはマネキンが飾られており独特なムードが漂う…。

勇気を出して足を踏み入れてみると…なんと壁一面にマンガのキャラクターイラストが!

あ、天羽くん…!?

あ、天羽くんやーーーー!!

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ドーベルマン刑事に ブラックエンジェルズ!ド迫力!

まつもと泉先生と藤原カムイ先生のイラストがならぶ!

まつもと泉先生と藤原カムイ先生のイラストが並ぶ…奇跡のような光景だ

壁中に描かれた馴染みあるマンガキャラクターを眺めていると、これだけで時間が経ってしまいそうだ。

この日の「まんたま塾」はお昼12時から開講ということで、授業前にまんたま塾講師である浜田ブリトニー先生とのむらしんぼ先生にお話を訊くことができた。

まんたま塾とは?

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のむらしんぼ先生

MangaStyle(以下M):「まんたま塾」とは一体どんな塾なのでしょうか?

浜田ブリトニー先生(以下、浜田):「まんたま塾」は現役で活躍しているマンガ家さんが少人数に向けてマンガを教える教室です。マンガに触れたことがない人がすぐにできるようにあらかじめ教材も用意しています。

M:なるほど。初心者向けということで生徒さんの年齢層も低めですか?

浜田:今日もそうなんですけど子どもが多いですね。下は小学2年生くらいからかな?
最初の授業の時は「自分のキャラクターを描いてみよう」っていうテーマで、私たちのことを描いてもいいし、キャラクターを描いてもOK。で、それぞれえびはら先生の「まいっちんぐ賞」、のむら先生の「つるセコ賞」、あと私の「パネエ賞」なんかを用意しました。2回目となる今日の授業では、途中の原稿を完成させようということでアシスタントの勉強をしよう、みたいなテーマです。あとこれはしんぼ先生が用意してくれた教材なんですが、吹き出しだけが抜かれていて、ここに好きなセリフを入れるようになっていますね。

のむらしんぼ先生(以下、のむら):これ昔描いた原稿なんですが、自分でも忘れちゃってるんですよ (笑)。

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M:実際に使用された原稿が教材に使われることは斬新ですね。

浜田:すごいでしょ?で、授業は時間割がありまして、給食なんかもあります。

M:(時間割を見て)ここの時間はニコニコ生放送って書いてますね。

浜田:はい、授業の終わりに生徒さんも含めて作品講評という形で生放送をやってます。

のむら:生徒さんもみんな一緒になって楽しんでくれるよね。

浜田:そう!出たーいとか言って(笑)。

のむら:そこが普通の塾だとか漫画学校と違うところだよね。やっぱりここはオカオカハウスっていうイベントスペースも兼ねてるので、いかに楽しんでもらうかっていうコンセプトだから。これでOK(笑)?

浜田:いいこと言った!もうあとは酒を飲んで寝てください(笑)!

一同:(笑)


マンガ家になるために必要なこと

M:この「まんたま塾」がきっかけでマンガ家を志す子もいると思うのですが、実際マンガ家になるためには何が必要だと思いますか?

浜田:もう気合ですよね!

のむら:気合(笑)。

浜田:諦めない心とか。やる気っていうか勢いかな?

のむら:今、塾長は気合って言ったけどね、もうちょっと深く言えば「魂」ですよね。

浜田:そう、魂!マンガに魂を賭ける塾ですから。

M:なるほど。お2人はマンガ家として週刊連載も経験されてきたと思いますが、実際になってみて大変だったことって何でしょう?

のむら:私の場合、週刊雑誌での連載ってのはあまりなくて、月刊誌と隔月刊がメインで、あと北海道新聞では週刊で8ページ描いてましたけど、それでもちょっと気狂いそうでしたね。

浜田:週刊連載は気狂うよ。あれやっちゃいけないよね?

のむら:私は月刊誌の連載の合間をぬって週刊をやってたので、原稿をアシスタントに渡したら寝ないですぐデニーズとかに行って。次のネームやらないといけないから。

浜田:原稿出した日にネームやるんだよね。

のむら:だからファミレスの外の景色を見ながらため息ばっかりついてましたよ。

浜田:分かる。病むよねー。私は今、WEBで週刊連載を2ページだけやってるんですけど、2ページでも過酷ですね。昔「パギャル!」の時は週刊で6ページやってて、その時の編集の人は藤子A不二雄先生とか浦沢直樹先生の担当で、私を世に出してくれたんだけど、新しい原稿を出したその日に次のネームを完成させるまで帰らせてくれなかったもん!

のむら:あとギャグマンガだと一回ずつ完結させないといけないでしょ、毎回。全体で話を考えておいて今回は続くとかはいかないから。

浜田:そう!しんどいです!

M:マンガ家として生きていこうと決意したのはおいくつの時ですか?

のむら:それこそ19くらいの時から目指してましたけど、年重ねるごとにね、これは才能だけじゃなくて運だなってよく分かりましたよね。

浜田:そう、運が大きいよね。いい担当に会えるとかさあ。

のむら:だから運を呼ぶ、運を育める才能っていうのかな。

M:それは巡り合いだったりタイミングだったり?

浜田:もう、たまたまこの漫画が今、ウチの雑誌で欲しかったみたいな。

のむら:僕なんかがデビューした頃はマンガバブルでマンガが売れて売れてっていういい時代でしたから、僕の屁みたいなマンガでもいけましたけど(笑)

M:いやいや何をおっしゃいますか!

のむら:今はもう大変ですけどね、まあ好きでやってれば。

M:タイミングが大切という話ですが、お2人は日頃から「今ならこういったテーマのマンガがいいんじゃないか」というようなアンテナを立てていらっしゃるんですか?

浜田:売れてないマンガ家だと雑誌のね、犬ですよ(笑)。そういう意味では昔のマンガ家さんはいいですよね。どっちかっていうとこんなマンガ描きたい!っていう先生の意志の方が強かったでしょ?

のむら:そこは人にもよるんでしょうけどね。今の子どもマンガはメディアミックスが当然でポケモンや妖怪ウォッチが人気ですが、20年近く前はコロコロもハゲ丸、おぼっちゃまくんってどっちかっていうとオリジナルが強い時代でしたから。だから新人でも編集の言いなりになる人もいれば、抵抗して1,2本オリジナルで当たればある程度自分の描きたいものを描けたってこともありますし。だけど自分の描きたいものばっかり描いてもね、当たんないのを10年も続けてると干されそうになりましたけど(笑)。

浜田:今は雑誌が売れるものしか載せない時代だからね。

のむら:ビジネスだからね。商売にならないと。だから企画出してもこれでどれくらいの利益が出版社に入るかっていうところで、今は販売が強いんだよね。

M:ではマンガ家になってよかったということは何でしょう?

浜田&のむら:…(しばらく沈黙)。アハハハ!

のむら:よかったことかあ。

浜田:先生はよかったんじゃないですか?アニメ化もされて。主題歌も私カラオケで歌うし。

のむら:嫌々だったけど作詞もしてねえ。まあよかったんでしょうねえ。来年還暦だから全てはチャラみたいなね(笑)。でもファンがいてくれたり、自分の作品が本になったりすることはやっぱり嬉しいですよね。

M:ありがとうございました。授業楽しみにしています。

=> いよいよまんたま塾開講!

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