• このエントリーをはてなブックマークに追加

sub24C9A4416

3月3日、秋葉原の工作スタジオ『DMM.make AKIBA』にて、東京アニメアワードフェスティバル2015、アニメドールトロフィー制作発表が行われた。

DMM.make AKIBA では、レーザーカッター、3Dプリンターなど、パソコンと連動する高度な工作機械や設備を一般に貸し出し、フィギュア、アクセサリー、スポーツ用品、スマートフォンケースなど、アイディア次第であらゆるモノが製作できるスタジオとして開放している。
4C9A4346
4C9A4410
4C9A43815

3Dプリンターで作成された品々。

3Dプリンターで作成された品々。

4C91A44121

3Dプリンターで作成された、大河原邦男氏デザインのトロフィー。

アニメドールとは、アニメアワードフェスティバルにて、アニメを変え、時代を変え、世界を変え、未来を変える力を持ったクリエイターや作品に授与される特別賞であり、スタジオジブリの高畑勲監督、アンパンマンに授与されてきた。

会場には、トロフィーをデザインしたメカニックデザイナーの大河原邦男氏、DMM.makeプロデューサーの小笠原治氏、株式会社Cerevo代表の岩佐琢磨氏、トロフィー3Dデザインを担当した吉田晃永氏らが集まり、トロフィー制作秘話、アニメがモノ作りへもたらす影響力を、熱く語ってくれた。


4C9A4430

大河原:「トロフィーは、金属、メッキ、白木など、異なる素材を組み合わせる難しい課題がありましたが、とてもチャレンジしがいがありました。日本橋にある麒麟の像の羽と、スチームパンクを連想するデザインが浮かび、『これしかない!』と決めてデザインしました。このデザインはアニメではありえないデザインですが、現物を見て大変満足しています。

3Dプリンター等の最新技術によってアニメのロボットが現実になっていくのを見て、とても責任を感じますね(会場、爆笑)。
とある大学のエンジニアが、「これは『ボトムズ』のAT(注:大河原氏がメカデザインを担当したアニメ作品『装甲騎兵ボトムズ』に登場するロボット)です!」と、自作のロボットを見せてくれたときは感激しました。今、多くの核家族や独居老人がペットを飼っていますが、そういった可愛いロボットがどんどん流行っていくのではないでしょうか。
自分のデザインしたメカでは、ヤッターマンのような暖かみのあるデザインが好きで、そういったロボットが見てみたいですね。」

吉田:「大河原先生のデザインを見て、実際に動かすことを想定して作りました。また、すべてのパーツに曲面をつけ、暖かみを感じさせるデザインになっています。3Dデータは、DMM.make AKIBAで作りました。

このスタジオの設備なら、金型を使った造形ではなく、3Dプリンターを使った圧倒的な製作スピードが実現しました。あとは、やはりアイディアですね。」

小笠原:「どんな人でもアイディア次第でモノ作りができる環境を整えたいと思っていました。音楽業界では、エイベックスなどがインディーズアーティストの作品を世に出すサポートを行っていますが、造形の業界では我々がインディーズクリエイターのサポートを行えたらと思っています。

IOT(『Internet Of Things』。モノに通信機能を搭載すること)や、ハーフボーグ(人体に装着するサイボーグ装置)などを連想します。人間やモノが、それごとネットに繋がる可能性を拡げていきたいと思います。」

岩佐:「日本のデザインは海外ではまだまだ評価が高いです。私の会社では”スピード”を最大の武器としていて、製作するスピードを最大限にアップさせ、どんどん新しい試みや挑戦を行って、デザイン性を向上させています。

私は、”役に立たないロボット”が好きで、ロボットの究極である人間と同等の機能にはまだまだ追いつかないから、どこか欠けている部分があるロボットがあると、人間が『しょうがないな』と手助けして、人間とロボットの間が埋まっていくと思います。そういう点で、愛着の湧く外観デザインがとても重要だと思います。」

【60歳を過ぎてから、モノ作りを楽しむ】

4C9A44361

また、大河原氏はモノ作りに対する独自の熱い想いも語ってくれた。

「私自身、実は絵を描くより、モノを作る方が好きなんです。
アニメは、マーチャンダイジング(消費者に応える商品作り)のもと、大勢のスタッフの意見をまとめて作るので、私個人の意見を押し通すわけにはいかず、あまり自由がききません。作中ロボットのデザインをオモチャ会社へ提出するとき、『本当にこれは動くのか?』、『本当に変形や合体できるのか?』といった心配が起こります。メカデザインって、アーティストというより職人寄りで、何度も手直ししてOKをもらわなくてはいけない。過去に、担当さんがOKをくれたのですが社長の一言で変更になったこともあります(登壇者一同、「あるある」と頷き、会場爆笑)。
そこで実際にロボットの模型を作って、社長の前で動かせて採用していただいたこともあります。それにはお金はもらわず、自宅で自主的に作りました。
タツノコプロ入社後、美術の仕事に始まってガッチャマンのメカデザインを担当してから43年間、メカデザインという仕事を確立するため、多くの仕事をやってきました。
60歳を過ぎてからは、仕事以外でやりたかったモノ作りを楽しんできましたね。
自宅の作業場では、iPhone6の音を良くする木製スピーカーを作ったりしています。電子部品は使わずに、外装の構造だけで音を良くする仕様で。
モノを作っているときってとても楽しくて、工具を使っていると、とても自由を感じます。ロボットに限らず、何でも作りたいです。
DMM.make AKIBAさんでは、クリエイターが自由にモノ作りできる場所になってほしいですね。」


アニメーション業界において、メカデザインという職種を確立するため活躍した大河原氏は、モノ作りの喜びを知る生粋のクリエイターであった。

【 東京アニメアワードフェスティバル2015開催概要 】
■会期:2015年3月19日(木)~ 3月23日(月)
■会場:TOHOシネマズ 日本橋
■主催:東京アニメアワードフェスティバル実行委員会/一般社団法人 日本動画協会
■共催:東京都
■後援:外務省、観光庁、経済産業省、文化庁、中央区、国際交流基金、日本政府観光局(JNTO)、日本貿易振興機構(ジェトロ)、イスラエル大使館、フランス大使館、カナダ大使館

「東京アニメアワードフェスティバル」公式WEBサイト  http://animefestival.jp

「DMM.make 」 http://make.dmm.com

[執筆・穂坂 拓麻/撮影・木瀬谷カチエ]


関連記事:

関連ニュース

関連まんが

関連まんがはありません