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女子高生を主人公に、格闘技を通じて成長していく姿を描く漫画『ハナカク』。月刊コミックゼノンにて連載中の本作の最新巻第3巻が2月20日に発売、その記念として『ハナカク』作者の松井勝法先生と、吉本興業の芸人で人気上昇中の『御茶ノ水男子』のおもしろ佐藤さんの特別対談を実施。

おもしろ佐藤さんは、『BLEACH』や『NARUTO』などのアニメを手掛けた経験がある元アニメーターであり、その後お笑い芸人になったという異色の経歴の持ち主です。漫画家「松井勝法」先生と、芸人「おもしろ佐藤」さんとの異業種の組み合わせ。『赤鮫が行く!!』特別対談のスタートです。


おもしろ佐藤さん(以下、佐藤):はじめまして、吉本興業『御茶の水男子』の「おもしろ佐藤」です。

松井勝法先生(以下、松井):はじめまして、漫画家の「松井勝法」です。

佐藤:『ハナカク』は前から知ってまして、大好きな漫画だったんで、今回の対談めちゃくちゃ楽しみにしてたんです。

松井:ありがとうございます、嬉しいですね。最新巻がちょうどできあがってきたんでどうぞ。(『ハナカク』3巻の発売日が2月20日、この対談は18日)

佐藤:うわ~、発売前なのに!!ありがとうございます。

松井:そんなに喜んでもらえるなんて(笑)こちらこそありがとうございます。

佐藤:花夏とニナの関係性が2巻を読んでどうなってしまうんだろうってずっと気になってて。その関係性なんですけど、後輩に「竹花リベンジ」ってピン芸人がいるんです。『リベンジ(復讐)』って言葉が芸名に付いてるのかって話になるんですけど、彼はもともとイジメられっ子で強くならなきゃって言うことで柔道をはじめて頑張って練習して3年のときに県大会で決勝まで勝ち進んだんですよ。

松井:はい

佐藤:そしたら決勝の対戦相手がまさかの同じ柔道部の3年間練習でなにをやってもかなわない強いやつで、体が委縮しちゃって秒殺で負けちゃったんですよ。それで違う意味でリベンジするために芸人になるっていう。ちょっと違うかもですが花夏とニナもそういう戦いじゃないですか、だからもう早く3巻が読みたくて。(本をペラペラ見ながら)ニナはニナで何かあるんでしょうね!

松井:ニナは”正論”を言ってるだけなんですよ。でも”正論”ってわかってることを言われるから嫌われるんです。

佐藤:松井先生が”正論”って言うのに刺さりました。自分も「お前、本当に”正論”言うよな」って、よく言われるんですよ。じゃあ僕も嫌われていたのかな(笑)でも、とりあえずは…、う~ん3巻が気になりすぎて…。

松井:良かったら今どうぞ(笑)読まれてからの方が3巻の話にも触れれますし。

佐藤:いいんですか!!作品を作者先生の目の前で読むってのは緊張しますね。

近藤:先生自身は目の前で読まれるのはどんな感じですか?

松井:僕は嬉しいです。読んでくれてるのがもう嬉しいんですよ。

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~読み終わって~

佐藤:はぁ~~~~、いや~~~、ヤバいですね!4巻が気になりすぎます。ネームでいいので毎回送ってもらえませんか(笑)僕ね、勝手に宣伝部長になりますよ。

松井:ありがとうございます。頼もしいです。

佐藤:3巻読んでみて、やっぱりニナいいですね。マイノリティ(社会的少数者)って煙たがれるし集団生活の上で損するものじゃないですか。芸人ってマイノリティが良かったり、マイノリティをありのままにって言ってるけど、表では仮面を持ってて、本当の自分を出したくても出せないところがあるんですよね。でも、ニナはマイノリティでも自分の価値観を突き通すみたいな。

松井:周りの人間のことを何とも思ってなくて冷たい性格な感じですね。

佐藤:言いかたが悪いですけど、松井先生はニナと似てるんじゃないかなと、松井先生は敵キャラに自分を投影してるんじゃないんですか?

松井:ニナだけじゃなくて、ぜんぶ僕の中にあるものです。ニナは嫌なヤツとしてキャラを作ってるので、読んだ人にはとうぜん嫌な奴と思うはずなんですが、僕の中にもあるものだから「嫌なヤツ」って言われるとちょっと複雑な感じになります(笑)でも、芸人さんもそうじゃないですか?どっか引いてる自分がいないとうまく立ち回れないし、天然じゃできないと思うんですよ。この人のどこが面白いんだろうって客観的に見れる人が笑わせれると思うんです。そういう部分を僕は漫画の中で『ニナ』だからと割り切って描けるんです。

佐藤:僕ら芸人のネタもそうですけど良い意味で頭おかしい人の集まりで、ネタを作るのもそうなんです。楽しんでもらえるネタを考えて作るんですけど、その中にどんだけ自分が気持ち良くなれる要素も組み込めるかというのもあるんです。

松井:ひとつやり方として、自分の一番言いたいことは本筋に置かないってのがありますよね。歌を聴いてても思うんですけど、1番から言いたいことを言っちゃうのは上手くないなと。本当に言いたいことは2番から。

佐藤:そうそう、そうなんですよ!高橋優さんの『誰もいない台所』と言うのが秀逸でして、夢を追いかけてた男とずっと連れ添ってた女と別れてしまう話なんですけども、1番はもう言い訳の繰り返しなんですよ。2番ではじめて実はこういうことをずっと思ってたんだっていう本音を語るんです。夢を追いかけてた男全員に刺さって2番でみんな泣くんです。

松井:日常生活のどこにでもある景色から入っていくみたいなのがいいんですよね。

佐藤:あと思うんですけど、僕はガキの頃にやってた◯◯ゴッコの延長でネタ作ってるので、本人たちが楽しまないとはじまらないなと。やっぱり真剣にやるから面白いじゃないですか。僕ら30超えたおっさんがですよ、ウンコを踏んだネタを死ぬ気でやってるからこそ楽しさが伝わると思うんです。

松井:どっか照れがあったらやらない方がいいですもんね。

佐藤:昔からやってるプロデューサーさんが「いま芸人をどうやって売れさせるかがわからない」って言うんです。時代が変わりすぎて、みんながチャンネル持つ時代で『ニコニコ動画』『YouTube』『Ustream』とか、素人が売れる時代になってしまって、それに対してプロの芸人がどう対応できるかが勝負なんですけど。

松井:昔って録画もできないし、「あの人がおもしろいよ」とか「あの歌手がいいよ」って聞いたら、その人が出る時間にテレビの前で待機しなきゃだったのに、今は「あれ面白いよ」って聞いたらネットですぐに見れちゃうんですよね。だから飽きられるのが早い。それってめちゃくちゃキツくないですか?

佐藤:この人、本当に面白いなって思ってもらわないと残れないと思います。

松井:ですね。やっぱりキャラクターが愛されるかどうかですよね。漫画も今は無料で読める時代で、でもその上で単行本を買ってくれるのってやっぱり「キャラクター」を好きになってもらう時だなと。改めてキャラクターが大事だなと思いました。

佐藤:僕は「『スラムダンク』読んでないやつは人生損してる」と思ってるんですけど、これを言わせられてる時点で「井上雄彦」先生の勝ちですもんね。

松井:それを言うなら、僕、もっと損してますよ(笑)スラムダンク終わったあとにも読みきり描いてたじゃないですか、その時に井上先生の所にヘルプでアシスタントに行かないかって打診があったんですけど、結局行かなくて…。

佐藤:えっ、そんなチャンスをなぜ!。

松井:確か当時仲間内でやってたバンドの練習がその日だからみたいな理由で(苦笑)なんちゅう理由で断っとんねんって(笑)一回でもその場の雰囲気を味わうだけでも全然違ったのに…後悔してます。

佐藤:先生、良いエピソードを持ってるじゃないですか(笑)キャラクターで言うなら僕は『ハナカク』の中では「鉾田」さん推しです。主役も大事だと思うんですけど、脇役も大事だと思うんです。3巻の最後で鉾田さんが泣きながら良いセリフ言うじゃないですか、あれグッときました!

松井:キャラに涙流させるのって難しいんです。絵なので涙描けばそれでいいんですけど、やっぱり本当にここで泣く!っていう時じゃないと描けないですね。

佐藤:またスラムダンクの話になっちゃうんですけど、春子さんが小暮くんの3ポイントシュート決めた時に泣くのが本当さだと思うんですよね、いままで全部見てきてるから。

松井:読者とリンクするんですよね。

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佐藤:ぜんぜん話変わるんですけど、また格闘技ブームが来ると思うんです。

松井:来ますか?

佐藤:アイドルブームが終わって、今プロレスが来てるんですけど、(アイドル)→(プロレス)→(格闘技)→(お笑い)ってずーっとループしてるんですよ。

松井:確かにそうかもですね。ジャンプも『ドラゴンボール』とか『スラムダンク』みたいな王道が来た後、少し影のある『るろうに剣心』が始まって、また『ワンピース』とか王道が来て、そのあとまた影のある漫画とかってループしてますからね。

佐藤:だから『ハナカク』くると思うんですよ。小説を読むことができなくて漫画をずっと読んできた僕が言うので間違いないです。

松井:じゃあ、アニメ化したら声をお願いします(笑)

佐藤:マジでやりたいです。お願いします!!これからも宣伝部長として頑張ります!今日は楽しかったです、ありがとうございました。

松井:ありがとうございます。今日は楽しかったです。お互い頑張っていきましょう!これからもよろしくお願いします。

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元アニメーターのおもしろ佐藤さんに「ハナカク」のイラストを描いていただく事に。

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おもしろ佐藤さん執筆の主人公・安藤花夏。

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[月刊コミックゼノン] 
http://www.comic-zenon.jp

漫画配信サービス『まんが王国』(http://k-manga.jp)にて「ハナカク」電子版も近日配信予定。

・松井勝法Twitter @MATSUKAKU
・御茶ノ水男子 おもしろ佐藤 @fugashiou

[執筆・撮影/近藤哲也]


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