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MangaStyle掲載の立花さんへのインタビューをパネルにして展示していただいてます。

MangaStyle2014年11月掲載の立花さんへのインタビューをパネル展示していただいてます。

2015年1月26日 〜 2月7日に銀座・ヴァニラ画廊にて開催中の写真展『女装の軌跡と幸福論』。女装写真家であり女装コーディネーターとしても活躍中の立花奈央子さんの最初期の作品から最新のプロジェクトまでを展示する写真展です。

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MangaStyle編集部は昨年11月に個展開催情報と共に立花さんにロングインタビューを慣行。これまで1000人に及ぶ女装写真を撮影してきたという立花さんが思う女装論を語っていただきました。

インタビューから2ヶ月後の2015年1月にいよいよ本写真展が開催、31日には、ゲストに加茂碧唯さん(アイドルグループ「恥じらいレスキュー」メンバー)、レディビアードさん(ヒゲ女装パフォーマー)宮田徹也さん(美術評論家)を迎え立花さんとのクロストークイベントが行われました。

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宮田: 女装というテーマに至った経緯を聞かせていただけますか?

立花: 私は子供の頃から派手な衣装やお化粧に凄く憧れがありました。そういうものってゲイカルチャーにおけるドラァグクイーンがまさにそれにあたる存在で、強い憧れを持っていました。
18歳で就職してすぐに新宿二丁目で遊び始めたんです。ゴールデン街でバイトを始めた時に出来た繋がりの中に凄く素敵な女装の方がいらっしゃったんです。いつも自分が思う自由なファッションをしていて、本人も凄く上品で格好良いなと思っていました。その頃の女装というのは今ほど綺麗なメイクではなく、極端な衣装やメイクが多くて女装=変態趣味というイメージが強かったんです。確かにそういう見え方はあるんですけど、やりたい事をやれないという風潮をみていてなんか悔しいと思ったんです。でもそういう事って言葉にしても中々変わらないから、じゃあ私が実際にメイクして綺麗な女装の人を増やしていったら世の中の見る目も変わるかなと思ったんです。

当時mixiとかで女装してみたい人の募集して、実際に会って片っ端からメイクしていったんですが、そうしたらものすごく喜ばれて、今までやる人が居なかったんだなって気がついて後に仕事にするようになりました。

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立花: 何か物事を変えようとする時に、理論武装して言葉を一杯使ってしまいがちで、セクシャルマイノリティのジェンダー論を戦わせている人達って一所懸命に難しい言葉を使って自分達の居場所を勝ち取ろうとしているんですけど、言葉の正しさだけでは何も伝わらなくて、人間は価値観が違う人が沢山いるし、分からない人は分からない。でも人としてきちんとしていたら必ず味方は少なからず現れてくれると思っているんですね。
こういう風にいろいろなものを創って出すというのは色々な人達がいて、それぞれの形で生きてますよというのを見せるのが一番私にとっては良いやり方なのかなと思ったんです。

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立花: 展示の中で一つだけ人が映ってない写真があります。この写真は私の友人の実家の写真なんですけれども、この子はもうこの世には居なくて、写真はお母さんの許可をもらって撮影しました。この部屋に住んでいた子は生まれつき心が女の子で、結局性転換までするところまでいったんですね。性転換はしたんですけど、それが人生のゴールみたいになっちゃってたんです。トランスジェンダー界隈の人達はいかに女性になるかという事を目標にしがちで、そこから先どうやって生きるかという軸を立てられていないケースが結構多いんです。残念ながら彼女もそういうかんじで、女にはなったけれども、この先どうするかというと自分を認めてくれる存在として、男性に全部自分を委ねちゃったんですよ。そうすると男性に受け入れられなかった時に自分の全てが否定されてしまったような気になって、上手くいかなかったのは自分が男だったせいだって考えたりするようになるんです。
確かにそれは一つの原因だったかもしれないけれども、でも自分の心の持ち方次第でいかような生き方も選べるんだと思います。今会場に展示されている写真というのは、生き方の一つして私なりの答えではあるんです。

彼女は一番の理解者であるお母さんがいつも傍にいたんですけど、結局自分を肯定出来ずにこの世に別れを告げる事を選んでしまいました。お母さんは「男でも女でもいいから生きていてほしかった」とずっと後悔しているので、本当に切なくて。生きるのが辛いからと言って死んだら駄目で、他の人に何を言われたからってそれで自分の可能性を狭めてしまうことは無いと思います。自分の芯さえあれば何でもやりたい事はやれると思っています。

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第2部にはゲストの加茂碧唯(あおにゃん)さんとレディビアードさんが登場。

立花: あおにゃんとの出会いは「ゆりだんし」の時にモデルをやってもらったのが最初で、ツイッターにすげー可愛い子がいると思ってナンパしたのが始まりでしたね。頼んでみたらものすごいモデルの才能のある子でそれ以降もお仕事を頼むようになりました。今回の写真展のカパー写真のモデルも務めていただいたりとお世話になってます。

加茂: お声掛け戴いて有難うございます。

立花: ビアちゃんの方はアメリカ人で俳優をやっている友人の紹介を受けて知り合いました。ビアちゃんは周りの人が楽しくなるから女装するんだよね。

ビア: ハイ、みんなの楽しい、元気のかんじ、いつも私のフォーカスデスネ。ワタシ男性のかんじアル、もし女装したらみんなに面白いデスネ。

立花: 男性性があってギャップがある方が面白みが増すからこのスタイルなんだよね。だから髭とツインテールは大事。

ビア: 凄い大事。トレーニングも凄い大事。

立花: あおにゃんはどうやったら女装になるんだと思う?

加茂: 自分の場合は心に女性の服を着るかんじなんですよね。今回の写真展のカバー写真みたいに何も着てなくても、女性性を表現出来たらと思ってます。

宮田: 初めてあの写真を見た時はおっぱいがあるように見えました。

立花: ビアちゃんは撮影の時に可愛いポーズをして撮影されるときとかは何を考えてるの?

ビア: 可愛いのポーズの時は、一番大事なポイントはスマイルで凄いエクストリーム必要ネ。ハッピーのコミュニケーションの事ネ。お客様と連絡の事が一番大事デス。

立花: 愛嬌は大事ですね。どんなに顔が散らかっててもいつもニコニコしていたら周りも嬉しくなるし、可愛いなって思われたりするんで。私は女の子がおいしいご飯を食べてる時とか好きなんですけど笑。

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立花: ビアちゃんは本物のアイドルだと思うんですよ。アイドルってお客さんを幸せにする事、元気にする事が仕事なんですよね。可愛いだけではなくて、自分のライブをみてもらった人に幸せになって帰ってもらうとか。ビアちゃんはやってる事がまさしくアイドルでしかもプロ意識が非常に強いんですよ、お客様の事を考えて楽しい感じ、幸せな感じをあげたいといつも考えてるから。

ビア: that’s right、一番大事。

立花: 女装としてはアウトサイダーだけども(笑)、アイドルとしてはまさに王道を行ってるんだと思います。

あおにゃんは”男の娘”として王道だよね。”男”の”娘”と書いて”男の娘”。一般的には女の子にしか見えない男の子、でも本人は男という定義がありまして、それでいくとあおにゃんは男としての要素を残しつつ、女にしか見えないという要素も持ち合わせていて時代のアイコンにふさわしいのではないかと思います。

こういうシンボル的に活躍できるモデルさんに共通しているのは、フォーカスが自分自身ではなく他の人の事を考えているんですね。どうやって自分を見せていくかという客観的な事をいつも考える事が出来るから、メッセージとして伝える時に非常に写真が強くなる。
よくモデルとして使って下さいという人がいるんだけど、そういう人は可愛い自分の写真だけ使って欲しいみたいな事があったりして、作品にはあまり使えない事が多いんですが、この二人はいつも全部私に任せてくれてます。
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会場の立花さんの作品には展覧会の表題「幸福論」のとおりに、女装した人達の幸せそうな姿が映し出されているのが印象的でした。
女装という世界の物珍しさだけではない生き方の一つが映し出されています。写真展は今週7日(土)まで、銀座ヴァニラ画廊にて開催中。

加茂碧唯さんは今後女性アイドルグループ「恥じらいレスキュー」唯一の男性メンバーとして参加しメジャーデューも決定。レディビアードさんは現在発売中の週刊プレイボーイにグラビアページが掲載とのこと。時代のアイコンともいえる女装を代表する二人の活躍も是非チェックされて下さい。


立花奈央子(たちばな なおこ)

女装コーディネーター、フォトグラファー、メイクリスト。 株式会社オパルス代表取締役。
「フォトスタジオ大羊堂」を経営し、テレビ・雑誌等でも女装のスペシャリストとして活躍。 女装撮影や女装講座講師を行う中で、これまで手がけた男性は ジャニーズ所属のトップアイドルから70歳のベテランまで、のべ1000人を超える。
より多くの人が性別に関する固定観念から脱し それぞれの自由と幸せを見出す契機とするために、 女装者の写真を撮り続けている。

立花奈央子展「女装の軌跡と幸福論」
開期:2015年 1月26日[月]~2月07日[土]
会場:ヴァニラ画廊 新画廊 展示室 A
住所:東京都 中央区銀座八丁目10番7号 東成ビル地下2F
http://www.vanilla-gallery.com/archives/2015/20150126a.html

時間:月~木曜12:00~19:00、金曜12:00~20:00、土、日曜12:00~17:00
料金:500円

★刊行物

2010年9月 「コスプレイヤーのための2.5次元フォトレタッチガイド」(株)アスペクト

2011年12月 男の娘写真集「TRAP」(株)ミリオン出版

2013年7月 女装男子写真集「ゆりだんし」(株)マイウェイ出版

2014年5月 ヒゲ女装アイドルLadyBeard写真集「Sing,Dance,DESTROY!!」

★展示

2009年3月 東京・新宿にて個展「彩色絢美」

2010,11,12,13,14 東京・渋谷にて合同展「ポートレート専科2010」

2011年12月17日~2012年1月15日 東京・原宿にて個展「七彩鑽石」

2013年9月24日~10月6日 台湾・台北 littleMOCA にて個展「巡回展in台北 百合男子」

作品サイト → http://crossdressjapan.com

フォトスタジオ大羊堂:http://taiyodo.in

立花奈央子 Twitter:@taiyodo_boss 

碧唯くんTwitter:@ao_nyan_nyan

Ladybeard Twitter:@Ladybeard_Japan


[執筆・撮影 木瀬谷カチエ]
※会場写真の一部は立花さんからお借りしました。


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