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Arusen762
懐かしくて、かわいくて、せつなくて、つらい。1ページで心を揺さぶる物語『今日の漫画』。

作者は今年、Twitterで泣ける1ページ漫画としてたちまち話題となった史群アル仙さん。大阪を中心にクレパス作家、ライブドローイングなど、漫画家の枠におさまらないアーティストとしても活躍している今年もっとも注目の新人作家の一人です。
昭和の画風を受け継ぐ作品から、年配の男性作家を想像するも、90年生まれの女性と分かるとファンからも驚きの声があがりました。

10月に刊行した初の著書『史群アル仙作品集 今日の漫画』(ナナロク社)は、人気デザイナー名久井直子による装丁でコミックスとしては珍しいハードカバーでの1冊。通常のコミックスの2倍近い価格にも関わらず、刊行3日でたちまち増刷。現在1万部を突破するヒット作となっています。

MangaStyleも五月に開催されました史群アル仙さん東京初の個展「COMPLEX2」の様子をレポートさせて戴きました。
個展から半年が経過し、いよいよ初の単行本を刊行された史群アル仙さんに現在の心境を伺いました。


-単行本化おめでとうございます。Twitterの評判から、書籍化という流れを経てご自身の作品が書店に並んでいるという事に対して現在どういった感想をお持ちでしょうか?

史群)  書店に並んている自分の漫画本を見て、コレは他人が描いたんじゃないか?とまだ思ってしまいます。 このように嬉しすぎて実感がわかない反面、じーんとして泣けてくる時もあります。

-1ページ漫画・短編漫画は短い分、凝縮したアイデア出しが必要になると思いますが、創作のコツがあればお聞かせください。

史群)  読者の皆様の想像力を大切にしているため、不必要な情報はできるだけ排除するようにし、台詞も必要な言葉だけをシンプルに並べていきます。 その分、コマの中の画で遊んだりして、読者の皆様に楽しんで頂けるように心がけています。

-単行本の中には動物との交流といったモチーフが多数出てくるのですが何故動物を登場させるのでしょうか?

史群)  私が日常の中で、人が動物のように、動物が人のように思えたりするからです。

-単行本左ページに漫画ページと併記してあります一連のイラスト群には同じキャラクターが見受けられますが、どういったテーマでお描きになられたのでしょうか?

史群) あれは自画像と美女を描いた「美女とアル仙」というシリーズです。 日々湧き上がる感情を美女と自身を絡めた画で表現しています。 全て下書きをせずに一発描きで描いているため、私自身もどんな絵になるのかは完成するまで解りません。

-今回MangaStyleのトリビュートイラストの企画に『奇子』を御寄稿いただきまして誠にありがとうございました。『今日の漫画』の中にも『ウラックジャック』というとても楽しいオマージュ漫画が掲載されていますが、手塚治虫作品の中ではどんな作品がお好きでしょうか?

史群)  やはり「ブラックジャック」が一番大好きです。20ページほどにあれだけストーリーがつまっていて、1コマ1コマに無駄がなく、1話読むごとに映画を1本観終わったほどの感動があります。 小さい頃から漫画のお手本にしていました。 勿論「奇子」も。奇子の運命に胸が苦しくて吐きそうになりながら読みました。 伺朗兄ちゃんの「奇子……泣くな 闇はおめの世界だど!生きのびろよ……」という台詞と、ラストの奇子の笑顔を思い出し、今回、絶対描きたいと強く思いました。

『手塚治虫の美女画展』×『MangaStyle』手塚作品トリビュート・イラストギャラリー/紫群アル仙 『奇子』

『手塚治虫の美女画展』×『MangaStyle』手塚作品トリビュート・イラストギャラリー/史群アル仙 『奇子』

-『今日の漫画』の中でご自分で印象に残っている作品、好きな作品、や創作時のエピソード等ありましたらお聞かせ下さい。

史群)  「可愛いヨッちゃん p.29」は自分自身でも答えが見つからない作品でとても印象に残っています。「愛した女(ひと)p.55」「元気が無い p.47」は日頃抱き続けてる心情をそのままイメージして描きました。

-単行本の『史群アル仙の日々』は『今日の漫画』とは違ってユーモラスな印象を受けます。人の暗部に焦点を当てた作品が多い『今日の漫画』『短編3作』との描き分けや、読者へのアプローチはどういう違いがあるのでしょうか?

史群)  「今日の漫画」は様々なキャラクターを登場させて、心の叫びや様々な訴えを描いていますが、「史群アル仙の日々」はそんな自分の思考回路を面白おかしく感じてしまった時に描いています。

-あとがきや付録のポストカードでは自画像と思われるキャラクターの明るい表情が見られます。今後ご自身の作品はどういった方向性に向かわれると思いますか?また描いてみたい題材はありますか?

史群)  まだまだ漫画家として未熟なので、感情のままに描く作品が多いのですが、いずれは、カッコ良かったり、楽しく幸せな漫画も描きたいと思います。 色んな題材にどんどんチャレンジしていきたいです。

-『今日の漫画』の単行本を読んでくれた読者、またはこれから読んでくれる読者の皆様へ一言ありましたらお願いします。

史群)  皆様の応援のおかげでこうして素晴らしい本が生まれました。本当にありがとうございます。 生きていると辛いことも沢山あるけれど、私の漫画を読んで、共感したり笑ったりして下さい。私も頑張れます。 頑張ります!頑張りましょう!これからも、どうか宜しくお願いします。


Twitterから遂に単行本のデビューを果たした史群さん。書店に著作が並ぶ事によってより多くの読者の目に作品が触れることになり今後の展開がさらに楽しみです。

11月から秋田書店『Championタップ!』にて新連載『臆病の穴』もスタート。今後もMangaStyleは史群さんの作品に注目していきます。


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【史群アル仙プロフィール】

史群アル仙。漫画家・クレパス画家。昭和漫画に影響を受けた懐かしい画風の漫画と不可思議な世界観のクレパス画、二つの顔を持つ。

2014年ツイッターにて1ページ漫画「今日の漫画」を発表。10月にナナロク社より初の漫画単行本を刊行。
11月より秋田書店『Championタップ!』にて連載スタート。また、アートフェストP.A.D.ではライブペインティングなどで出演。

■史群アル仙 BLOG : 史群アル仙のHPARUSEN ROOM
■史群アル仙 twitter : @shimure_arusen

【書籍情報】
『史群アル仙作品集 今日の漫画』
刊行:ナナロク社
ブックデザイン:名久井直子
判型:B6サイズ上製
定価:1,200円+税
頁数:184ページ
発刊:2014年10月上旬


■関連リンク : 『手塚治虫の美女画展』×『MangaStyle』手塚作品トリビュート・イラストギャラリー


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