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コスプレへの情熱は世界共通。衣装のレベルも高かった

コスプレへの情熱は世界共通。衣装のレベルも高かった


「クール・ジャパン」を旗印に、国を挙げて日本文化を売り出す動きが加速している。そのコンテンツのひとつである、日本のマンガ・ゲーム・アニメは、世界でどのように受け入れられているのか。9月6~7日にシンガポールで開催されたポップカルチャー関連イベント「The Singapore Toy, Game & Comic Convention(STGCC)」に参加してみたところ、日本のオタク文化が時間差なく国境を越えていることを実感。同時にアメリカンコミックス(アメコミ)の強さも思い知った。

STGCCはフィギュアメーカーや出版社、グッズ販売店の企業ブースに加え、コミックアーティストや個人クリエーターのブースが一同に会する。会場の一角にはステージが設置され、コスプレショーなどステージイベントを開催するなどとにかく内容が盛りだくさん。アニメにコミック、ゲームとあらゆるポップカルチャーを詰め込んだイメージだ。

高級リゾート施設の一角にポップカルチャーのファンがぞろぞろ

高級リゾート施設の一角にポップカルチャーのファンがぞろぞろ


会場はなんと、シンガポールの高級リゾートホテル「マリーナベイサンズ」コンベンションセンター内のホールだ。カジノや高級ブランド店に訪れた観光客に、フィギュアを手にするファンやコスプレイヤーが混ざる光景は、日本ではなかなか見られない。

筆者が参加したのは7日(日)。オープンの10:00前にすでに入場待ちの行列ができていた。

入ってすぐの一等地にブースを構えていたのはフィギュアメーカーのホットトイズだ。『スター・ウォーズ』のキャラクターが並び、一緒に写真を撮れるようになっていた。

入り口すぐの一等地は『スター・ウォーズ』キャラクターとの写真撮影スポット

入り口すぐの一等地は『スター・ウォーズ』キャラクターとの写真撮影スポット


会場内で最も目立つのは、キャラクターのフィギュアだ。特にアメコミ作品のキャラクターが多い。出版社のブースでもアメコミのコミックスが目に飛び込んでくる。STGCCの運営主体が、ニューヨークのコミックコンベンションの運営主体と同じであること、またシンガポールの公用語が英語であることが関係しているのかもしれない。バスケットボール選手など実在の人物のフィギュアもあった。ちなみにアメコミキャラクターのフィギュアは、日本のアニメ・マンガのキャラクターのものよりどれも大きい。家の大きさの違いだろうか。

アメコミキャラのフィギュアの宣伝にも力が入っていた

アメコミキャラのフィギュアの宣伝にも力が入っていた


アメコミ作品を販売しているブースでは、アーティストがリクエストに応じてイラストを描いてくれるところも

アメコミ作品を販売しているブースでは、アーティストがリクエストに応じてイラストを描いてくれるところも


関連グッズの販売するのは「Otaku House」だ。「プラザ・シンガプーラ」に本店があり、日本のマンガのフィギュアやグッズ、コスプレ関連商品を販売している。来場者から人気を集めていたのは、レプリカの日本刀。多くの人がガラスケースに近寄り、まじまじとチェックしていた。「HUG PILLOW」という名前で、キャラクターが印刷された抱き枕も並んでいたのには驚いた。

関連グッズ販売の「Otaku House」も出展。「抱き枕」「コスプレ衣装」などを置いていた

関連グッズ販売の「Otaku House」も出展。「抱き枕」「コスプレ衣装」などを置いていた


日本でいう「サイン会」のコーナーもある。コミックアーティストがブースを設け、作品を販売しつつサインをしていく。気軽にファンとの写真撮影に応じるのも新鮮だった。

サイン会で写真撮影に応じるコミックアーティスト

サイン会で写真撮影に応じるコミックアーティスト


日本でおなじみの企業もブースを出していた。バンダイは「魂ネイションズ」を全面的にプッシュ。『ONE PIECE』のルフィやエースのフィギュアに加え、ポケットモンスターのキャラクターやドラえもんも並んでいた。奇想天外なビジュアルで話題をさらった、「超合金SFロボット藤子・F・不二雄キャラクターズ」も発見。ドラえもん人気の土地で、どう受け止められたのか気になるところだ。

大きなブースを設けた魂ネイションズ

大きなブースを設けた魂ネイションズ


バンプレストは『進撃の巨人』『キルラキル』『魔法少女まどか☆マギカ』など日本の書店などで人気の「一番くじ」を持ち込んだ。「まどマギ」は1回13シンガポールドルとほかの作品よりやや高めながら、終了時には売り切れになっていた。

出版社で参加したのは、小学館の現地法人だ。『ドラえもん』『名探偵コナン』『マギ』など各コミックスの英語版、ドラえもんやポケモンのグッズを販売していた。コミックスでは、様々な職業のメガネ男子を特集したアンソロジー『メガ∞コレ』(河丸慎先生)も人気とか。萌えポイントは日本と通ずるところがあるのかもしれない。

小学館ブースでは『ドラえもん』や『名探偵コナン』をプッシュ

小学館ブースでは『ドラえもん』や『名探偵コナン』をプッシュ


トレーディングカードゲームとブラウザーゲームを組み合わせた「ガンダムデュエルカンパニー」の宣伝も

トレーディングカードゲームとブラウザーゲームを組み合わせた「ガンダムデュエルカンパニー」の宣伝も


企業ブースが多いものの、決して企業・商業コミックアーティストのためだけの場ではない。ホールの一角は個人のクリエイターのためのスペースになっており、オリジナル作品を出す人やファンアートを販売していた。『進撃の巨人』『弱虫ペダル』『マギ』『Free!』『ハイキュー!!』『ラブライブ!』などファンアートでの人気作品は日本の同人誌即売会と変わらない。先に終了したばかりの『月刊少女野崎くん』のイラストもあった。

最も盛り上がっていたのはコスプレだ。ステージではコスプレイヤーによる、男性キャラ用メイクレッスンを実施。7日のステージの最後も「Cosplay Runway@STGCC」というコスプレショーで締めくくった。ほかのどのイベントよりも多くの観客がつめかけ、ファッションショーのようにステージ上に現れるコスプレイヤーに歓声を送っていたのが印象的だった。凝ったロボットのコスプレをして、ステージへの階段を上れない人が出てくるのもご愛嬌。どのコスプレイヤーも衣装やステージ上でのポージングに力が入っていた。

ステージ上でコスプレイヤーのためのメイクレッスンも

ステージ上でコスプレイヤーのためのメイクレッスンも


ステージ企画のラストはコスプレショー。ファッションショーのようにDJミュージックにあわせて歩く

ステージ企画のラストはコスプレショー。ファッションショーのようにDJミュージックにあわせて歩く


企業ブースの並ぶホールの隣には、コスプレイヤーらが自由に撮影できるホールも用意されていた。もちろんホールから飛び出し、コンベンションセンターのロビーやホテルの外で撮影する人たちもいる。撮影の場所や背景に凝りたいのは世界共通のようだ。

コスプレイヤーらは、コンベンションセンターのロビーのほか、企業ブースのあるホールにも自由に出入りできる。フィギュア販売ではアメコミキャラクターが目立ったものの、コスプレでは日本の作品が目に付く。『美少女戦士セーラームーン』『黒子のバスケ』のほか、『弱虫ペダル』『ハイキュー!!』のキャラクターも。企業の製品と違い、コスプレは個人の“好き”という感情が、そのままストレートに反映されやすい。日本の作品が世界中で人気になるまでの時間差がなくなっていることが改めてわかった。

マレーシアから来たという女の子。コスプレ姿で企業ブースを回る人も少なくない

マレーシアから来たという女の子。コスプレ姿で企業ブースを回る人も少なくない


ロビーもコスプレイヤーの撮影スポットのひとつ

ロビーもコスプレイヤーの撮影スポットのひとつ


会場内では多くのファンが、友達同士で買ったグッズを見せ合ったり、ファンアートを販売している人と楽しそうに話したりしていた。アメコミだけでなく、日本発信するコンテンツが好きな人は日本国外にもたくさんいる。「クール・ジャパン戦略」がこれらのイベントに集うファンに届いてほしい。

[取材・文=bookish(マンガナイト)]

▼イベント情報
Singapore Toy, Game & Comic Convention
URL:http://www.singaporetgcc.com/

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