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家庭料理で消費税増税分を節約してみませんか

 給仕長の旨井旬一(うまい・しゅんいち)が、蔵書数千冊の中からお薦めのグルメマンガをご紹介する、グルマン亭へようこそ。
 4食目となる今月は、消費税増税から2カ月で圧迫された財布を休める、「節約」がテーマの作品を紹介します。


~消費税増税に負けるな!家計も助かる「節約料理マンガ」3選~
・『おかわり飯蔵』(原作:魚柄仁之助、作画:大谷じろう・小学館)
・『貧民の食卓』(おおつぼマキ・新潮社)
・『きのう何食べた?』(よしながふみ・講談社)

『おかわり飯蔵』(全11巻)

 財布への配慮はもちろん、食材を大切にするという思いが込められた作品。原作者は『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』(朝日新聞社)などの食の節制を訴える著作でも有名な食生活研究家です。
 古道具屋を営む料理上手な20代の主人公を、本のテーマにしようと女性の新人雑誌編集者が追い回す物語。中華鍋で炭火焼きをしたり、乾物をミキサーで粉にして練りこんだりと、主人公は道具を上手く使って食材を無駄なく様々な料理にします。
 3巻では、1匹のイナダから①刺身②吸い物③頭の塩焼き④空揚げ⑤皮塩焼き⑥肝の酒蒸し⑦昆布締め⑧照り焼き⑨粕漬け⑩みそ漬け⑪竜田揚げ――の11品、4日分の料理を17分間で作る手順を進行表付きで紹介。描かれる調理法は実用性も備えています。
最終11巻の発行は2004年初めだったにも関わらず、年数を空けて07年にテレビドラマ化も果たした作品。「安くておいしい」料理を食べたいという思いは常に人々にあり続けることをうかがわせます。

『貧民の食卓』(全5巻)

 節約料理のレシピと一緒に材料の詳しい価格を紹介しているのが特徴の作品。2巻からは表紙に「1食100円以下の激安・激美味料理満載!!」と記載されているように、とにかく価格にこだわりが見えます。「パスタづくし」の回では、トマトの冷製パスタに加え、焼き、揚げ、サラダとスープの5品で1人前97円というレシピが登場。「米や調味料は価格に含めない」「食材は特売の価格」などの注釈が乱発されているものの、料理研究家の監修で全73話を描き切ったのは素晴らしい熱意です。
 ストーリーは、妻に先立たれて働く気力を無くした父親が、育ち盛りの娘と息子のために激安料理で食卓を彩るギャグテイストの内容。毎回、物語の途中に突然作者が登場し、料理のポイントや味を解説します。作者が仕事場で自炊しているため「さらなる経費節減のためにこの漫画を始めたと言っても過言ではない」と明言しており、文字通り、台所事情をさらけ出してまで作品を盛り上げようという潔さを感じます。

『きのう何食べた?』(最新8巻、以下続刊)

 こちらは節約と健康を両立させた「自炊自活マンガ」です。主人公は男性2人で暮らしており、老後への貯蓄を目的に毎月の食費を2万5000円以内に決めている設定。自炊を始めた理由は肥満解消ということで、野菜や魚中心のヘルシーな料理のレシピが満載です。
 主人公は弁護士で、物事を順序立てて整理することに達成感を覚える性格。料理でも同じように、食材を無駄なく安く買い、効率の良い順番で作業することにきっちりこだわります。その几帳面さは夕食の準備で「仕事で案件をひとつキレイに落着させたくらいの充実感」を得られると言ってしまうほど。工程が1つ1つ丁寧に描かれ、買い物や料理の場面が多く登場するのが特徴的です。
クオリティもレシピ本レベルで、8巻の限定版には、既刊の各巻に収録した料理が一覧できるシールを付属。「いわしの梅煮」「スナップえんどうのゆず胡椒びたし」などの料理名を見ているだけで、冷蔵庫の在庫を確認しに行ってしまうほどの魔力があります。

お気に召す作品はございましたでしょうか。
またのご来店を心よりお待ち申し上げております。

[執筆=旨井旬一(マンガナイト)]

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