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それは”終わらない学園祭”

機動警察パトレイバー (c)ゆうきまさみ/小学館

機動警察パトレイバー (c)ゆうきまさみ/小学館

『汎用人間型作業機械“レイバー”。続発するレイバー犯罪に対抗すべく、警視庁は本庁警備部内に特科車両二課パトロールレイバー中隊を設立した・・・。』

ゆうきまさみ原作「機動警察パトレイバー」の漫画が「少年サンデー」誌に連載開始されたのが1988年。

作品の舞台はそれから10年後の近未来1998年。
物語は新人婦警候補生・泉野明が特科車両二課第二小隊に配属される場面から始まる。普段は昼行燈だが実は切れ者「カミソリ後藤」の異名を持つ後藤喜一隊長、レイバー製作メーカー篠原重工の御曹司の篠原遊馬、暴走機関車のようなレイバー搭乗員大田功、美人巡査部長 熊耳武緒、後方支援担当の進士幹泰、心優しい巨漢 山崎ひろみ、エリート部隊第一小隊隊長 南雲しのぶ、整備班長のオヤッさんこと榊清太郎、同じく整備士でムードメーカーのシバシゲオ。
個性的な同僚に囲まれる中、特車二課に最新式のパトレイバー98式AV・通称イングラムが配備され野明はそのパイロットとして任命される。
片や民間の重機製造会社「シャフト」の技術開発者・内海によってグリフォンと呼ばれる黒い機体のレイバーが極秘裏に製造され、謎の少年バドがパイロットとして乗り込む。
レイバーを巡る企業の開発競争を背景にやがてイングラムとグリフォンの二機のレイバーは対峙することになり、物語はやがて国際的な犯罪にまで発展していく・・・。

見慣れた東京の街並みを人型ロボットが警視庁の桜の代紋を胸にリボルバーを発砲するという破天荒な世界観。街中の電線を避けながら格闘する全長8メートルのレイバー、カップラーメンを啜りながら宿直する特車二課の隊員達、雑草の生い茂るただっ広い埋立地の中に取り残されたように立つ特車二課の棟屋、細部に渡る描写が物語に等身大の生活感と人間臭さを与え、日常と非日常が融合した不思議な空間が漫画の中に描き出される。

環境問題によるバイオハザード、レイバーを巡る軍需産業の利権、警察署内の派閥争い、コンピューターウイルス感染によるレイバーの暴走等少年漫画誌とは思えないリアルな問題提起も作品内に盛り込まれている。
土木作業用のレイバーがコンピューターOSによって管理され、やがて宇宙開発、軍事利用、されていくようになる様は現実のロボット開発や人工知能の進化ともリンクする。

「機動警察パトレイバー」はメディアミックス作品として、ヘッドギア(押井守、伊藤和典、出渕裕、高田明美、ゆうきまさみ)のメンバーを中心にOVA化、3度の劇場化、テレビアニメ化、小説化と様々な広がりを見せていった。それぞれが同じ世界でありながらパラレルワールドのように漫画版とは違う物語や結末を迎える。

2014年4月5日押井守監督、真野恵里菜主演の実写版映画として新たに『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』(ザ ネクスト ジェネレーション パトレイバー)が製作され劇場公開された。
全12話を7回(7章)に分けて公開され、その後2015年に長編劇場版も公開を予定している。

4月13日、映画の公開に合わせて行われた吉祥寺での等身大イングラムのデッキアップのイベントには、道路を埋め尽くす程の人が道路に溢れ周囲から大きな歓声が上がった。

「機動警察パトレイバー」の世界観は同じく押井守監督の名作「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」とも共通する”終わらない学園祭”をどこか彷彿とさせる。
特車二課の物語は漫画連載開始から26年たった現在も息づいている。

[執筆=木瀬谷カチエ]

機動警察パトレイバー バナー

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