カテゴリー: インタビュー

  • 目標の180万を達成!(8月25日時点)

    目標の180万を達成!(8月25日時点)

    かつてチャンピオンで連載していたSFバトル漫画「バーサスアース」。

    諸事情により本誌での連載が終了した後、なんと原作者の一智和智先生がpixivで続編「バーサスアース・ウォーハンマー」を執筆する、という展開が大きな話題になった。そして現在は最終章の執筆に向け、クラウドファンディングサイト「FUNDIY」でその制作資金を募っている。(※8月25日時点で既に180万円の目標金額は達成)

    そんな数奇な運命を辿っている漫画「バーサスアース・ウォーハンマー」の作者・一智和智先生にまんがstyle編集部が話を聞いてみた。


    「バーサスアース」は”陣地取りゲーム”のような漫画

    本日はよろしくお願い致します。まず一智先生が初めて読んだ漫画を教えて頂けますか?

    一智和智先生(以下一智):小さい頃は「キン肉マン」が好きでしたね。あと、車田正美先生が「聖闘士聖矢」の前に描いていた「風魔の小次郎」って漫画も大好きでした。 親父が仕事場からよくジャンプを持ち帰ってくれて、それをよく読んでいましたね。

    初めて漫画を投稿したのはいつ頃でしょうか?

    一智:中学3年生の頃に初めて投稿しました。それからずっと描き続けていて20歳でデビュー、それ以降は漫画の収入だけで食べてます。

    一智先生は漫画家としてデビューされていますが、今回お話をお聞かせ頂く「バーサスアース」では原作を担当されています。この作品が誕生した経緯をお聞かせ頂けますか?

    一智:元々は編集担当と2人で作っていました。「バーサスアース」のネームを初めて見せた時、その担当のウケがすごく良かったんです。それで連載に向けて動いてくれたのですが、結局編集長からはボツを喰らってしまい、連載にあたって変更プランを色々と提示されました。ただ、それ案を取り入れると初めに構想していた内容と変わってしまうな、という葛藤があって…。

    バーサスアース第一巻

    バーサスアース第一巻

    どういった案だったのでしょう?

    一智:具体的には、主人公のキャラをもっと立たせろ、という指示でした。 「バーサスアース」の主人公はどちらかというとフラットな、不特定多数の人が感情移入できるキャラとして描いていました。 ただ、最近の漫画の主人公って、例えば内向的なキャラであれば、目の前にあるコーヒーを飲むにしても「コーヒーをどうやって飲もうかな、砂糖を4つ入れたらおかしな人だと思われないかな?」というように、些細なことに対しても内面描写を非常に細かく入れる傾向にあるんですよね。逆に外交的なキャラであれば「お前は俺が守る!」と分かりやすく何度も叫ぶ、みたいな。 だけど、序盤にそういうことをたくさんやるとどうしても物語のページ数が多くなってしまって勢いが失われてしまう。僕は担当の編集さんに見せた時のファーストインプレッションを大事にしたいと考えていましたので、そこは変えたくないということで交渉しました。それで最終的に、「絵の上手い新人がいるのでその人を作画にする」ということで、渡辺(義彦)君を紹介されて連載に至りました。

    別に作画をつけるということには抵抗はなかった?

    一智:そうですね、渡辺君とはウマが合ったのか、僕が盛り上げて欲しい部分は何も言わなくても盛り上げてくれるような感じでした。なので作画については非常に満足しています。

    「バーサスアース」を作るにあたってのこだわりはどこでしたか?

    一智:僕はバトル漫画って最初に敵を作るべきだと考えているんです。バトル漫画って、どうしても主人公のカッコいい技や武器を最初に考えがちなんですが、その技や武器でやられる敵が絶対にいますよね。その敵を倒すために武器が作られる訳ですから、敵がイメージできていないと武器自体が説得力に欠けると思っていて。それで先に面白い敵を考えようと。「バーサスアース」の敵は、最初から”喋らない””動かない””分かりやすい見た目”ようにしよう、と考えていました。

    なるほど!それであの柱の形状になったわけですね。

    一智:そうです。要は陣地取りゲームのようなバトル漫画にしたかったんですよ。マス目の陣地上で突然柱が出現したり、それを主人公たちが予測して迎撃するようなね。実際にその展開は序盤で描いていますが、満足できたシーンの1つです。

    お話を聞いていると非常に合理的にストーリーを構築されるタイプの気がします。

    一智:本来の性格は全く違うんですけどね。だからこそ「どうしてこうなるんだよ」みたいなツッコミを受けないためにも考えてしまうところはあります。

    ≫連載終了、pixivで復活、そしてクラウドファンディングへ

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    手塚るみ子さんをホストに迎え、毎回ゲストから自分の分岐点となった局面を伺い、 創作の秘密を掘り下げていく対談企画・Crossroad。

    第三回目のゲストにお迎えしたのは、漫画家の松田奈緒子さん。現在『月刊!スピリッツ』誌上にて女性漫画編集者を主人公にした話題の作品『重版出来!』を連載されています。

    雑誌『コーラス』でデビュー以来、女性向け漫画を中心に発表し続けていた松田さんですが、近年青年誌へと発表の場を広げて以降、さらに多くの読者の目に触れる作品を執筆されています。

    松田さんの”自分の分岐点となった局面”とは?『重版出来!』の担当編集者、山内菜緒子さんも交えて、会話が始まりました。


    恋愛ものより「働く女の人」の少女漫画が好きだった

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    松田:この絵は、『はいからさんが通る』(大和和紀)を読んでいたときの絵です。私が小学校の四年生か五年生の頃ですね。当時は団地の五階に住んでいたんですけど、友だちが『はいからさんが通る』の単行本を貸してくれまして、母親が仕事から帰ってくるのが、だいたい夕方六時くらいなんですが、辺りが暗くなっても、漫画を読みふけって母親が帰ってきて「あんた、こんな暗いところで何しよってね」と言われて、我に帰ったりして(笑)。それで「どうして私はこの漫画の世界の中にいないんだろう…」と思っていました。 当時の出来事が、漫画家になろうと思ったきっかけになっている気がします。

    手塚:漫画っ子だったんですね。

    松田:今ならDVDとか観ていると思うんですけど、当時の長崎県(松田さんの出身地)にはレンタルDVDもないし、そもそもビデオデッキすらない。そんななかで楽しみといったら、友だちと遊ぶことと、TVを観ること、そして漫画を読むことぐらいだったんですよね。純粋に漫画で育ってきたことを考えると、幸福な子ども時代だったなと思っています。

    手塚:親御さんも、漫画読んでOKという感じだったんですか。

    松田:うちはもう超放任主義でした。何にも言われなかった。本自体がうちになかったんですけど、親と一緒に本屋さんへ行けば『なかよし』や『りぼん』とか、雑誌は買ってくれていたんですよね。だから漫画は何でも読ませてくれていました。

    手塚:大体の親は、「漫画ばっかり読んでないで、勉強しなさい」というか、「漫画も何でも好きに読んで、勝手に外で遊んでなさい」っていうかのどちらかだと思うんです。 ご両親も漫画は読んでいたんですか。

    松田:父親が『じゃりん子チエ』(はるき悦巳)を読んでいました。あとは、『ゴルゴ13』(さいとうたかを)とかかな。

    手塚:松田先生が一番印象に残っているのは、先ほどお話に出た『はいからさんが通る』なんですか?

    松田:“この漫画の世界の中に入りたい”と思ったのが、『はいからさんが通る』ですね。 後で気がついたんですけれど、私は「働く女の人」が好きみたいですね。『はいからさんが通る』も主人公の「紅緒さん」が働いていたんですね。 どうも自分が好きな少女漫画は“社会の中へ転がり出て働かなきゃならない”という境遇に放りこまれた少女たちが多くて、そういう傾向の作品がすごく好きでした。 『キャンディ・キャンディ』(水木杏子/いがらしゆみこ)も好きでしたが、あの作品も働いていますし。少女漫画の定番の「恋愛」とかはなぜか興味が持てずで(笑)

    手塚:「働く女の人が好き」、という意味では、松田先生が現在執筆中の作品(『重版出来!』)にもつながっている気がしますね。

    松田:そうなんですよ。自分が描いているものは、女性がみんな働いているんです。

    手塚:私は松田先生の漫画は『コーラス』で初めて読ませていただいたんです。 その作品の多くは、女性の活躍や自立を描かれている印象があったので、今のお話を聞いて「やっぱりそうだったんだ」と、すんなり納得しました。

    松田:自分ではずっと気がつかなくて、そういう話しをさせていただく機会があって、初めて気づきました。

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    漫画は“最後のプライド”だった

    手塚:漫画を描き始めたのも、この絵のときくらいですか。

    松田:紙に鉛筆で描いていたのは、小学校五、六年生の頃だったかな。

    手塚:その頃に漫画を読んで、以来、ずっと漫画家になりたいと思っていたんですか。

    松田:そうですね。“なりたい”というか、“なるもの”だと思っていました。歳を取ったらお婆ちゃんになるように、私は漫画家になるんだ、と。でもふつうは模写とかする思うんですが、私の場合は、ぜんぜん努力もせず、ただ漫画を読み、ノートに鉛筆でオリジナルの漫画を描いて、友だちに読ませたりしていたんです。 それから、中学二年生くらいだったかな…ペンで漫画を描いて、雑誌に投稿し始めたんです。

    手塚:友だちに漫画を描いている子はいたんですか。

    松田:いませんでした。私は友達に「似顔絵描いて」とか言われたりして、大人気でしたよ(笑) みんなから「なおちゃんは将来漫画家になるんだ」と言われてたんですが、志望した高校のデザイン科を受験したら、失敗したんです。それからは、みんな腫れ物に触るようになってしまって。「なおちゃんは漫画家になれないんだ…」という感じです。 自分でも、受験に落ちたことで、夢を否定されたような気がして。高校入学後は、友達もつくらず誰とも口をきかないで…そこから三年間、ひたすら小説を読んで、かなり暗い高校生活を過ごしました。漫画の投稿も続けていたんですが、ぜんぜん引っかからなかったですね。

    手塚:全部自分で抱え込んで、悶々としているわけですよね。周りに話してわかってくれる人はいたんですか。

    松田:私が行きたかった高校のデザイン科には、谷川史子さんがいらしていて。当時、谷川さんは学内の漫研で作品を描いてらして私も誘っていただいたんですが、参加しなかった。もし誰かが自分の漫画を否定したらと、どこかで怖かったんだとおもいます。 自分の実力を知るのが怖かった。当時の私にとっては、漫画が最後のプライドだったので。もしあれで、自分が漫画でもたいした人間ではないんだと思ってしまったら立ち直れなかったと思います。

    谷川さんはその後、高校在学中に漫画家デビューなさったんで、私が上京したあとも連絡をとって、いろいろアドバイスしていただいたりしていました。 谷川さんがいたので、漫画家になるという夢を捨てないでいられたというか、谷川さんのそばにいれば、「何とかなるんじゃないかな」みたいな気持ちがありました。

    手塚:唯一の救いみたいなものですね。松田先生はその後、一度OLになられてるんですよね。

    松田:東京に出たくて、寮がある会社を選んだんです。寮があれば親にお金のことで迷惑をかけないし、そこで一年八か月働いて、ひとり暮らしできるくらいお金を貯めまして、その時ちょうど木原敏江先生がアシスタントを探してらして、運良く拾っていただいて、そこから漫画の生活がスタートしました。 二十七歳のときに、デビューできて、自分の描きたいようにやっていたんですけれど、当時は周囲に対して「何で私の良さがわからないの?」 という風に、自分で努力を一切しないのに思っていました(笑)

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    月刊コミックゼノンにて絶賛連載中の『ハナカク』(著/松井勝法)の最新刊が2月20日(金)に発売。

    『ハナカク』は女子高校生格闘家のタマゴ、安藤花夏(あんどう・はなか)を主人公とした作品。待望の最新刊の帯には『ワンピース』の尾田栄一郎さんが応援イラストとコメントを寄稿。

    注目の“女子格“漫画新刊の発売にあたり、現在活躍中の女子格闘家の選手に『ハナカク』の魅力、”女子格”について聞くインタビューシリーズを慣行。インタビュアーは「赤鮫が行く!」でお馴染み、格闘家でもある近藤哲也が務めます。

    3人目はV.V Mei選手(RIKIGYM/和術慧舟會GODS)

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    近藤:格闘技を始めたきっかけを教えてください。

    V.V Mei選手(以下、V.V):私はアメリカ生まれで、小学4年生までアメリカにいたんですけど、もう少し小さいときからジャッキーチェンが大好きで、その影響で格闘技(空手)をはじめました。

    近藤:好きな練習はなんですか?

    V.V:寝技ですかね。寝技が一番リラックスして練習できると思います。

    近藤:空手の打撃系から寝技をはじめたきっかけは?

    V.V:アメリカの空手道場で出稽古に行った先の先生が柔術もやってて、ちょっと教えてもらったんですよね、そしたらハマっちゃって。しかも、その先生が格好良かったんですよ(笑)こういう人と練習するならいいかな~って、しかも爽やかな香りがしたんですよ。寝技って臭そうなイメージなのに良い香りするんだって。

    近藤:日本にはそんな人はあんまりいないですよね(笑)

    V.V:アメリカだからなんですかね、みんな体臭も口臭も気を使うんですよ、練習中ガム噛んでたりして。

    近藤:良いイメージで出会えたんですね。それが悪い方に出会ってたら(笑)

    V.V:たぶんやってなかったです(笑)

    近藤:総合もその頃からですか?

    V.V:寝技をしてかなり経ってからですね。寝技も立ち技も両方してるから総合やりたいんでしょ?って周りの人に聞かれるようになりだしたんです。

    近藤:やるつもりはなかったということですか?

    V.V:そうなんですよ。全然そんなつもりはなかったんですけど。

    近藤:でも、時代がちょうど総合格闘技ブームになってましたもんね。

    V.V:そういうもんなのかなと思って。流されちゃた感じですかね。簡単な気持ちではじめちゃったんですけど、試合してから総合って難しいんだなって思いましたね。見てるぶんには簡単そうに見えたんですけど、やってみたらすごく奥深くて。

    近藤:Mei選手の試合は派手な印象があるんですけど、意識してることとかあるんですか?

    V.V:ありがとうございます。ジャッキーチェンが好きだったからか、観てて面白いエンターテイメント的に観客を楽しませるような、そういうのをプロとして試合で出せて、真っ向勝負でいっても楽しんでもらえると思うので。

    近藤:コスチュームも凝ってますよね!映画をモチーフにしてたり。

    V.V:トレーナーさんもアメコミ好きだったので、アイアンマンやキックアスのバッドガールとかをモチーフに版権で引っかからないように作ってもらってます。

    近藤:嫌いな練習はなんですか?

    V.V:う~ん、坂道ダッシュですかね。めっちゃ辛いし、たまに人もくるし(笑)たぶん凄い顔して坂道を「うぉぉぉぉぉぉ」って登ってるので。でも、辛いのを考えちゃうと辛いので、「無」、「無」です。行くぞじゃなくて、そんなのも考えずに淡々と何も考えずにやってます。

    近藤:坂道ダッシュはいくらやっても楽になんないですからね、負荷もいくらでも上げれるから(苦笑)

    V.V:どれだけ心拍数をあげられるかみたいなものじゃないですか、1人で淡々と心拍数と向き合ってます(笑)
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    近藤:ハナカクの感想をお願いします。

    V.V:純粋に面白いと思いました。変に飾ってないところがいいですよね。良いところも悪いところもリアルに描かれてますよね。そういうのも読んだ上で格闘技をやりたいと思ってくれたら嬉しいですね。

    近藤:好きなキャラは誰ですか?

    V.V:主人公の花夏ちゃんは体格が小さくて私と近いものがあるので応援したいですね。シュートボクシングのガールズS-cupの大会とか私が一番背が小さかったりするんで。

    近藤:あの大会は本当にキツそうですよね。

    V.V:はい、1日に3試合したりしますので命を削ってると思います(笑)そういえばキャラを見ながら誰がモデルになってるのかなって思って読んでたんですけど、これって藤野さんじゃないですか?この背中は完全に藤野さんだって思ってました。みんな言ってますよ。(順番が前後しますが、この様子は2回目の藤野恵実選手のインタビューをご覧ください。)

    近藤: Mei選手にとって強さって何ですか?

    V.V:「強さ=優しさ」みたいな感じでしょうか。私の周りにいる格闘技や武道をやっている方々は強い人ほど優しいです。子供の頃からそういった空手の先輩方の背中を見て育ったので、自分もそうなりたいですね。

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    そんなV.V Mei選手に会える道場はこちらです。

    ・RIKIGYM/和術慧舟會GODS http://www.wkgods.com/index.html

    ・Mei Yamaguchi Twitter @v_vmei

    漫画配信サービス『まんが王国』(http://k-manga.jp)にて「ハナカク」電子版も近日配信予定。

    [執筆・撮影 近藤哲也]

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    世界初のアニメちっくアイドル・桃知みなみが、クラウドファンディングサービスで、ライトノベルの出版チャレンジに成功。最終的には1,852,300 円を集めた。タイトルは「阿佐ヶ谷通りでつかまえて」。桃知が住んでいる阿佐ヶ谷アニメストリートが舞台になっている。

     桃知みなみは日本のオタク文化の象徴であり、2次元と3次元を行き来できるアニメチックアイドルという2.5次元の存在。原作者の春日康徳さんへは「桃知みなみが主人公の攻殻機動隊のような忍者物」というテーマでストーリーが依頼された。

     桃知の目標は自身がアニメ化されること。アニメ化するために、まずは原作が必要ということで、桃知が拠点とする『あにめ座バロックカフェ』の店長・春日さんが執筆しますと手を挙げた。ライトノベルは無事に完成され、支援者への発送が進んでいる。発送が済み次第、自身のホームページでも予約販売される。

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     ライトノベルはできた。次なる目標は1万部の販売。売れれば2巻目の制作が現実味を帯びてくる。すでに3巻までのストーリー構想があり、次の展開として、ドラマCD化、コミック化などを考えているという。

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    春日康徳さんが店長を務める「あにめ座バロックカフェ」

    春日康徳さんが店長を務める「あにめ座バロックカフェ」

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    ファンの方制作のももちフィギュア

    ファン制作のオリジナル桃知フィギュア

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    阿佐ヶ谷アニメストリート「あげ焼きパン 象の耳 」ではももちコラボパンも発売中

    阿佐ヶ谷アニメストリート「あげ焼きパン 象の耳 」では桃知コラボパンも発売中

    ◆プロフィール

    桃知みなみ
    普通のアイドルと違い、色恋の対象にならないアニメチックアイドル。いつ会っても変わらない、ゆるキャラのような癒しを持ち合わせている。番組「アニソンプラス」のアシスタントとしてデビュー。デビュー当初は恥ずかして喋れずに筆談をしていた。年齢は200歳、6回目の18歳を迎えているという、ややこしい設定。 http://momochi373.com

    春日康徳
    プロダクションIGにて神山健治監督に師事。押井守・神山健治監督の制作スタジオで文芸スタッフとしてノベライズ作品を手がけ、現在はフリー。主な作品に 『東のエデン』『009 RE:CYBORG』『タチコマな日々(特別版)』(以上、脚本参加)、『ブラックジャックによろしく DYSTOPIA311』『タワー・オブ・アイオン』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX SECTION-9』(以上、小説)『あにめ座バロックカフェ』の店長。

    [執筆・眞形 隆之/撮影・木瀬谷カチエ]

  • 妖怪少女

    週刊ヤングジャンプ大人気連載中の『妖怪少女~モンスガ~』。第3巻は2015年1月19日に発売。

    現在、週刊ヤングジャンプで『妖怪少女~モンスガ~』を大人気連載中のふなつかずき先生。赤鮫が行く!!第16回はふなつ先生に赤鮫・近藤哲也が噛みついてきました。前作の『華麗なる食卓』を約12年間49巻の連載を終え、新連載『妖怪少女~モンスガ~』を2014年より開始、最新刊の3巻も1月19日に発売されたばかり。そんな、ふなつ先生のさまざまな秘密に迫ってみたいと思います。

    (※ふなつ先生は大阪出身。関東での生活も長く普段は標準語なのですが、同じく関西出身の赤鮫・近藤との会話で言葉も自然と関西弁に。読みづらい部分があるかと思いますが御了承お願いいたします。)

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    ふなつかずき先生と言えば可愛い女の子をエロく描くと有名ですが、今回は先生とエロについて語ろうと思ってきました。よろしくお願いします。

    ふなつかずき先生(以下、ふなつ)――おおっ、きましたね!!よろしくお願いします。

    先生の作品に出てくる女の子は凄く柔らかいというか抱き心地が良さそうなんですけど、女の子を描くのになにか意識してことはあるんですか?

    ふなつ――僕はもともとぽっちゃりしてる子を描くのが苦手だったんですよ、どちらかというと細い子ばっかりで。『華麗なる食卓』で七瀬眞尋っていうFカップのおっぱい大きい子をはじめて描いたんですけど、その子を描いてるうちに「おっぱい大きい子って描きやすい」って気付いて、男も筋肉ムキムキの方が描きやすくて、ツルッとした細い人の方が特徴が無くて描きづらいんです。それと同じでおっぱい大きいってそれだけでバランスが取れるんですよ。僕は貧乳派だったんで巨乳にはそんなにこだわってなかったんですけど、そのキャラがあまりにも評判が良くて、「う〜ん、世の中はおっぱいが大きい方がいいんだ、でも僕は貧乳派なのでちっちゃいのも出していこう」とか思ったり(笑)

    柔らかそうな質感はどうやって表現してるんですか?

    ふなつ――昔は質感がなかなか出せなくて、自分で描いててマネキン見たいやなって思っちゃうぐらいやったんです。もっとこう柔らかい感じで描けないものかと試行錯誤してた時に気付いたんでけど、若干重力に負けてる感、たとえばボーンと張ってるよりも、頑張ってるんだけど垂れ下がってる感じの方が柔らかそうに見えてエロいということに。最近はそのせめぎ合いです。これちょっと垂れすぎやな、もうちょっと張らせようか、いや張らせすぎたかなみたいな(笑)あとはリアリティーと漫画的な表現の境目をどう使うか。例えばパンツ1枚描いてもリアルなパンツってあんなにシワよらないじゃないですか。

    だいたい張ってますよね。

    ふなつ――パンツの素材にもよると思うんですけど、そんなにシワって出ないじゃないですか、そこをあえてシワを描くとか(笑)

    う〜ん、めちゃくちゃ奥が深いですね…。漫画の中でのエロの割合はどんな感じで入れてるんですか?

    ふなつ――エロは入れすぎるとバランス崩れるので、『華麗なる食卓』より今の方がエロに対しては細心の注意を払ってますね。『華麗なる食卓』はどんだけエロに脱線してもカレーでまとめないと話としても破綻してしまうので、どこまで行っても戻れるというのがあったんですけど、今はエロの方に行ってしまうと、そっちばっかりになってもおかしくない作品なので行きすぎないようにセーブしていますね。まあ、いつまで加減できるかはわかりませんけどね(笑)

    先生は女の子の乳首にはトーンは何番を使ってるんでしょうか?

    ふなつ――僕がいま使ってるのは円グラデですね。外に向けて抜けていくやつ。『華麗なる食卓』のときは61を2枚貼りしてましたね。1回貼って削って影を作ってもう一枚貼る。

    手間かけてたんですね!でも『妖怪少女~モンスガ~』はあまり乳首は出てないですよね?

    ふなつ――まともに乳首出てきたんは糸重 姫瑠依(いとしげ きるえ)とニアぐらいですね。あっ、あと河童憑きか。

    平松伸二先生は遊んでるやつはベタだなって言ってたんですよ(笑)

    ふなつ――ベタって!黒過ぎるでしょ(笑)

    ベタは冗談だとおもいますけど(笑)河童憑きは黄桜の河童以上のセクシーさで最高でした。ところで先生は何フェチなんですか?

    ふなつ――ふふふっ、河童憑き良いでしょう?(笑)フェチな部分はいっぱいありますね。ろっ骨とか鎖骨、肩のライン、わき、わき乳とか。

    僕と似てますね(笑)

    ふなつ――あとは下腹がちょっとぷっくりしてるとか。最近のマイブームは肉付きある方がええかなって。ずーっと貧乳派やったんですけど、大っきいほうもええなと。まあ、おっぱい自体が素晴らしいんやけど。

    ちっちゃくても大きくてもですよね。

    ふなつ――はい、考えを改めました(笑)でも、一番好きなのはお尻なんですよ。

    ええっ、そうなんですか!? お尻なんですか〜。そういった部分は作画にはあらわれます?

    ふなつ――あらわれるとおもいますね。

    でも、漫画って顔が見えるように描くからお尻を描くことって少ないんじゃないですか?

    ふなつ――そうなんですよ。このあいだもカラーでお尻塗ってて、「あれっ難しいな、なんでや?」って思ったら、実際カラーでお尻ってあんまり塗ったことないことに気が付いて。

    カラーだからこそ顔が中心になるんですね。

    ふなつ――そうなんですよ。バストアップだけだったり、全身でも正面だったりで、あんまり後ろから描くことはないですから。

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    ふなつさんの仕事場。壁には沢山の漫画家のサインが。

    ふなつさんの仕事場。壁には沢山の漫画家のサインが。

    今回の『モンスガ妖怪少女』はなぜ題材が妖怪だったんですか?

    ふなつ――もともと妖怪が好きだったんですよ。読みきりでもそれっぽいのを描いたりしてたんですけど、やっぱり僕ら世代ってジャンプっ子じゃないですか、特殊能力や化け物的なものが出てくるバトル漫画をいつか描きたくて・・。『華麗なる食卓』をやってて辛かったのが、全身描写があまり描けなくて、料理漫画なんで手元を見せようとすると、まな板越しのバストアップがどうしても多くなったりするんで、次は絶対全身描写が描けるようなバトル漫画が描きたいという思いがあったんです。

    『モンスガ妖怪少女』は全身描写だけでなく、下からの見上げるような描写や、さっきも言ってたお尻の描写とかありますよね。

    ふなつ――いままで描きたかったのをぜんぶ描いていってます(笑)でも、今の漫画って規制で若い女の子にエッチなことをしてはいけないって暗黙の了解があるんですよ。やっぱり女子高生ぐらいの年代の子を出したいじゃないですか。週刊ヤングジャンプってエロ描写に関しては悪ふざけみたいな言い訳でだいたい通るんですよ。僕が笑ったのは週刊ヤングジャンプってM字開脚ダメなんですよ

    あんなメジャーなポーズがダメなんですね(笑)

    ふなつ――知らずに1回描いたらダメって言われて、でも「ここの吹き出しをここに置いてくれたら絵的にMじゃなくなるからいいよ」って、「それでいいんですか!」とか。汁の表現はダメなんですよ、でも汗に見えるぎりぎりのラインなら「汗です」って言いはれるからいいんです、毛っぽい物を描いても「毛じゃないです、影ですよ」って言いはれたら大丈夫だったりするんですよ。まぁ毛に関してはボクは言い張れなくても描くんですけどね(笑)

    そんな理由があればいいんですね。

    ふなつ――そうそうそう、ほとんど悪ふざけじゃないですか、だからどうやったらできるかなって考えて、「見た目は女子高生だけど、じつは300歳で妖怪とかだったら言い訳たつんとちゃう」って、そういう感じで構想を練っていったんですよ。それから週刊ヤングジャンプ編集長に会ったときに「ヒロインにエッチなことしても300歳で妖怪だから言い訳立つじゃないですか」って言ったら「何を言っているんだ君は」って(笑)

    ふははは、聞く耳もってくれて無いじゃないですか(笑)

    ふなつ――「だめですか?」「考えればわかるよね」って。もう、意味がわからないですよ(笑)

    でも、今回は先生自身もすごく楽しそうに描いてるなってヒシヒシと伝わってくるんですけど。

    ふなつ――めっちゃ楽しいっすね!!!ホントしたいこと好き勝手やってるんで、まぁ〜楽しい!必ずしも読者の方が同じではないと思うので、中には『華麗なる食卓』の方が良かったと人もいると思いますけど、それがうまいことはまってくれたら嬉しいなと思ってやってる感じですかね。

    ところで、なぜ「ろくろ首」が主役なんですか?

    ふなつ――変わってるでしょ?普通は雪女とかネコ娘とかメジャーな妖怪を主役にと思うんですけど、それやったらベタですし、ろくろ首って有名なのに前にあんあまり出てこないじゃないですか。

    首が伸びるぐらいで特にって感じですね。

    ふなつ――そうですよね、なんとなくヒロイン誰にしようかなと思った時に、ろくろ首をヒロインってどうってアシスタントのみんなに聞いたら、「ええっ!ろくろ首はないでしょう」って。それで、僕がこんなイメージでってロッカの絵を描いたんですよね、そしたら「なんかありな気がしますね」って。それで次にヒロインが裸で自分の首に絡まって緊縛みたいになってるイラストを描いてそれを見せたら、「ありっすね、ありっすね」ってみんな言ってくれて。なので、なんでろくろ首を選んだかと言うと「セルフ緊縛ができる!」に尽きるんですよ。

    セルフ緊縛なってるの本編にもありましたね。

    ふなつ――そしてほどけなくなったりと、マヌケさと言うか、そんなカワイイところを描ければいいかなと。じっさいね首が伸びるってリアルに考えたらめちゃくちゃ気持ち悪いんで(笑)中身は普通の女の子にして、ただ首が伸びるだけっていう。

    先生の妖怪をチョイスする基準とかあるんですか?

    ふなつ――妖怪の特徴を読んだときに変態やなこいつって思ったら使いますね。柿男とかね。

    柿男は変態すぎますよね。

    ふなつ――あいつは変態として使うしかないでしょ(笑)

    妖怪のビジュアルを考えるのも大変なんですね。

    ふなつ――ところどころに今っぽさを入れたいのもあって、そのままだと昔ながらの妖怪漫画と変わらなくなってしまうので。

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    作業机の上には資料が積まれています。

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    趣味のサバゲーにも使用するというモデルガンがズラリ。

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    『モンスガ妖怪少女』の作中で実際にあるお店や建物は名前を変えたりせずにそのままの名前で使出てくるんですが、それはあえてそうしてるんですか?

    ふなつ――僕が作品を描く上で《嘘は一つだけ》というルールがあって、世界観が非現実の世界であったら嘘はそれだけで、『妖怪少女~モンスガ~』は妖怪が出るという嘘を1つついてあとはできるだけリアルなものにしたかったんです。

    だから建物や店名が実名なんですね。それでなぜ秋葉原が舞台になってるんですか?

    ふなつ――いろいろ妖怪について調べてたんですけど、新しい妖怪は人の集まる所に生まれ、電波や電磁波があるところに霊が集まるとかあったんですけど、これって秋葉原なんかバッチリじゃないですか。なので秋葉原を舞台にできないかなと思いながらお店も実在するものを使いたかったので、作中にメイドカフェが出てくるんですけど、そのお店のオーナーさんに「店の名前や制服などは変えるんで、こちらのお店を漫画のモデルとして使わせてくれませんか?」って聞いたら、「いやいやいや名前はそのまま使って下さいよ」「えっ、いいんですか?妖怪漫画なんでもしかしたらメイドが人を殺すかもしれないし、店のなかで戦闘になってぐちゃぐちゃになって客が死んだりするかもしれませんよ?」「全然問題ないです、好きにして下さい、なんでしたら漫画の中でガラスが割れたらそのガラスに割れたステッカー貼りますんで」って(笑

    お店側が漫画に合わしてくれるって言うんですね(笑)

    ふなつ――そんなことしていいんだとビックリしたんですよ。じゃあ別の店も聞いてみようということで主人公が働いてるレアモノショップという、これも実在するお店があって、そこの社長さんにお願いしたら、「断る意味がわからないです」って言われて(笑)前作の『華麗なる食卓』のときなんですけど全国展開してるようなカフェに同じように使わせてもらえませんかというお願いしたら結構手続きが大変だったんですよ、そういうノリでいたんですけど、秋葉原は「ちょっと待って下さい」すら言われたことなくて。

    即答ですか?

    ふなつ――ほぼ即答でどんどん使ってくださいって。なんだろこの街はって(笑)

    大阪みたいですね。

    ふなつ――そうそうそう、みんな出たがりでね。

    大阪のおばちゃんみたいですね。

    ふなつ――「にいちゃん、店だけちごぉて(違って)、うちも漫画に出してよ。そのかわり」

    「綺麗に描いてや」と?

    ふなつ――わはははっは(笑)

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    最後に先生にとって漫画とはなんですか?

    ふなつ――『華麗なる食卓』の中のキャラにも言わせたことがあるんですけど、「僕自身を表現できる唯一の手段」ですね。

    先生ご自身ですね

    ふなつ――漫画家って漫画以外で自分を表現するのは苦手じゃないですか、ある意味漫画って自分の頭の中さらけ出してる、ある意味一番こっぱずかしい行為だとおもうんですよ。

    エロに関しても性癖を出してしまいますもんね。

    ふなつ――そうそうそうそう、僕こんな性癖あるんですよってさらけ出してますからね。あっ、全部じゃないですよ、柿男とか僕の性癖の範疇じゃないですから思わんといてくださいね(笑)まあ、それらで人を喜ばせれることができるということが喜ばしいんですけど。

    今日はふなつ先生の性癖から作品までいろいろお話聞かせていただきましてありがとうございました。

    ふなつ――今日はこちらこそありがとうございました、楽しかったです。

    これからも『妖怪少女〜モンスガ〜』共々よろしくお願いします。

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    『妖怪少女~モンスガ~』3巻は1月19日に発売したばかりで、今回の帯のコラボ企画第3弾は、秋葉原のメイドカフェ『ぴなふぉあ』で「もる」が働くメイドカフェでモンスガ特製ドリンク&おまじないが頼める半券付きです!

    2月1日〜2月28日までですので是非是非ご賞味下さい!!

    そして、おまじないしてもらいましょう!!

    ・ふなつかずき Twitter @funatsukazuki
    ・メイドカフェぴなふぉあ http://r-now.net

     [執筆・近藤哲也/撮影・木瀬谷カチエ]


    [赤鮫が行く‼︎]近藤哲也の新刊本『和歌山あるある』TOブックスより発売中!

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    image001[3]月刊コミックゼノンにて絶賛連載中の『ハナカク』(松井勝法)の最新刊が2月20日(金)に発売。

    『ハナカク』は女子高校生格闘家のタマゴ、安藤花夏(あんどう・はなか)を主人公とした作品。待望の最新刊の帯には『ワンピース』の尾田栄一郎さんが応援イラストとコメントを寄稿。

    注目の“女子格“漫画新刊の発売にあたり、現在活躍中の女子格闘家の選手に『ハナカク』の魅力、”女子格”について聞くインタビューシリーズを慣行。インタビュアーは「赤鮫が行く!」でお馴染み、格闘家でもある近藤哲也が務めます。

    今回は『特攻天女』の異名を持つ藤野恵実選手(和術慧舟會GODS)
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    近藤:格闘技を始めたきっかけを教えてください。

    藤野恵実選手(以下、藤野):ダイエットでスポーツジムに通ってたんですけどK-1や総合格闘技が流行り始めたころで、格闘技もおもしろそうだなと思って、宇野薫選手が所属してる和術慧舟會に入門しました。女子の会費が3000円と安かったのでそれが決め手になりましました(笑)

    近藤:格闘技経験はあったんですか?

    藤野:まったく無かったです。前からやってみたかったんですけど、親がやらしてくれなかったのと、女子高だったのでそういうのとは縁がなかったので、そこからがスタートですね。

    近藤:好きな練習はなんですか?

    藤野:試合前じゃない普通の練習です。格闘技が好きなのでどんな練習も楽しいです(笑)

    近藤:嫌いな練習はなんですか?

    藤野:試合前の追い込みとか試合のために特別する練習は嫌ですね。プロとして試合するわけなのでその練習は当たり前なんですけど、やっぱりキツイですね。できないこととか怒られたり、強制的になってくるとだんだん嫌になってきます(笑)

    近藤:やっぱり試合前は特別な練習しますもんね。

    藤野:一番キツかったのは、タイトルマッチの前のスパーリングで5分10ラウンドで相手が1,2分で変わって組技ばっかりとか、本当にキツかったですね。

    近藤:うわ、それはキツイ・・・。

    藤野:相手も元気な人が来ますから、試合の方が楽でした。

    近藤:藤野選手にとって強さとはなんでしょうか?

    藤野:継続する強さですかね。最初の運動神経や性質もあるとは思うんですけど、今の格闘界を見渡すと残ってる人ってちゃんと続けてる人達なんですよね。格闘技だけじゃなく最後まで残ったり、継続することが大事かなと、そういうのが強さにつながるのかなと思います。

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    近藤:『ハナカク』の感想をお願いします。

    藤野:絵が凄く見やすくて読みやすいです。私自身も漫画が大好きなんですけど読みにくい絵とかもあるんですけど、『ハナカク』は可愛くて見やすいです。題材はマニアックなんですけど描いてることとかが分かりやすいし、感情移入もしやすいと思うので面白いです!

    近藤:好きなキャラは誰ですか?

    藤野:亜季ちゃんですね。表には出さないけど、かたくなに強さを求める感じが。チャラチャラしてるのに腹立ったりする気持もわかるし、間口は広げたいけどあんまり軽く考えられて試合とか出られるのは嫌だから凄く気持ちがわかるんです!

    近藤:そう言えば、森色虹亜ってキャラがいるじゃないですか?VV Mei選手がこの背中を見て「これ藤野選手」だって。

    藤野:ちょっとまってよ!!Mei~!!(たまたま道場にいたMei選手を呼んで)似てないよ!

    VV Mei:最初見たとき本当に藤野さんかと思ったんですよね(笑)

    藤野:いやだ、そんなゴツくないよ!

    近藤:松井先生に「このキャラの背中が藤野選手に似てますよね」って聞いたらたら「たしかに」って(笑)

    藤野:そんな・・・。もっと女性らしいラインをキープしてるはずです。

    VV Mei:そんなもんだって(笑)

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    藤野
    :漫画に出てくる選手のモデルっているんですか?

    近藤:先生は、いろんな選手から特徴なりを取ってキャラクターを作ったと言ってました。

    藤野:私をモデルにするときは特に女性らしくお願いしますと言っておいてください(笑)

    近藤:はい、わかりました。伝えておきます(笑)

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    藤野恵実選手が所属している道場

    藤野選手が直接指導している時間もありますので、優しく指導していたいただけます!

    [和術慧舟會 GODS]
    http://www.wkgods.com/index.html

    [スポーツジム マーシャルアーツ]
    http://www.martialarts-gym.jp/

    [月刊コミックゼノン] 
    http://www.comic-zenon.jp

    漫画配信サービス『まんが王国』(http://k-manga.jp)にて「ハナカク」電子版も近日配信予定。

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    月刊コミックゼノンにて絶賛連載中の『ハナカク』(松井勝法)の最新刊が2月20日(金)に発売。

    『ハナカク』は女子高校生格闘家のタマゴ、安藤花夏(あんどう・はなか)を主人公とした作品。待望の最新刊の帯には『ワンピース』の尾田栄一郎さんが応援イラストとコメントを寄稿。

    注目の“女子格“漫画新刊の発売にあたり、現在活躍中の女子格闘家の選手に『ハナカク』の魅力、”女子格”について聞くインタビューシリーズを慣行。インタビュアーは「赤鮫が行く!」でお馴染み、格闘家でもある近藤哲也が務めます。

    1人目の選手はDEEP JEWELSで活躍中の杉山しずか選手(禅道会/Me,We)です。

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    近藤:格闘技を始めたきっかけを教えてください。

    杉山しずか(以下、杉山):体育教師になりたかったんですけど、現在の中学校の必須科目に柔道や剣道などがなってるじゃないですか。それでコンタクトスポーツやったことがなかったので、やらないとと必要を感じたので大学1年のときに近くにあった禅道会に入ったんですけど、それがだんだん本格的になってしまった感じです。

    近藤:格闘技にドップリと浸かってしまったんですね。好きな練習はなんですか?

    杉山:レスリングとか柔道の『ヒュッ』って投げたり投げられたりする「凄い!」って感じられる練習が好きです。そういう「凄い!」って感じれる練習が好きです!

    近藤:嫌いな練習はありますか?

    杉山:特に無いんですけど、寝技が苦手なんで、ポジションスパーとかが苦手ですね。嫌いな練習ってみんなどんなだろう??

    近藤:サーキットトレーニングとかかな?

    杉山:サーキットは辛くて早く終われ!って思うんですけど、みんなでやることが多いじゃないですか、だから辛いけど達成感の方が大きいんでどっちかというと好きです!

    近藤:『ハナカク』の感想をお願いします。

    杉山:早く続きが読みたいです(笑)絵もはっきりしてて、わかりやすくて可愛くて。本を読んでて「そうそうそう、あるある」ってたくさんありました。

    近藤:好きなキャラは誰でしょうか?

    杉山:眼鏡の子、ふーちゃん。

    近藤:あっ、格闘家じゃないんですね。

    杉山:メインキャラクター達も良いんですけど、でも自分の中でドッカーンと来たのはニナかな。こういう子いますよ(笑)ちょっとオープンなだけで。柔道とかでもいるじゃないですか、頭から落としちゃたりする人。

    近藤:うーん、いますね。

    杉山:格闘技にはそういう非情なことができる強さも必要だと思うんですよ。だからちょっと見習わなきゃって思うところもあるんですよ。

    近藤:確かに強さだけを追い求めるにはいたわりって要らないんじゃないと思うんだよね。練習してても受けてあげなかったり、自分の練習だけをひたすらやるみたいな。選手でいるうちはニナみたいにわがままでもいいと思うんですよね。

    杉山:ニナは慈悲がないですもんね。

    近藤:でも、実際には難しいですよね。

    杉山:はい、みんな仲間なんで酷いことはできないです(笑)

    近藤:杉山しずか選手にとって強さってなんですか?

    杉山:『ハナカク』2巻の中盤で花夏ちゃんとふーちゃんが河原でイジメられたことについて話してるじゃないですか、ふーちゃんの精神的な強さを見習いたいなと。格闘技的な強さって勝つことだと思うんですけど、長い人生で考えるとふーちゃんみたいな強さがいいかなと。学校で教えていると態度の悪い生徒だったりがいるんですけど、そういう子にそういうのをわかってもらいたいなと思って言うんですけど、難しいですね。

    近藤:今はわからなくても、いつかは理解できる時が来ると思うんだけどね。

    杉山:そうですよね!私もそうだったんですけど、いつかわかってくれると思って、言い続けるしかないかなと。

    近藤:最後にファンの皆さんに一言

    杉山:まだ次の試合は決まってないんですけど、一生懸命練習して試合に出ますのでお応援よろしくお願いしいます。『ハナカク』面白いので是非是非!!

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    杉山しずか選手の所属道場

    運動不足解消からプロ志願まで笑顔あふれるジムでゴールを目指そう。

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    ブラジリアン柔術で日本一を決める『全日本選手権』で、2度の団体優勝に導いた山崎剛が、基本から丁寧に指導します。総合格闘技でも『PANCRASE』『DEEP』等に多数のプロ選手を輩出中です。

    [Me,We] http://mewegym.com/

    [月刊コミックゼノン] http://www.comic-zenon.jp

    漫画配信サービス『まんが王国』(http://k-manga.jp)にて「ハナカク」電子版も近日配信予定。

  • 児童福祉司 一貫田逸子

    児童福祉司 一貫田逸子

    社会現象となっている感もある「児童福祉司 一貫田逸子」。

    児童虐待を扱う同タイトルは、原作:穂実(おみ)あゆこ、作画:さかたのり子で、あおば出版より2006年に刊行されたが、同社の倒産により絶版。その後電子コミック配信サイト大手の『まんが王国』で電子コミックとして配信再開、2014年11月からの約3か月で単行本にして約15万冊相当も販売され、子供を持つ主婦を中心に大きな反響を呼んでいる。

    まんが王国のレビュー欄「みんなのまんがレポ」には、主婦を中心にしたユーザーから「虐待の実態が分かった」「たくさんの方々の目に触れてほしい」「虐待家族が孤立しないような環境を」等切実なコメントが寄せられる。

    なぜ今電子コミックとして配信されブームとなっているのか、原作の穂実あゆこ先生、作画のさかたのり子先生に話をうかがった。(M:Manga Style、お:穂実あゆこ先生、さ:さかたのり子先生)

    M:一貫田逸子制作のきっかけを教えてください。

    さ:私がアシスタントをしていた森園みるく先生と穂実先生が同級生で、私も穂実先生とは仲良くさせていただいていました。ちょうど2006年ころ紙媒体が衰退して中々新規の連載を始めるのも難しくなっていくところで、そんな状況だからこそ何か2人で新しいものを発表したいねと話す中で出て来ました。ふたりでやれば何とかなると思っていましたね。

    お:私としては、ちょっと社会派みたいなものをやりたいと考えていて、色々興味のあるものを見渡したときに、以前から児童虐待が気になっていたので取り上げました。あまり虐待自体を扱う作品というのは多くなかったので、虐待を扱いつつ、それでいて単なる取材報告ではない物語を作りたいと考えました。

    M:原作・作画とありますが、それぞれの役割分担は?

    お:まんが家2人なので普通の原作・作画とは違いますね。普通だと原作の人が話の流れを書いて、それを渡すだけで、絵を描く方がそれを画面にしていくみたいなことをやっていきます。けれども、私とさかたさんの場合は、打ち合わせから一緒にやっていました。ですからラフを描く前に、だいたいこういうものを描きたいんだけどというのをさかたさんと相談して、そのためにどうすればいいか、この虐待に対してはどう考えればいいかなどを二人でやっていって、話の枠組みを私が考えて、横に必ずさかたさんにいてもらって、その場で場面場面の絵を入れていってもらうということをやっていました。

    さ:作曲家と作詞家が同時並行で曲を作っているようなイメージだと思います。セリフや人の配置とかもその場で話しあいながらやりました。穂実先生も漫画家ですので文章だけで脚本を作れというのも酷な話なので、一応これこれこんな感じと言われたことを私が絵にしている間に、次の展開を穂実先生が一生けん命考えるっていうことを(笑)やっていました。まんが家二人ならではのライブな(笑)作り方でしたね。

    M:すごいですね。

    お:さかたさんには一番大変なところを任せてしまっていました…。

    さ:私は体力面担当でした(笑)。

    M:一貫田逸子というキャラはいつどのように生まれたのでしょうか。

    お:主人公には、ちゃんと客観的に見る視線も持たせたいと思っていました。完全にどっぷり入りすぎてもいけないし、本人が虐待されていたとなると重すぎるので、もっと仕事として見られる人、友達のことで傷を負っているくらいのそういう立ち位置の人が必要でした。そうして「小夜ちゃんのパン」という最初の話ができました。

    さ:穂実先生が最初に「小夜ちゃんのパン」ってタイトルを言ったんですよ。私はその段階で、「あ、できる」って思ったんですよ。小夜ちゃんのパンというだけで、パンを持って必死に走っている女の子が目に浮かんで、「あ、いけるな」と思っちゃいました。

    お:話全体が重いので、本人自体は少女性のある明るいキャラにしたかったです。さかたさんに描いてもらうことでさらにキャラが明るくなると思っていました。

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    M:具体的なテーマ設定はどのように決められていたのでしょうか。

    さ:虐待というテーマは決まったのですが、その虐待のテーマの中にある両親とか子供のテーマを見つけることが結構大変でしたね。

    お:児童相談所に取材に行ったり、学術書を読みあさったりしていました。

    M:まんが王国の「みんなのまんがレポ」何百個ものレポが寄せられています。電子で再度読まれている点については如何ですか。

    さ:中には実際に体験された人のコメントがあって、そういうのを見ると少し申し訳なくなりますね。どうしても避けたいという方がおられるのも分かりますし、すまない気持ちもあります。ただ、連載開始の頃も、読者の方の反応がよかったことに驚きました。読み手の方がすごかった話なんだと思います。「こんなもの載せて」というクレームはいくらでも言えたはずなんですよ。でも、こういう問題になると、すくなくとも日本の女性はこれだけ真面目に考えてくれているんだなっていうことがすごくよく分かったっていうこともあって、じゃあ、続けてもいいのかなとなりました。多少インパクトがある絵でも、一貫田が何と戦っているのかが目に見えないと、話にならないと思っていましたので、絵はギリギリのラインで描くという方針を変えるつもりはありませんでした。

    お:当時は本当に必死になって描きました。読者からの反応・反響を色々聞いて答えを見つけたいなと思っていました。それなのに出版社があんなことになってしまい(編集部注:出版元のあおば出版は2007年に倒産。一貫田逸子の単行本も絶版)、一番聞きたかった結果が聞けていなかったので、最近また皆さんに見ていただけるのは本当にありがたいですね。タブレットで見やすくなってきたりして、子育て中の主婦の方なんかも読みやすくなったのではないかと思います。

    さ:一貫田を描いている時点でも、私と穂実先生は現実に負けていたんですよ。事件を聞くたびに、「そんな虐待の方法をよくも思いつくものだな」と改めて虐待の恐ろしさを感じていました。完全に後追いまんがになってしまっていて。読者のみなさんも、「ニュース聞くたびに虐待っていつかはなくなるのかなと思っていたけどどうやらそうでもないぞ」と思っていたんじゃないでしょうか。それでネットのほうで見つけて、(一貫田を)読んでくださったのかなと思っています。だから、問題意識が受け手側にあったと思います。

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    M:読者の方に一言お願いします。

    お:一生懸命読んでくださっているなと思います。本当にこんな多くの方に読んでいただき、熱いメッセージをいただけるとは思わずびっくりしています。ただただありがたいです。

    さ:本当にありがとうございます。受け取ってくださる皆様がいてこその作品です。まだ日本で真剣に受け取ってくださる方がいるということで、安心できる部分なのだと思います。これで何か運動を起こそうとかそういうのではないですが、受け取ってくださる人がこれだけいるだけで、救われている人がいるのではないかなと思っています。本当に読者の方にはありがとうございますという言葉しかありません。

    --ありがとうございました。

    まんが王国担当者玉置氏は、電子での売れ行きに関して次のように述べる。

    出版社が倒産し絶版となっていた作品が3カ月15万部売れるのは異例中の異例です。虐待という社会問題が注目されているなか、それを分かりやすく伝えるものとしてひろく読まれたのではないでしょうか。是非多くの方に読んで頂きたいです。

    現在イラストキュレーションサイト「ETOPICA(エトピカ)」にて「児童福祉司 一貫田逸子」の応援イラスト募集中!詳しくはこちらから。

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    児童福祉司一貫田逸子はまんが王国にて配信中(無料試し読みあり)。

    http://sps.k-manga.jp/top.php?d=dl&m=dl000&book_id=6191&b=fv

    まんが王国で配信中!

    まんが王国で配信中!

    (取材・記事:hirota)

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    今回のゲストは「8bit年代記」の作者・ゾルゲ市蔵先生と「そして船が行く」の作者・雑君保プ先生です。

    お2人はコミックを始めとするアートクラウドファンディングサイトFUNDIYにて、それぞれ続編を執筆するプロジェクトを立ち上げ、ゾルゲ先生は開始1日で30万円の目標達成、結果的に目標額の400%(!)超えの128万円の支援が集まり、雑君先生は4日で100万円の目標達成、なんと250万円の高額支援を集めました。そこでMangaStyle編集部はお2人にファンディング開始に至る経緯やその秘訣などを訊いてみました。

    ゾルゲ市蔵-プロフィール画像

    「ゾルゲ市蔵」プロフィール

    謎のゲーム冒険家。
    代表作:「超ゲーム少女ユーゲ」「8bit年代記」など。


    Twitter:https://twitter.com/zolge1
    公式ブログ:若爾蓋記
    「8bit年代記」を読む:
    絶版漫画図書館

    雑君保プ-プロフィール画像

    「雑君保プ」プロフィール

    アーケードゲーム雑誌「ゲ―メスト」でデビュー。
    頭身の低さと高さが混在するキャラ描写とシュールなギャグによるパロディを多数発表する。長編作品においてはアクションやシリアス描写も加え、作風の幅を広げている。

    代表作:「カルトクイズ100人伝」「ワールドヒーローズ2」「そして船は行く」「BUPPAなビッチーズ」など


    Twitter:https://twitter.com/zkpp
    公式ブログ:情熱ブンチキBLOG
    「そして船は行く」を読むまんが王国
    「そして船は行く」 続編描き下ろしプロジェクト:FUNDIY

    クラウドファンディングしませんか?と提案された時に、「あ、コレはひょっとしたら」って

    ――この度はクラウドファンディングのプロジェクト達成おめでとうございます。

    ゾルゲ市蔵先生&雑君保プ先生:ありがとうございます。

    ――ゾルゲ先生の「8bit年代記」に雑君保プ先生が出演していますが、そもそもお2人はお知り合いだったのですか?

    ゾルゲ市蔵先生(以下、ゾルゲ):以前に僕が新宿でチンピラに絡まれてるときに雑君先生が現れて「俺はいいから早く逃げろって」(爆笑) …マジな話をすると、私よりずっと前から雑君先生はゲーメストっていう雑誌にゲーム漫画を連載されてましたので、ゲームについて漫画を描くってことになると僕より先輩なんです。私はどっちかというとゲーム好きな普通の兄ちゃんだったので。 その後、実際に雑君先生と付き合いができて下宿に行ってみると1000ページ描いた原稿の中から連載用の400ページを選んでて。

    雑君保プ先生(以下、雑君):なんでそんなにふざけるんですか(笑)。

    ゾルゲ:いや、場を和やかにしようかなと(笑)。

    ――本当か嘘かわからないんですが…(苦笑)。

    ゾルゲ:でもそんな感じで、どっちかというとゲームについて漫画を描くことは雑君先生のほうがよっぽど先駆者であり、より本格派であり、それがファンディングの実際のお金の集まり方からも如実に現れていますよね。

    ―――実際に知り合いになられたのはゲ―メストで連載されたときですか?

    雑君:ゾルゲさんがよく花見とか飲み会とかを主催される方だったので、そこで知り合った感じですね。

    ――ゲーム制作者や漫画家さんの集まりなんですね。

    雑君:その宴会で俺が線路に落ちて、ゾルゲさんが助けにきてくれてね(爆笑)。あの時は…(以下略)

    ――え~と、雑君先生は元々ゲーメストで編集を担当されていたんですか?

    雑君:そこはあやふやで、やりたいならココに描いてみれば?とかそういうノリですね。特に自分がいた頃はそういうのが割と顕著だったんで、漫画も描くけどそのゲーム好きだからちょっと書かせてよとか。あと、読み物記事とかもちょっと書きたいんだけどって頼んだらできたってだけで、別に編集から入った訳では無いです。

    ――それでは今回のテーマであるクラウドファンディングについてですが、以前からファンディングはご存知でしたか?

    ゾルゲ:もちろん。これは是非話せたらと思うんですけど、とても興味ありました 。「Kickstarter」とかを見て、海外でクラウドファンディングって来てるみたいねと。ただ日本でするとなると、クリエーターがどう(ユーザーに)アプローチするかっていうことが実は決まってなかったんです。正直焦点が合ってなかったんですよ。だから漫画描きたいとかゲーム作りたいとか、それが場として成立してなかった。 私は一番最初、「昔の漫画を載せませんか?」って話を戴いたんですが、それ自体にはあまり乗り気ではなかったんです。でも、クラウドファンディングでしませんか?と提案された時に、「あ、コレはひょっとしたら」って思って。そこから逆に私から食いついて、ひょっとしてこんなことができるかなっていう思いがあったのは事実ですね。 正直自分のクラウドファンディングがとぉーてっも成功すると思えなかったんだけど、ご協力戴いてキチンと上手くいって。今は雑君先生が4日で100万とか?凄いですよね。

    「そして船は行く」のクラウドファンディングページ。なんと4日で100万円の支援を集めた。

    「そして船は行く」のクラウドファンディングページ。なんと4日で100万円の支援を集め、現在は260万円近くの支援が。

    雑君:僕は漫画の続きをぼちぼち描きたいなってのがあって、その方法を探っているときにクラウドファンディングっていう形があるんじゃないか、というところで調べて辿りつきました。

    ――以前からご存じだったクラウドファンディングのプロジェクトってありましたか?

    ゾルゲ:ゲームプロジェクトですよ、あれがデカい。…実はですね、漫画もゲームも日本において相当に産業が空洞化してるんです。出資者や編集さんにこんな企画をしてお金を回しましょうって話をしても、漫画もゲームもまず採算が合わない。その中でクラウドファンディングが突破口に成り得たんですよ。欲しい人にだけ売るという形でなんとか成立させていく様子をゲームのファンディングでずっと見ていたので、私も正直最初は(漫画でなく)ゲームでやることをずっと考えていました。そこに漫画っていう良いカードをもらって、今回は話が噛み合った気がしますね。

    雑君:私は、赤松健先生がやってる絶版マンガ図書館っていう電子書籍サービスがありまして、そこで昔の作品を出してもらう形でお世話になったんですけど、そこで時々「Jコミファンディング」っていうファンディングをしてたんですよ。それが目に入ってて、こういう形あるのかと。 ただこちらは過去作を出すためのファンディングなんですね。なので新作や続きを描くのは難しいって話だったので、いろいろ探していたんですが「漫画 ファンディング」で調べても2つくらいしかなくて。その1つのFUNDIYを見てたら、あのゾルゲさんがやってて、しかも「8bit年代記」の続きを描くのか!って。これはユーザーとしても「よっしゃ乗った!」って思って即サポーター登録しましたよ、安いコースですけど(笑)。

    「8bit年代記」のクラウドファンディングページ。目標の30万円に対し130万円近くの支援が集まった。

    「8bit年代記」のクラウドファンディングページ。目標の30万円に対し130万円近くの支援が集まった。

    いけるなんて蓋開けるまで一欠片も思わなかったですね。

    ――なるほど(笑)。今回、「そして船は行く」の続編を執筆される訳ですが、以前から読者の要望も多かったのですか?

    雑君:要望っていうか、本当に連載がパツンと終わって、まあ事情が入り組んでいたのもあって、それに関しての説明をほとんどしてないんですよ。なので当然読者さんは、「どうなってんだ?」と思いますよね。その声が結構俺の目につく形で届いていたので、もうめんどくせえなって思って、こういう形にしちゃえばとりあえず成功しても失敗してももう言われなくて済むだろうっていう。

    ――ユーザーに対しての意思表示のような形ですね。

    雑君:そこが大きかったですね、結構。

    ――ゾルゲ先生の「8bit年代記」も読者からの続編要望が?

    ゾルゲ:ごくたまにですけどね。ただ、私も続きは描きたかったんですけど、どっちかというとアニメの2期3期をクラウドファンディングで制作するとかあったでしょ。ああいう制作資金の回収モデルがひょっとすると漫画でもできるかもっていうのが大きくて。普通に考えると「8bit年代記」ってのはそれほど作り手としても受け取った人もそんなに簡単なタイトルじゃないんだよね。あと一つ、赤松健さんの話が出ましたけど、私も絶版マンガ図書館で(8bit年代記を)出させていただいて、そこで多少の反響があったので、じゃあクラウドファンディングに持ってこうかっていう流れもありましたね。

    雑君: Jコミでの「8bit年代記」の閲覧数は凄いっすよね。

    ゾルゲ:何をおっしゃる!そんなこと全然…あれは単純に私がお騒がせな人間だからですよ(笑)。

    ――僭越ながら、今回初めて「8bit年代記」を拝見させていただいたんですが、もの凄く面白かったです!

    ゾルゲ:やっぱり普通に考えると、あれの続きを載っけてくれる雑誌社ってないんですよ。掲載が成立することはおそらくありえない、著作権の手続きもめんどうだし。でもクラウドファンディングって読者と描き手を結ぶ形としてとってもありがたいな手段だなって今回非常に感じました。なので読者の声を感じたというよりは、読者そのものを初めて具体的に見たという方がいいかもしれない。

    ――ちなみにファンディングを始めるまでの不安はありましたか?また開始に踏み切ったきっかけは?

    雑君:いけるなんて蓋開けるまで一欠片も思わなかったですね。それで割とゾルゲさんと連絡を取り合って、助言をいただいたり…。

    ゾルゲ:私は片眉を剃り落として山に籠るぐらいの決意を持って開始に望みましたよ!

    ――大山倍達先生ばりの意気込みで (笑)。

    ゾルゲ:でもやっぱりクラウドファンディングって漫然と始めるとコケるのが山ほどあるからね。そういう意味では雑君先生が提示している、「集まった金額によってページ数が変わる」っていうのはもの凄く上手いなと。あれがあったから今回のもの凄い数字に結びついたんじゃないのかな。上手くやりやがったなコイツみたいな(笑)。で、ちょっと自分の不安の話に戻ると、本当に描けるならなんでもいいやって、私のほうがもっと討ち死に覚悟ですよ。俺の漫画ってまだ読みたい人っているのかなってそれくらい思い詰めた気持ちでやってたってのが最初にありました。

    ――確かに支援金額によってページ数が変動するプロジェクトは斬新ですね。

    雑君:要は自分の中で物語を終わらせるまで全部描くとなると、ページ数が膨大に多いんですよ。そのページ数を金額に換算して目標に設定しても、それはもう確実に成立するのは0%だろうっていう前提があり。なので達成しそうな金額を最初に設定して、まず100ページ分は描きます、その続きは金額によってもページ増えるし、でそれでも終わらなかった時には、また何か考えますみたいな感じですね。

    ゾルゲ:例えばですね、諸星大二郎先生の「西遊妖猿伝」とか三浦建太郎先生のベルセルクとか、皆続きを読みたいんだけどどうなるかわからないって漫画って、読者としてもやきもきしますよね?でも、これもファンディングで解決する気がしてて。例えばいくら集まったら続きが読めます、って先生が言ったらね、そりゃきますよ。あのページの続きを読めるならそりゃ払うよって。だから本当にこのシステムは、とっても凄い発明だと思うんです。

    ――ライフワークとして作品を描き続けたい漫画家さんにとっては理想的ですね。クラウドファンディングを始める前に心がけた点や意識した点とかはありますか?

    雑君:まず今までの「そして船は行く」を知ってもらいたいっていうのが第一にあったので、絶版マンガ図書館のほうで無料で公開してもらうって形を取りました。

    ――作品を読んでもらい、そこから支援を決めてもらうと。

    雑君:そうですね。なので最初に「そして船は行く」を出版してくれた会社にご挨拶行って(電子化の)許可を戴いて。電子書籍を読んだ人が、続きがなくて終わってるっていうところの受け皿として今回のファンディングがあるっていう流れが理想だと思ったんで、(電子書籍の)公開日をなるべくファンディングの公開と近い日にするように調整しました。


    初見の読者のためにプロロ―グ動画(なんと声優つき!)まで制作されている。

    ゾルゲ:私の方はプロジェクト支援のお返しですが、多分漫画だけだったら皆帰っちゃうと思ったんで、ゲームを付けたいと提案しましたね。あれはビックワンガムのおまけとして横にプラモが付いてますみたいな、漫画は見たくなくてもゲームはやりたいかな、という発想です。これまでのクラウドファンディングにない、「ゲームが付きます!」って発表した方が上手く行くんじゃないかな?っていう。ただこれやればやるほど首を絞める結果になったんで真似されない方がいいかと(笑)。

    ――あのゲームは作中に登場するんですよね?

    ゾルゲ:はい、今回の「SALADMAN(サラダマン)」はまさにこれから「8bit年代記」の中で描かれる、主人公が制作して挫折するという切ないゲームなんです。


    ――漫画を読みながら実際にゲームを追体験できると。

    ゾルゲ:そうですね。

    =>ゲームと一緒に育ってきた背景にはアニメがあったんだということを描きたかった

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    2014年10月に「月刊コロコロコミック」の増刊号として発売された「コロコロアニキ」第一号。”小学生お断り!コロコロ卒業生に贈る大の大人のコロコロコミック”をテーマに発刊されたという本誌には『爆走兄弟レッツ&ゴー!! 』(こしたてつひろさん)、『かっとばせ!キヨハラくん』(河合じゅんじさん)、等の人気作の続編、『つるピカハゲ丸』ののむらしんぼさんによる『コロコロ創刊伝説』、『ヒャッハーだよ!ふなっしー』(まえだくん)等バラエティ豊かな作品がラインナップ、発売以降売り切れが続出し重版もかかるという人気ぶりを博しています。

    その中で注目の漫画が『シャーマンキング』『ユンボル-JUMBOR-』『機巧童子 ULTIMO』等の代表作を持つ漫画家、武井宏之さんによる読み切り漫画『拝啓 徳田ザウルス先生』です。

    1987年から1992年迄月刊コロコロコミック誌上にて連載され大ブームを起こした徳田ザウルスさん原作のミニ四駆漫画『ダッシュ!四駆郎』。この漫画の中で主人公、日ノ丸四駆郎とメインキャラクター4人が操作するのがミニ四駆”ダッシュ号”、この中の一つ「ダッシュ3号・流星(シューティング・スター)」のデザイン原案が「ダッシュ1号デザインコンテスト」で優秀賞を受賞した中学時代の武井宏之さんだった、というエピソードを中心に描かれているのが『拝啓 徳田ザウルス先生』。

    徳田ザウルスさんは急性心不全のため2006年に逝去、漫画の中で武井さんは徳田さんの奥さんと出会い、対話の末に『ダッシュ!四駆郎』の新作漫画を自ら描く決意をします。自分のデザインしたミニ四駆のデザインが徳田ザウルスさんに採用された事が後に漫画家を目指すきっかけとなったという武井宏之さん。

    MangaStyle木瀬谷と「赤鮫が行く!」ライター近藤氏、そしてコロコロコミック編集部石井さんを交えて、新たに『ダッシュ!四駆郎』を描く心境を武井さんに伺いました。

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    木瀬谷: コロコロアニキ1号掲載の『拝啓 徳田ザウルス先生』は武井先生ご自身を主人公にした武井版『ダッシュ!四駆郎』の作品制作の前日譚と言った内容の読切りでした。実際にこれから『ダッシュ!四駆郎』描いていく所だと思うのですが、『ダッシュ!四駆郎』を描く事になった経緯を教えていただけますか?

    武井: 当初、原稿依頼が来た時は自分が中学時代にデザインをしたミニ四駆「シューティングスター」の想い出だけで、短いページ数の読みきりというお話だったんです。でも雑誌のコンセプトが”大の大人のコロコロコミック”という事だったので、それで『ダッシュ!四駆郎』が復活しないと寂しいなという思いで漫画も描く事にしました。

    木瀬谷: 『拝啓 徳田ザウルス先生』の中では、徳田先生の奥様にお会いした武井先生が急に「・・・オレが『ダッシュ!四駆郎』描く事になったから。」という展開になっていましたが、漫画の中で省かれている部分で作品制作を決意させるきっかけとなった出来事があったのでしょうか?

    武井: 漫画制作を持ちかけられた際に編集者の方から「新しいシューティングスターを作りましょう」と言われて、それを聞いて乗った!と思いました。現在の自分の作風で新しくデザインをしてみたいという思いもあったので、自分のモチベーションではそこが一番大きいですね。

    石井: 漫画に登場する新しいシューティングスターとエンペラーは昨日デザインが完成しました。 進化したシューティングスターとエンペラーがコロコロアニキの第2号(3月14日頃発売)に載る予定です。数十年の時を経て、武井先生完全監修のミニ四駆が世に出ます。

    武井: 復活させましょう!

    木瀬谷: 楽しみですね。

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    武井さんが中学生時代にデザインの原案をした「ダッシュ3号・流星(シューティング・スター)」


    木瀬谷: 武井先生が「ダッシュ1号デザインコンテスト」に応募されたきっかけというのは何かあったのでしょうか?

    武井: 中学三年生の頃なので、あまり当時の事ははっきりと覚えていないのですが、なんとなくふんわり出してみようと思ったんですかね。好きな事ばかりやっていて、当時はメカばかり描いていましたね。漫画家になるといった時まで人物を描いた事なかったですから。18歳で上京して、そこから人物を描き始めました。本当は人物が好きじゃない。(笑)

    石井: 普通じゃないルーツから入っているのが、武井先生のキャラクター造形の独特さに繋がっているんじゃないかと思います。

    木瀬谷: 週刊少年ジャンプ連載の『仏ゾーン』や『シャーマンキング』のメカ描写のデザインや描き込み等、週刊ペースで良く描けるなと思って見てました。メカを描くのは大変ではないですか?

    武井: 人物を描いていて調子悪い時よりかは全然楽ですよ。人物はその時の気分にすごく左右されて作画が不安定なんですよね。でもメカは裏切らないので描いてて良いですよ、だからきっと描くのが好きなんだなぁ。

    木瀬谷: メカの作画自体はどうやって描いていらっしゃいますか?

    武井: すべてフリーハンドですね。週刊では時間的に定規を使って描いていられないので。今は作画のスタッフが描いてくれてます。自分がアタリまでしっかり描いて、あとは任せています。本当は自分で描きたいんですけどね。

    石井: 武井さんが下絵を完全にとった上でスタッフに渡すといった形で、スタッフに真っ白な状態で描かせるという事はないですね。

    武井: 渡して形が変わってしまうのが嫌なので凄くしっかり下絵は描きますね。拾う線で全然違いますから。修正もかなりしますし、ペンが入った絵でもパースが違ったら変えたりとか普通にあります。

    石井: 単行本にするたびにリマスターしてます。雑誌と単行本では紙の比率が違うのでトンボとかも取り直してますよね。

    武井: セリフのふきだしも単行本向けにレイアウトを変えたりしていましたね。

    木瀬谷: デジタルだったらそれが出来るんですね。

    武井: 出来てしまうんですよ。まずいですよね。(笑)バランス崩れるのが嫌なんですよね。週刊はそれを言ってられないですけれどね。

    木瀬谷: 今回はシューティングスターを実際にデザインされた武井先生にしか描けない漫画だと思いますし、純粋に読んでみたいです。

    武井: ひたすらマシンを描いてやる!と思ってます。(笑)

    木瀬谷: 当時徳田先生から直接電話で武井先生のデザインがコンテストに通ったお話をされたんですよね。

    武井: 徳田先生から電話あっても”ふわっ”としてました。電話だけの話で現実味がなかったので。当時、自分も中学生の子供で、漫画を現実の人間が描いているという実感なかったですからね。

    木瀬谷: 当時ミニ四駆の原案として採用されるとなった時、周囲の反応はどうでしたか?

    武井: ない……と思う。友達がいないので。(笑)
    地元に本屋さんが無かったんですよ。お母さんに仕事帰りにジャンプ買ってきてもらったり、コロコロは間違って別冊買ってきちゃったりして。だから、周りは誰も漫画読んでなかったんですよ。漫画とかの話する友人が二人居たくらいで、全然漫画を読んでいる子がいなかった。自分が一番”ふわっ”としていたからか、人との付き合いは希薄でしたね。

    木瀬谷: でも商品が出た事は絵を描く上で自信になったのではないでしょうか?

    武井: そうですね。シューティングスターはラジコンにもなって結構人気あるほうだったんですよね。それで自分にも出来るんだと自信に繋がりましたね。それまで本当に自信がなかったので。

    石井: 主人公のライバル機なので、ずっと作中に出てましたからね。ミニ四駆の実物を買ったりもされていたんですよね。

    武井: そうですね。ラジコンは買えませんでしたけど。

    近藤: 選ばれた事が、人生が変わった瞬間だったんですか?

    武井: そうですね。そこから漫画家になりたい欲が”ふわっ”とでてきて、上京しても”ふわっ”としていましたが。プラモばかり作っていました。

    石井: それで桜玉吉先生のアシスタントしていたのが20歳の頃ですよね。

    武井: 20歳の頃ですね。その時、先生は『しあわせのかたち』とか描かれていた。桜先生は仕事場に行っても居ないんですよ。書き置きと原稿だけあって、「色塗っておいて」と。何色とか指定無いので、自分で考えて一晩で色を塗ってコピーして帰るという。桜先生に最初に「つげ義春全巻読みなさい」と言われて、渡されて少年漫画志望なのに、狂いますよね。結果的には良かったですけど、王道からはずれた感がありましたね。

    木瀬谷: 最初のアシスタントは影響大きいですからね。

    武井: まず「ジャンプを目指すのはやめろ」と言われましたね。(笑)でも自分の中ではやるんだったら少年誌の方がいいかなと思っていて、やっぱりジャンプだと思っていました。それにデビューしやすいですしね。入口としていいと思います。

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    木瀬谷: 徳田先生のデザインの魅力というのはどこらへんに感じていましたか?

    武井: 力強さと美学ですかね。この間、徳田先生の奥さんにお会いして色々聞いたんですが、徳田先生もすごくアメ車が好きで、それでデザインが力強くて可愛いんだと納得しました。

    木瀬谷: 徳田先生の絵の模写などもされていたんでしょうか?

    武井: 僕は模写しないのですが、影響はありましたね。昔はロボットばっかり描いていました。モビルスーツ等は今でも初期の物は何も見ないでも、ちゃちゃちゃと3分くらいで描けますよ。

    近藤: 『機動戦士ガンダム』や『超時空要塞マクロス』も見られていたんですか?

    武井: 『マクロス』が一番でしたね。

    近藤: あの時のロボットアニメはリアル系のデザインが流行で、アニメ作品の数も多かったですもんね。

    武井: 顔が無いロボットはバルキリーが最初ですね。人型ロボット形態の時に股の部分が尖ってるデザインがカッコよくて。おもちゃの都合に合わせないで、リアルに拘って作られているのがすごく格好良かったですね。徳田先生のマシンも車の理論に基づいてデザインされている部分が共通していると思います。当時、アメ車のブームがあってトランザムとかスティンガー等が流行っていました。70年代のデザインは丸くて流線型で、今見ると昔の車のデザインっていいなと思います。

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    玩具屋の様に陳列された沢山のコレクション。


    木瀬谷: 徳田先生の『ダッシュ!四駆郎』の漫画の中で印象的なシーンはどこでしょうか?

    武井: 日常シーンのリアルな描写が記憶に残っています。廃墟だったり、農民だったりホームレスだったりとか。そのあたり気になって見ちゃいましたね。後はリアルなタッチで実在の車の描写が随所に出てくる辺りとか。

    近藤: 好きじゃないと描けない絵ですよね。子供向けとは思えない程描き込み凄いですよね。

    武井: それが良かったのかもしれませんね。先生が良いと思ったものをやっているから。

    木瀬谷: 密度の高い絵が出てきたりすると、絵の好きなお子さんとか、なんだこれはと興味を持って見てしまうと思います。
    武井先生はこれまで少年誌での作品発表が中心だったわけですが、児童誌での作品制作は意識的に変化をつけられるんでしょうか?

    武井: はい。わかりやすく、絵をはっきりと描く。ややこしい事しないようにしようと思います。

    木瀬谷: 今回改めて『ダッシュ!四駆郎』を読ませていただのですが、児童誌と少年誌は文法が違うなと思いました。意識的にストーリーを省いている演出もあって、でもその分勢いがあるからテンポで読めるのですね。

    武井: 確かに。文法まで違いましたか。

    木瀬谷: 少年誌の方がより理屈で説明している部分が多い気がします。

    武井: 端折り方も大事かもしれないですね。キャラクターの喜怒哀楽がはっきりしているから、ストーリーとして繋がるんですよ。

    石井: 児童誌の作家さんは月刊ペースでの発刊という事もあり、先月までのストーリーを覚えていなくてもわかるように描いていくので読めるんだと思います。半年前に登場したキャラクターがストーリーの最後に助けに来た・・・とかだと月刊誌なので「誰?」 となってしまうので。週刊少年誌の人気作品は長期連載が多いので、必然的に群像劇が多くなってしまうのですが、児童誌ではちゃんと一話でドラマを作り上げていく事を作家さんは意識して大切にされていますね。

    武井: 理屈くさいのは多いですね。面白かったら設定変えてもいいじゃない。『キン肉マン』くらいに。

    石井: 中高生はそこにツッコミを入れるんですが、更に大人になるとそれもありかなと思え始める。

    武井: 大人になったほうが児童誌向けの作品が描けるのかもしれない。40歳を越えてコロコロで描くというのは丁度良いバランスのような気もします。漫画を表現する上で、子ども向けにやるのが漫画を純粋に楽しめる。

    木瀬谷: 少年漫画を執筆してこられた先生が、児童漫画を描くという事で、とても楽しみです。

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    仕事場に飾られたモデルガンの数々。


    木瀬谷: 浦沢直樹先生著作の『PLUTO』など既存の漫画の続編やスピンオフを描いた作品がこれまでにも例がありますが、今回の『ダッシュ!四駆郎』制作に当たって最も留意されている点はどこでしょうか?

    武井: 徳田先生の奥様とのお話の中で「徳田の名に恥じぬものを」と言われて、プレッシャーを感じました。本当にその通りで、今回の挑戦は”自分を出さない”ようにする事です。結果的には作品に横溢してしまうんでしょうけど、なるべく自分を消すように描くつもりです。『ダッシュ!四駆郎』の世界観とキャラクターの雰囲気は、絶対崩してはいけないと思っているので、自分にとっても新しい試みですね。どの程度バランスとるかが、描いてないので分からないですけれど、どこかでは武井版を楽しみにしている人もいると思うし……描いてみたら、落ち着くと思いますけどね。

    近藤: 描くのがご自身でも楽しみなんじゃないですか?

    武井: 楽しみですね。それで、お話作りは億劫なんですよ。(笑) あれも描きたいこれも描きたいと思っていて、詰め込めないから、そっちが難しいですね。

    木瀬谷: マシンはリニューアルされるという事なんですが、キャラクターはどうされるんですか?

    武井: キャラクターはそのまま引き継ぎます。現代の四駆郎たちを描いていきます。

    石井: 四駆郎や進駆郎がでてくるストーリーになると思います。

    武井: 原作通りに四駆郎の”鉢巻のうえに眉毛”を描けるかかどうか。(笑)勇気がいりますね。自分の絵に落とし込めるかどうか。キャラの顔はまだ絵として触ってないんですよ。マシンばっかり描いてて。

    主人公の日ノ丸 四駆郎。鉢巻きの上に眉毛のあるキャラクターデザイン。

    主人公の日ノ丸 四駆郎。鉢巻きの上に眉毛のあるキャラクターデザイン。


    新たにリニューアルデザインされた”エンペラー”と”シューティングスター”の一部分

    新たにリニューアルデザインされた”エンペラー”と”シューティングスター”の一部分。

    武井: リニューアルに関して、シューティングスターは自分の原案だったので良かったのですが、エンペラーは手を入れるのが難しかったですね。

    木瀬谷: シャープな感じですね。リニューアルデザインのテーマは?

    武井: 現代版を意識して、ただオリジナルの元気な感じも壊しづらくて、あんまカッコつけ過ぎてもなぁと思いました。

    木瀬谷: 昔のガンダムと現代版ガンダムみたいなイメージですね。

    武井: 僕はガンダムとかも頭でっかい方が好きでしたね。今は十頭身以上ですからね。

    木瀬谷: タイヤが大きいのは、現代を意識されたのですか?

    武井: 車体が低く小さいので、タイヤが大きく見えますね。テーマを変えずに、その時代のシューティングスターと言えるものを描こうとしました。

    木瀬谷: 漫画の中で描くの大変そうですけど。

    武井: そうでもないですよ。マシンの模型をタミヤさんに作ってもらうので。この仕事が楽しいですね。ここからがいろいろと、四駆郎の鉢巻の上に眉毛を描くのかとか(笑)

    木瀬谷: 武井先生は意外にもこういったメカデザインのお仕事は初めてなんですよね。センスの良い漫画家さんがデザインされたプロダクトが増えていったら素敵なんじゃないかなと思います。

    武井: そうですね。これからこういった依頼が増えたら嬉しいです。

    近藤: 石井さんは、今回武井先生になぜお願いしようと思ったのですか?

    石井: 武井先生デザインのシューティングスターの採用がされたのは知っていて、先生の作品を見ていてもコロコロの読者につながるものがあると思ったので、ぜひお願いしたいなと。メカに対する情熱は、読んだ人に伝わっていたと思います。

    木瀬谷: 新しくリニューアルされたミニ四駆のデザインと、四駆郎の鉢巻の上の眉毛を武井先生がどう描くのか注目です。(笑) 本日はお忙しい所有難うございました。


    武井宏之さんが描く、新たな『ダッシュ!四駆郎』が掲載される『コロコロアニキ』第二号は2015年3月14日頃発売です。お楽しみに!

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    ガレージの中にある”フェラーリ・テスタロッサ”。

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    同じくガレージにある”デロリアン”。

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    武井さんの仕事机。ここから新たな『ダッシュ!四駆郎』が生み出される。


    ・Twitter @take_pro

    ・コロコロ公式サイト|コロコロアニキ http://www.corocoro.tv/aniki/


    [執筆・撮影 木瀬谷カチエ]