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    サブ_ホーキング博士

    サブ_ジェーン

    サブ

    映画好きで知られる漫画家・巻来功士。
    巻来功士が最新の映画を観賞し、心臓がピクピクするほど感動及び興奮、または憤慨?した作品”心ぴく映画”を紹介するのが 『功士の心ぴく映画コラム』です。

    第八回目にご紹介する映画は『博士と彼女のセオリー』。天才物理学者ホーキングの実話を元にしたヒューマン・ラブストーリー。ホーキングを演じるのは、『レ・ミゼラブル』のエディ・レッドメイン。今年度のアカデミー賞主演男優賞の最有力候補にあげられている注目の俳優。

    一方、妻ジェーンを演じるフェリシティ・ジョーンズ(『アメイジング・スパイダーマン2』)もアカデミー賞の有力候補だ。監督は、ビルの谷間を綱渡りする大道芸人にスポットを当てた『マン・オン・ワイヤー』でアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞したジェームズ・マーシュ。

    今年度のアカデミー賞最有力候補にあげられている話題作を観た巻来巧士の心ぴく度は?

    【STORY】
    ふたりの出会いは1963年。スティーヴンがケンブリッジ大学の大学院に在籍している時だった。彼は詩を学ぶジェーンの聡明さに、ジェーンは彼の夢見がちなグレーの瞳とユーモアのセンスに惹かれ、たちまち恋におちる。だが、直後にスティーヴンは運動ニューロン疾患と診断され、余命2年の宣告を受ける。それでも彼と共に生きると決めたジェーンは、力を合わせて病気と闘う道を選択する。

     そんなふたりの結婚生活は、残された時間を2年から5年に、5年から10年に、10年から20年に延ばすための絶え間ない努力の日々となる。ジェーンに励まされて研究に打ち込み、学者としてのステイタスを築いていくスティーヴン。心身両面で夫をサポートしながら、ふたりの生き甲斐となる子育てにも奮闘するジェーン。自分たちに与えられた時間がどれほど貴重なものかを知るふたりは、歳月を重ねるごとに増す試練に、強固な愛の力で立ち向かっていく。

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    第8回「功士の心ぴく(心臓がぴくぴくするほど感動した?)映画コラム」は『博士と彼女のセオリー』です。

    またまた、実話物です。今年のアカデミー賞受賞、候補作は特に多い気がします。本作は、理論物理学者で有名なスティーヴン・ホーキング博士の妻、ジェーンが書いた原作を基に作られた映画です。最も身近にいた夫人の原作なので、よくある偉人伝にはなっていません。もちろん、そんな映画は面白いわけありませんが、おそらく我が国で作ったらソノモノのつまらない映画になる事でしょう。

    この映画はその逆をいく映画です。天才ホーキング博士がALS(筋萎縮性側策硬化症)を患いながらも、研究成果により栄光を手に入れてゆく、なんて映画を見たい人もいると思いますが、良い意味で裏切られた結果、傑作と呼ぶに値する素晴らしい映画になっていました。ホーキング博士役のエディ・レッドメインがアカデミー主演男優賞受賞の、納得の演技を披露しています。妻、ジェーン役のフェリシティ・ジョーンズの女を匂わせる(?)演技も負けないぐらい素晴らしいです。主要な全ての俳優が、眼差しで語るという高度な演技合戦を見事にモノにしています。

    後半、ホーキング博士は、ALSの為に、身体を動かす事も喋ることも出来なくなってしまい、感情を表す時は微かな表情の変化になります。ホーキング博士役のエディ・レッドメインが奇跡的演技で表情に現すと、妻役のフェリシティ・ジョーンズがその表情を受けて、やはり微かな表情で答えます。そして妻が頼りにする、ジョナサン役のチャーリー・コックスとの熱い眼差しの交換。また、ホーキング博士と、身の回りを世話する女性との感情の交換。見事な演技の手本のような演出に溢れています。見なきゃ損だと言い切ってよいでしょう。

    そして、この映画は天才の波乱万丈な半生を、女性の目線で赤裸々に語られている所が秀逸です。つまり、男性が大好きな名誉とか権威をテーマにせず、全ての人々の恋愛関係、夫婦関係に通じる普遍的な感情を描き切っているのです。だからこそ、全ての大人に共感を与える傑作に仕上っていました。

    ただし、大人限定です。この映画で描かれた繊細な男女関係を深く理解できるのは、やはり我が国では、残念ながら経験豊かな大人しかいないでしょうから(単純な思考しか出来ない、幼稚化した大人にもお薦めしません)。その証拠に、私の隣で見ていた女子高校生は「長くて眠くなった」など呟いていました。私が高校生の頃に見ても絶対に傑作だと思えるこの映画を見て、そんな事を呟いてしまうとは・・・。そんな感情が湧きあがって来る位に、よく出来た繊細なラブストーリーになっています。

    私は、中盤の身につまされる描写に心揺さぶられ、ラスト全てが許される演出に心の底から感動しました。感涙必死です。つまらない泣かせ映画などにはなっていません。どうしようもない人間の性(サガ)、だからこそ素晴らしい人間というモノを力強く描いています。

    観終わって、勇気が湧く素晴らしい傑作です。なるべく、予備知識なしに観てください。絶対に感動する事をお約束します。しかし、今年のアカデミー賞、受賞、候補作にはハズレがありません。素晴らしく深く人間を描いた傑作ばかりです。監督は、本国アメリカ人は言うに及ばず、イギリス人、メキシコ人、他、と多様です。このことがあらゆる価値観で人間を見つめる素晴らしく面白い映画が誕生する原動力になっているのでしょう。うらやましい限りです。それに引き換え、我が国の、テレビドラマファンに向けて作られたとしか思えない映画の数々は・・・。世界レベルの映画との距離は、かけ離れてゆくばかりです。

    1980年代までの素晴らしい邦画、世界の映画監督の手本になった邦画を取り戻してほしいと思います。日本と海外じゃ価値観が違うから仕方ないと言われる方が居るかもしれませんが、その意見はまったく違います。この「博士と彼女のセオリー」を観終わって最初に思ったのは、脚本家、山田太一の名作テレビドラマ「男達の旅路」でした。その切ない男女関係、繊細なストーリーに似通ったものを感じ、私が高校生の頃見たこの名作を思い出したのです。それ位、深い普遍的な人間ドラマが、多数我が国にも存在しました。時代性など関係なく、世界に共通する普遍的な名作が・・。そんな事まで思い起こさせてくれる、人間ドラマの傑作です。

    全ての大人(大人の思考で物事を考えられる若者)にお薦めの名作です。是非ご覧ください。『博士と彼女のセオリー』の心ぴく度95点です。

    『博士と彼女のセオリー』

    [CAST]
    エディ・レッドメイン(スティーヴン・ホーキング)
    フェリシティ・ジョーンズ(ジェーン・ホーキング)
    チャーリー・コックス(ジョナサン・ヘリヤー・ジョーンズ)
    エミリー・ワトソン(ベリル・ワイルド)
    サイモン・マクバーニー(フランク・ホーキング)
    デヴィッド・シューリス(デニス・シアマ)

    [STAFF]
    ジェームズ・マーシュ(監督)
    ティム・ビーヴァン&エリック・フェルナー(製作)
    リサ・ブルース(製作)
    アンソニー・マクカーテン(製作・脚本)
    ジェーン・ホーキング(原作)

    [配給]
    東宝東和 

    [オフィシャルサイト]
    http://hakase.link/

    3月13日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー

    ゾルゲ市蔵-プロフィール画像

    【巻来功士]

    1958年長崎県佐世保市生まれ。1981年、「少年キング」誌で『ジローハリケーン』でデビュー。 「週刊少年ジャンプ」に発表の舞台を移し、代表作『ゴッドサイダー』を執筆。その後、青年誌を中心に『ザ・グリーンアイズ』『瑠璃子女王の華麗なる日々』『ゴッドサイダーサーガ神魔三国志』など数々の作品を連載。 クラウドファウンディング「FUNDIY」にて『ゴッドサイダー・ニューワールド(新世界)〜 ベルゼバブの憂鬱 〜』の制作 プロジェクトを成功させて現在鋭意執筆中。


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    手塚るみ子さんをホストに迎え、毎回ゲストから自分の分岐点となった局面を伺い、創作の秘密を掘り下げていく対談企画・Crossroad。

    第二回目のゲストにお迎えしたのは、漫画家の田中圭一さん。『ドクター秩父山』 、『昆虫物語ピースケの冒険』等の作品に加えて、手塚治虫タッチの絵柄で描かれた『田中圭一最低漫画全集 神罰』等、パロディ漫画家として多数の代表作を世に出されています。

    最近では『田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-』、『Gのサムライ』、『うつヌケ 〜うつトンネルを抜けた人たち〜 』等WEB上での作品発表も積極的に展開。その他、京都精華大学マンガ学科ギャグマンガコース特任准教授も務められているという、マルチな活動を続けられています。

    1994年、『COMIC CUE Vol.SIX』(イースト・プレス)手塚治虫リミックス号に手塚プロダクションの公認パロディ 『神は天にいまし 世はすべてことも ないわきゃあない』発表以来親交のあるという田中さんと手塚さん。

    田中さんの”自分の分岐点となった局面”となったイラストを元に、二人の対談が始まりました。


    劇画村塾がきっかけではない!?-

    手塚:今日はよろしくお願いします。 田中さんとかしこまった形でお話するのは、珍しいですね。いつもは飲みながらのお喋りで、しかも下ネタで盛り上がることが多いから。

    田中:下ネタ以外の話はしてない気がしますね。

    手塚:今日は占いで、おうし座は『口は災いのもとになり、関係が悪化する』と言われて、よりによって対談の日に…と思いました。ちょっと気をつけようと思います。

    田中:関係が悪化するんですね。世間的には完全に悪化している状態ですから、これ以上はないですよ。

    手塚:では、まず、なぜ漫画家になったか、そのきっかけからお伺いします。「自分の分岐点となった局面」を絵にしていただいてますが・・・

    田中: (『Crossroad』vol.1 ゲストの)浦沢直樹先生の次に描くということで、プレッシャーがかかりました。これが漫画家を目指したきっかけの絵です。

    田中圭一先生 クロスロード 3 24

    手塚:ご丁寧にありがとうございます。これはトイレを我慢している絵ですか?

    田中:違います(笑)。この絵は漫画家を目指そうと決意した場面です。 小学生の頃から、ノートに漫画とかは描いていて、憧れとして漫画家になりたいという思いはありました。それで、現実として、なれるかと考えると「まあ無理かな」とか、「ひょっとしたらなれるかも」といった感じで…。小さい頃から漫画家に絶対なりたいと思っていた人とは、違うタイプだと思います。

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    田中:やっぱりきっかけとなったのは、小池一夫先生の劇画村塾神戸校が開校して、そこに通うようになったことですね。 当時、東京の一期生の高橋留美子さんが、大ブレイクしている最中でした。そこで、高橋さんが生徒だった、また『子連れ狼』の原作者が教える塾というのはどんなものなのかと気になって。 門下生になるというより、どんな授業をしているのかという好奇心から受けはじめたんです。

    劇画村塾は最初に生徒を大人数、受け入れて、一年間教えて、二年目は三十人に絞って、その人たちがデビューできるまでの道筋を教えていくんです。要するに、一般教養と専門職といった感じですね。 だから一年目は漫画らしいものが描ければ入れるんです。僕は劇画村塾の一年目に、自分がどんな漫画を描くべきなのか迷いがあったんですよ。面白いこと言うのが好きなので、ギャグがいいかなと思ったんですが、紙に描いてみるとさっぱり面白くないんです。それでギャグなのかストーリーなのか迷っていたんです。

    ちょうどそんなとき、授業前に近所の本屋へ入って、泉昌之さんの『かっこいいスキヤキ』を見つけたんです。タイトルはちらほら耳にしていて、「最近みんなが話題にしているマンガってこれか」と思って読んでみたら、「こんなギャグマンガ見たことないや」と衝撃を受けました。 シリアスな劇画タッチで淡々と進むんですが、やっていることはとんでもなくバカなんですよ。 『かっこいいスキヤキ』は、シリアスな絵でバカなことをするというギャップがもの凄くて、これが自分の目指す方向なんだなと気がつきました。 「これは面白い」と思ったので、授業中も机の下で笑いをこらえながら、読んでいましたね。

    ですから、この絵(田中氏が漫画家を目指したときの場面の絵)は、小池先生が真剣に授業をしているときに、僕が漫画を読んでいる場面です。小池先生も気がついていたんだと思いますよ。「こいつ授業中、笑いこらえながら、何読んでやがるんだ」と思っていたでしょうね。

    手塚:劇画村塾がきっかけじゃないじゃないですか(笑)

    田中:でもそこで、課題を描いて、評価されてデビューするというルートができていたんですよ。 “料理人を目指そうと思ったら、たまたま実家がトンカツ屋だった”みたいな距離感。ちょうどこの漫画が好き、それで描きたいと思って描いたら、評価がよかった。 それで、小池さんの会社が出していた、『コミック劇画村塾』という雑誌に載って、デビューできたんです。仮に「こういうのがいいな」と思っても、その後、原稿を描いて、投稿持ち込みへ行くのはすごいエネルギーがいるじゃないですか。そこまでやるほどの情熱は僕にはなかったので、両方の合わせ技のタイミングだったんですね。

    手塚:最初は興味本位だとしても、劇画村塾に通うとしたら、結構長いスパンをとられるじゃないですか。どうして何年も通えたんでしょうか。大学を卒業してから、通われたんですよね。

    田中:大学に行きながら、塾には通っていましたね。月に一回第三金曜日に、社会人やりながら勉強している方もたくさんいたので、劇画村塾は遅い時間にスタートなんですよ。

    手塚:漫画のほうの道を選んで、大学の道をおろそかにすることなく、両立されていたんですよね。

    田中:そうですね。そういうと聞こえがいいですが、「絶対にプロになりたい」という情熱がなかったし、中途半端に真面目だったんです。大学の単位をとるため課題もしないと、と思いながら、一方で塾でも課題があるから、と描いていただけですね。


    サラリーマンとの両立

    4C9A41971手塚:就職活動はされたんですよね。 ギャグ漫画家としての自分の道が見えつつも、社会人としての田中さんもいて、それが両立したまま社会に出ていったという感じですか?

    田中:大学三年生のときに、曲がりなりにもデビューをして、四年のときには劇画調四コマを連載していたんですよ。大学卒業の頃には、その連載を六回か七回やっていて、毎回6ページくらい連載していたんです。漫画家になりたいという情熱が高ければ、その作品一本で、他の出版社を回ったりしていく道はありました。 でも、四年生で就職しなきゃという気持ちもありました。

    当時はバブルの時代でしたから、三流大学でもいい会社に入れたんですよね。でも、文系だったので企画開発職は無理だったし、まぁ、営業くらいしかやらせてもらえないだろうな、とは感じていました。 それなら、よくわからないものを売るくらいなら、好きなものを売りたいなと思って、プラモデルと玩具のメーカーを受けたんですね。それで二社ほど内定をもらえて、好きな方のメーカーに入社。

    漫画は中途半端に連載があって、ここでやめるのはおしいな、という気持ちもあるし、編集部からも、「月に6ページだから、当面は様子見で続けたら」と言われたので、「やります」と。流された感はありますが、大変だなと思いながらも続いて、今に至ります。

    手塚:漫画家には、漫画家になりたいと思って進んだ人と、なれるから漫画家になったという人がいるかと思うんです。 田中さんは後者だと思うのですが、仕事を捨てなかったというところが珍しいです。

    田中:漫画の仕事があるから、サラリーマンはつまらなかったらやめてやろうと思っていたんですが、仕事は楽しくて続けられました。 よくバブル期の営業マンは華やかに語られますが、当時の営業はとんでもなく高いノルマを課せられるんです。昨年度より三十パーセントアップという目標を、どの会社もクリアしていったからこそバブルになったともいえるのです。けれど、そこで下働きする私たちは、バブルではよい思いをしてないんですよ。大変でした。 でも、玩具は毎月いろいろな商品が出てきて、売り場でリカちゃんサイン会などの催事がありました。

    僕はアニメや漫画が好きだったので、「あの漫画がアニメ化して、その製品がうちから出るの?」みたいな、業界とのリンクもあったりして、それが楽しかったんです。 あとは体育会系の職場だったから厳しくもあるけど、明るい人が多くて、ガツガツ仕事して夜の飲み会とかでバカやって凄く楽しかったですね。 それに漫画も単行本で十万部くらい出ていたので、どちらの生活も捨てられなかったですね。表裏一体の充実感はありました。

    手塚:ずっと兼業でサラリーマンと漫画家をやってきて、仕事配分と精神的な配分はどうしていますか? 田中さんは真面目だから、どっちもがっつりやるとは思うのですが。

    田中:そうですね。玩具メーカーの日常って色々と破天荒なエピソードも多くて、そうしたものを土日の漫画作成のアイディアとして取り入れられる。つまり、常にネタがインプットができるので、ラッキーな状態でもあったんです。

    手塚:普通の人は、AというものをAとインプットするけれど、田中さんはギャグ漫画家だから、Aというものをインプットして、Aとは別の面白いものに変換してアウトプットすることができたと思うんですね。

    田中:僕は中学、高校と関西にいたので、いわゆるクラスの面白いやつを目指していたこともあるんです。そこでノリつっこみやボケとか笑いの基礎というものを学びましたね。 関東に比べると、関西は面白いやつがモテるんですよ。ルックスで負けていても、ギャグセンスで挽回できる。

    手塚:田中さんは関西の面白い男の子でも、体でバカやって受けるのではなく、頭をつかって話で笑わせる派な気がします。

    田中:どちらかというと、そうですね。運動神経はよくはなかったので、体で笑わせるより、話芸やちょっとした間の取り方とか、変なものを作って笑いとるのは大好きでしたね。それが漫画にそのまま繋がっていますね。


    影響を受けた漫画家

    手塚:子どものときから漫画を読んでいて、影響を受けた人はいましたか?

    田中:ギャグ漫画は好きで、中でもパロディとかサブカル系のものが好きでしたね。パロディがすごいと思ったのは、ラジオ番組で 『欽ちゃんのドンといってみよう!』のまとめ本があって、それに新聞のテレビ欄が見開きであったんです。それをよく見ると、隅々まで全部パロディになっていたんです。どこを見ても笑えて、パロディは面白いんだと思いました。

    サブカルチャー雑誌『ビックリハウス』とかの読者投稿コーナーとか立ち読みするようになったし、あとはアニメ雑誌で『月刊OUT』があって、あれはアニメを取り上げつつも、読者投稿がメインであったし、そこからゆうきまさみさんとかがデビューしたりしていていましたね。 もちろん、王道のギャグ漫画、低学年で赤塚不二夫さんの『天才バカボン』、高学年になってからは山上たつひこさんの『がきデカ』とかも好きでしたね。

    手塚:やっぱりストーリー漫画よりもギャグ漫画のほうが、好きだったのですか。

    田中:関西の風土があって、お笑いが好きだったのはあります。もちろんシリアスも好きで、自分が小学校、中学校のときに胸をときめかしたのは、手塚治虫先生だったり、松本零士先生だったんですよね。 手塚先生の絵を真似たいと思ったきっかけになる、自分の根っこにあるのは昭和の漫画の数々でしたから。 やっぱり小学校、中学校のときに、胸をときめかせた漫画というのは根深いものがありますね。

    手塚:当時は雑誌単位で読んでますよね。

    田中:あのときの漫画は、型破りのものも王道なものも同じ雑誌に載っていたし、コンテンツとして「これはやっちゃだめ、これはやっていい」というようなセオリーがブラッシュアップされる前の段階ですよね。面白ければなんでもぶち込んでしまえといった風潮がありました。あの頃の漫画をたくさん読んでいたというのは、幸運だったなと思います。

    手塚先生の漫画というのは、僕より上の世代の人が崇拝していて、むしろ一歩引いた距離で読んでいました。どっぷりとはまったのは『ブラック・ジャック』とか『三つ目がとおる』以降になります。小学校四、五年くらいですね。そこから、『火の鳥』などの作品を読んできました。 『火の鳥』は、雑誌サイズのまとめ本を読んでいましたね。あのスケールのすごさは桁が違うな、と思いました。みんなが手塚治虫を崇拝するゆえんかなと思いました。

    手塚:田中さんの口から『火の鳥』の話がでるのが、凄く違和感がありますね(笑)。 前回対談ゲストの浦沢直樹さんなら、ふんふんと聞くのに、田中さんが真面目な話してるのは、違和感がある。

    田中:江頭2:50が「黒澤映画のこんなところがよい」と真剣に話しているとか、そんなノリでしょ。

    手塚:なんとなく素直に聞けない(笑)。

    田中:当時ギャグ漫画とかお笑い番組とか好きでしたよ。『オレたちひょうきん族』は大学生くらいのときかな。笑いすぎて、画面が見られないくらいでしたね。

    手塚:ナンセンスなバラエティーが多かったですよね。脈絡がない。ある種パロディのようなものとか。

    田中:マンガでは赤塚不二夫先生の『レッツラゴン』なんか、とくに脈絡ないですよね。ロジックでは出てこない、感性で作られているものには憧れを感じますよね。 くしゃみすると上の棚からタライが落ちてくるというのは、一種のロジカルじゃないですか。でも『ひょうきん族』で、ビートたけしと明石家さんまが会話がかみ合わなくなって、わやくちゃなことを話しはじめるのは意味がないし、わけがわからない。 ロジックで作られたものは、感性で生み出したものに勝てないんですよね。

    手塚:田中さんもそんな感性にもとづく漫画を生み出したいと思っているんですよね。ただ田中さんの場合は下品とか下劣とか、そっち方面へ行くじゃないですか。そもそも何がきっかけでそっちへ行ったんですか?

    田中:二十代で、そういった下ネタ漫画を描いているのは問題ないと思うんですよ。相原コージさんや喜国雅彦さんも、そうしたものを描いていました。でも僕は、五十代になってもまだ描いている。これは頭を悩ませなければいけないところですよね。相原さんも喜国さんもそれなりの年の取り方をして、年相応の作品を描いているにも関わらず、僕は『Gのサムライ』のようなものを描いているわけですよ。何を間違えたっていう(笑)。

    手塚:絵は丁寧なのに、描く内容がひどい。そのギャップが田中さんの魅力だと思うのですが、真面目な話だったりしても、まったく逆のパロディにしてしまって、底辺まで落とすというのは小学生の男子レベルの考え方ですよね。

    田中:もしも江頭2:50が六十歳まで同じ芸風なら、もう、あきれて笑うしかないといった感じですよね。僕の頭には中学二年生の自分が住み着いているんです。オナニーだとか包茎だ、という話に熱くなるし、セックスの経験がない中で、実際はこうじゃないかという妄想だけで話をしている。もちろん実体験はしているのですが、頭の中では童貞なんですよ。

    手塚:女子から凄く蔑まれている年齢ですね。

    田中:さくらももこさんが、「中二男子ほど、バカな生き物はいないんだ」と言っていますからね。


    田中圭一が見るギャグ漫画の分岐点

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    手塚:原点はそこにあって、芸風は変わらずですが、デビューした頃からそうした芸風だったのですか?

    田中:当時はそこまで酷くなかったですけど、相原コージさんとかが『スピリッツ』の巻末の4コマで、「商業誌でこんなこと描いていいのか?」と思われるようなものを描いていたことがあって、「スピリッツに載っているんだし、こういうの描いてもアリなのね」と気がついたんです。 そういう意味で、アンモラルギャグにおける未開のジャングルをひとりで切り開いていったのが、相原さんだったんですね。あと喜国さんも同じ時期かな。

    手塚:『週刊スピリッツ』はセンセーショナルな雑誌でしたね。吉田戦車さんも『伝染るんです。』を連載されていましたよね。

    田中:戦車さんが、ギャグ漫画にとどめを刺したと思うんです。あれ以上、尖りようがなくなってしまった感はありましたね。 劇画村塾にいた頃は、「まったく意味がわからないギャグはやめなさい」という指導もあったと思うんですよ。僕は当時デビューして、単行本も出しつつある時代ではあったのですが、世の中的には『スピリッツ』の巻末に『伝染るんです。』が載ってしまうと、「意味がわからないギャグはダメです」とは言えないですよね。なにしろ、もの凄く面白かったから。

    手塚:あの当時はいろいろ斬新なものがありましたよね。

    田中:相原さんが連載する前は、原律子さんが衝撃的な作品を描かれていました。

    手塚:そうですね。女流漫画家さんがああいう下ネタギャグを描くというのはなかったですね。

    田中:あっけらかんとしているからよかったものの、女の人でここまで描くんだ、と思いましたね。 時代的には、吉田戦車さんが出てきて、よかったんです。あの人が、お下劣以外じゃないギャグでブレイクしたので、お下劣はせき止められたんですね。下ネタがエスカレートしていったら、大変なことになっていたかもしれないですよね。

    時代的にも遊人さんの『ANGEL』が有害コミックとなったじゃないですか、あの時代に吉田戦車さんがいたので、ギャグは下ネタのほうへ進まなかったんですよね。流れが不条理に進んでいったんです。だから、ギャグ漫画は当時、槍玉に挙げられなかったんですよ。

    手塚:吉田さんの影響は大きいんですね。

    田中:あの流れで、『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!! マサルさん』(うすた京介)や『ギャグ漫画日和』(増田こうすけ)とか、多くの不条理ギャグマンガが生まれたので、吉田さんがいなかったらひょっとしたら、ギャグ漫画はヤバい方向に進んで滅びていたかもしれない。下ネタの方へ行くだけ行ってしまって、結果『あずまんが大王』(あずまきよひこ)のようなほのぼの笑える系に主流をさらわれていた可能性はありますよね。

    手塚:当時『スピリッツ』は、いろいろな影響力を持つ作家の宝庫でしたよね。誰もが通勤電車で『スピリッツ』を読んでいました。

    田中:『スピリッツ』を好んで読んでいたのは、最先端のトレンドを追いかけていた人々で、おしゃれでトレンディな漫画がたくさん載っていたから、支持されていた。でもスマートフォンだとかガラケーだとかで情報をチェックするほうがトレンドの最先端だとなった瞬間、今まで読んでいた人が、雑誌を買わずにそっちへ行ってしまったので、『スピリッツ』も方向を変えざるを得なかったのかなと思いますね。個人的には。

    => 手塚治虫リスペクト-

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    m0000000773_sub2[1]映画好きで知られる漫画家・巻来功士。
    巻来功士が最新の映画を観賞し、心臓がピクピクするほど感動及び興奮、または憤慨?した作品”心ぴく映画”を紹介するのが 『功士の心ぴく映画コラム』です。

    第七回目にご紹介する映画は『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』。主演男優賞(ベネディクト・カンバーバッチ)、助演女優賞(キーラ・ナイトレイ)の他、作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞、美術賞、作曲賞のアカデミー賞(R)8部門ノミネート。その他にもトロント国際映画祭で観客賞受賞、第72回ゴールデン・グローブ賞に5部門ノミネートされるなど話題の新作映画です。

    果たして注目の作品を観た巻来巧士の心ぴく度は?

    【STORY】
    第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇った世界最強の暗号<エニグマ>。世界の運命は、解読不可能と言われた暗号に挑んだ、一人の天才数学者アラン・チューリングに託された。英国政府が50年以上隠し続けた、一人の天才の真実の物語。時代に翻弄された男の秘密と数奇な人生とは――?!

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    第7回「心ぴく(心臓がぴくぴくするほど感動した?)映画コラム」今回の映画は『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』。ナチスドイツの暗号機エニグマに挑んだ、英国の天才数学者アラン・チューリングの実話を基にした映画です。

    エニグマの暗号解読に集められた天才たち、その中でも異能の輝きを放つ実在の主人公アランに、べネディクト・カンバーバッチが最高の演技で命を与えています。原題、イミテーション・ゲーム。それが、この物語の全てを現しています。自分の内に宿るもの(?)を偽物だと信じて疑わない天才数学者、主人公アラン。男女の愛が偽物でも、友情がそれに代わりえると断じる、クロスワードパズルの天才ジョン・クラーク女史。全てを偽物(嘘)だと断じる事から国防の最善の道を探し出す、MI6(英情報部)の実力者スチュアート・ミングス。その他の登場人物も嘘(偽物)を重ねながら、厳しい戦時下を生き抜こうと懸命にもがきます。その嘘(イミテーション)が、人間の生きる力を体現してゆく後半は特に素晴らしい盛り上がりを見せます。国家そのもの、英国自体が、戦後50年間もこの事実を国民に隠さなければならなかったという大きな偽り(イミテーション)にも帰結する脚本は、見事としか言いようがありません。

    その中で、一番ちっぽけな偽りを時代というものによって厳しく糾弾されたのが、主人公の(紛れもなく第2次世界大戦で多くの人の命を救った英雄)アラン・チューリングだったとは・・・。深すぎる人間の業、宿命を描き切ったそのストーリーに、何度溜息が出たか分かりません。戦争物の過酷さ、スパイ物の謎解きの面白さ、人間ドラマの繊細さ、その全てを見事に盛り込み、奇跡的傑作に仕上がっていました。時代に翻弄された、真の英雄、アランが後半、刑事に語る「・・・この話を聞けば、(自分が)機械か、人間かが、分かる・・・」その重すぎる言葉に身震いするほど、感動を覚えました。

    この物語が語るように、新しい時代を作ってきたのは、常に時代に愛されようとした異能者であり、しかし結局時代に愛されるのは、リアジュウである凡人だけだと言う事が良く分かります。結局、時代を先取るが故に天才たちは、常に現状に居心地の悪さを感じてしまうのです。それが、天才(異能者)の宿命だという事も饒舌に語られています。つまり、アランは異能者であるがゆえに(1400万という人を救った真の英雄で全ての人に尊敬されるべき人物なのに)、時代は、絶えず凡人には理解できない考え方をするという理由だけで、異能者を隠し除外し葬り、凡人が歴史を作った英雄だと偽り、凡人足る庶民の溜飲を下げてきたのだという事実をストレートに観客にぶつけているのです。同時に、どうしようもない人間の宿命というものの残酷さを観客に突きつけます。それにより、ラストの英雄アランの、哀しみ、切なさが、ダイレクトに私の心に突き刺さり、涙が溢れて仕方ありませんでした。名作です。必ずもう一度映画館で鑑賞しようと思います。

    アメリカ・イギリス映画界の底知れぬ実力を目の当たりにさせられる驚愕の完成度の映画です。果たして、25年前までは映画の先進国だった我が国が、こんな完成度の映画を今、作る事が出来るのか・・・答えは残念ながらNOだと言わざるを得ません。しかし、絶望する必要はありません。真摯にこの名作に学べばよいのですから。黒澤・小津・今村・深作が居ない今、この名作に学んで、今こそ本物の大人の鑑賞に足る名作を生みだす時が来たのだと思います。今こそが、そのタイム・リミットなのです。そうでないと、本当に世界に冠たる日本映画は消えうせてしまうと思います。

    そんな、映画の教科書足りえる、深くて、広くて、切ない、人間そのものを描いた名作映画です。是非ご覧ください。私的、今年暫定ナンバー1の映画です。全ての人に観てほしい、映画という芸術品です。

    功士的心ぴく度、限りなく100点に近い96点です。

    『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
    出演:ベネディクト・カンバーバッチ「SHERLOCK」『スター・トレック イントゥ・ダークネス』、キーラ・ナイトレイ『アンナ・カレーニナ』、マシュー・グード『イノセント・ガーデン』、マーク・ストロング『裏切りのサーカス』
    監督:モルテン・ティルドゥム  脚本:グラハム・ムーア   
    サウンドトラック:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
    配給:ギャガ (C) 2014 BBP IMITATION, LLC
    The Imitation Game/2014年/米英合作/115分/シネスコ/5.1chデジタル/カラー/字幕翻訳:松浦美奈
    オフィシャルサイト:Imitationgame.gaga.ne.jp

    3月13日(金) TOHOシネマズ みゆき座他全国ロードショー

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    【巻来功士]

    1958年長崎県佐世保市生まれ。1981年、「少年キング」誌で『ジローハリケーン』でデビュー。 「週刊少年ジャンプ」に発表の舞台を移し、代表作『ゴッドサイダー』を執筆。その後、青年誌を中心に『ザ・グリーンアイズ』『瑠璃子女王の華麗なる日々』『ゴッドサイダーサーガ神魔三国志』など数々の作品を連載。 クラウドファウンディング「FUNDIY」にて『ゴッドサイダー・ニューワールド(新世界)〜 ベルゼバブの憂鬱 〜』の制作 プロジェクトを成功させて現在鋭意執筆中。


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    巻来功士の漫画(マンガ)コミックはまんが王国で配信中! 

    ※『功士の心ぴく映画コラム』では皆様からの巻来先生に観て欲しい映画のリクエストをお問い合わせフォームとTWITTERから受付中。TWITTERでは #心ぴく をつけてつぶやいて下さい。

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    月刊コミックゼノンにて絶賛連載中の『ハナカク』(著/松井勝法)の最新刊が2月20日(金)に発売。

    『ハナカク』は女子高校生格闘家のタマゴ、安藤花夏(あんどう・はなか)を主人公とした作品。待望の最新刊の帯には『ワンピース』の尾田栄一郎さんが応援イラストとコメントを寄稿。

    注目の“女子格“漫画新刊の発売にあたり、現在活躍中の女子格闘家の選手に『ハナカク』の魅力、”女子格”について聞くインタビューシリーズを慣行。インタビュアーは「赤鮫が行く!」でお馴染み、格闘家でもある近藤哲也が務めます。

    3人目はV.V Mei選手(RIKIGYM/和術慧舟會GODS)

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    近藤:格闘技を始めたきっかけを教えてください。

    V.V Mei選手(以下、V.V):私はアメリカ生まれで、小学4年生までアメリカにいたんですけど、もう少し小さいときからジャッキーチェンが大好きで、その影響で格闘技(空手)をはじめました。

    近藤:好きな練習はなんですか?

    V.V:寝技ですかね。寝技が一番リラックスして練習できると思います。

    近藤:空手の打撃系から寝技をはじめたきっかけは?

    V.V:アメリカの空手道場で出稽古に行った先の先生が柔術もやってて、ちょっと教えてもらったんですよね、そしたらハマっちゃって。しかも、その先生が格好良かったんですよ(笑)こういう人と練習するならいいかな~って、しかも爽やかな香りがしたんですよ。寝技って臭そうなイメージなのに良い香りするんだって。

    近藤:日本にはそんな人はあんまりいないですよね(笑)

    V.V:アメリカだからなんですかね、みんな体臭も口臭も気を使うんですよ、練習中ガム噛んでたりして。

    近藤:良いイメージで出会えたんですね。それが悪い方に出会ってたら(笑)

    V.V:たぶんやってなかったです(笑)

    近藤:総合もその頃からですか?

    V.V:寝技をしてかなり経ってからですね。寝技も立ち技も両方してるから総合やりたいんでしょ?って周りの人に聞かれるようになりだしたんです。

    近藤:やるつもりはなかったということですか?

    V.V:そうなんですよ。全然そんなつもりはなかったんですけど。

    近藤:でも、時代がちょうど総合格闘技ブームになってましたもんね。

    V.V:そういうもんなのかなと思って。流されちゃた感じですかね。簡単な気持ちではじめちゃったんですけど、試合してから総合って難しいんだなって思いましたね。見てるぶんには簡単そうに見えたんですけど、やってみたらすごく奥深くて。

    近藤:Mei選手の試合は派手な印象があるんですけど、意識してることとかあるんですか?

    V.V:ありがとうございます。ジャッキーチェンが好きだったからか、観てて面白いエンターテイメント的に観客を楽しませるような、そういうのをプロとして試合で出せて、真っ向勝負でいっても楽しんでもらえると思うので。

    近藤:コスチュームも凝ってますよね!映画をモチーフにしてたり。

    V.V:トレーナーさんもアメコミ好きだったので、アイアンマンやキックアスのバッドガールとかをモチーフに版権で引っかからないように作ってもらってます。

    近藤:嫌いな練習はなんですか?

    V.V:う~ん、坂道ダッシュですかね。めっちゃ辛いし、たまに人もくるし(笑)たぶん凄い顔して坂道を「うぉぉぉぉぉぉ」って登ってるので。でも、辛いのを考えちゃうと辛いので、「無」、「無」です。行くぞじゃなくて、そんなのも考えずに淡々と何も考えずにやってます。

    近藤:坂道ダッシュはいくらやっても楽になんないですからね、負荷もいくらでも上げれるから(苦笑)

    V.V:どれだけ心拍数をあげられるかみたいなものじゃないですか、1人で淡々と心拍数と向き合ってます(笑)
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    近藤:ハナカクの感想をお願いします。

    V.V:純粋に面白いと思いました。変に飾ってないところがいいですよね。良いところも悪いところもリアルに描かれてますよね。そういうのも読んだ上で格闘技をやりたいと思ってくれたら嬉しいですね。

    近藤:好きなキャラは誰ですか?

    V.V:主人公の花夏ちゃんは体格が小さくて私と近いものがあるので応援したいですね。シュートボクシングのガールズS-cupの大会とか私が一番背が小さかったりするんで。

    近藤:あの大会は本当にキツそうですよね。

    V.V:はい、1日に3試合したりしますので命を削ってると思います(笑)そういえばキャラを見ながら誰がモデルになってるのかなって思って読んでたんですけど、これって藤野さんじゃないですか?この背中は完全に藤野さんだって思ってました。みんな言ってますよ。(順番が前後しますが、この様子は2回目の藤野恵実選手のインタビューをご覧ください。)

    近藤: Mei選手にとって強さって何ですか?

    V.V:「強さ=優しさ」みたいな感じでしょうか。私の周りにいる格闘技や武道をやっている方々は強い人ほど優しいです。子供の頃からそういった空手の先輩方の背中を見て育ったので、自分もそうなりたいですね。

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    そんなV.V Mei選手に会える道場はこちらです。

    ・RIKIGYM/和術慧舟會GODS http://www.wkgods.com/index.html

    ・Mei Yamaguchi Twitter @v_vmei

    漫画配信サービス『まんが王国』(http://k-manga.jp)にて「ハナカク」電子版も近日配信予定。

    [執筆・撮影 近藤哲也]

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    女子高生を主人公に、格闘技を通じて成長していく姿を描く漫画『ハナカク』。月刊コミックゼノンにて連載中の本作の最新巻第3巻が2月20日に発売、その記念として『ハナカク』作者の松井勝法先生と、吉本興業の芸人で人気上昇中の『御茶ノ水男子』のおもしろ佐藤さんの特別対談を実施。

    おもしろ佐藤さんは、『BLEACH』や『NARUTO』などのアニメを手掛けた経験がある元アニメーターであり、その後お笑い芸人になったという異色の経歴の持ち主です。漫画家「松井勝法」先生と、芸人「おもしろ佐藤」さんとの異業種の組み合わせ。『赤鮫が行く!!』特別対談のスタートです。


    おもしろ佐藤さん(以下、佐藤):はじめまして、吉本興業『御茶の水男子』の「おもしろ佐藤」です。

    松井勝法先生(以下、松井):はじめまして、漫画家の「松井勝法」です。

    佐藤:『ハナカク』は前から知ってまして、大好きな漫画だったんで、今回の対談めちゃくちゃ楽しみにしてたんです。

    松井:ありがとうございます、嬉しいですね。最新巻がちょうどできあがってきたんでどうぞ。(『ハナカク』3巻の発売日が2月20日、この対談は18日)

    佐藤:うわ~、発売前なのに!!ありがとうございます。

    松井:そんなに喜んでもらえるなんて(笑)こちらこそありがとうございます。

    佐藤:花夏とニナの関係性が2巻を読んでどうなってしまうんだろうってずっと気になってて。その関係性なんですけど、後輩に「竹花リベンジ」ってピン芸人がいるんです。『リベンジ(復讐)』って言葉が芸名に付いてるのかって話になるんですけど、彼はもともとイジメられっ子で強くならなきゃって言うことで柔道をはじめて頑張って練習して3年のときに県大会で決勝まで勝ち進んだんですよ。

    松井:はい

    佐藤:そしたら決勝の対戦相手がまさかの同じ柔道部の3年間練習でなにをやってもかなわない強いやつで、体が委縮しちゃって秒殺で負けちゃったんですよ。それで違う意味でリベンジするために芸人になるっていう。ちょっと違うかもですが花夏とニナもそういう戦いじゃないですか、だからもう早く3巻が読みたくて。(本をペラペラ見ながら)ニナはニナで何かあるんでしょうね!

    松井:ニナは”正論”を言ってるだけなんですよ。でも”正論”ってわかってることを言われるから嫌われるんです。

    佐藤:松井先生が”正論”って言うのに刺さりました。自分も「お前、本当に”正論”言うよな」って、よく言われるんですよ。じゃあ僕も嫌われていたのかな(笑)でも、とりあえずは…、う~ん3巻が気になりすぎて…。

    松井:良かったら今どうぞ(笑)読まれてからの方が3巻の話にも触れれますし。

    佐藤:いいんですか!!作品を作者先生の目の前で読むってのは緊張しますね。

    近藤:先生自身は目の前で読まれるのはどんな感じですか?

    松井:僕は嬉しいです。読んでくれてるのがもう嬉しいんですよ。

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    ~読み終わって~

    佐藤:はぁ~~~~、いや~~~、ヤバいですね!4巻が気になりすぎます。ネームでいいので毎回送ってもらえませんか(笑)僕ね、勝手に宣伝部長になりますよ。

    松井:ありがとうございます。頼もしいです。

    佐藤:3巻読んでみて、やっぱりニナいいですね。マイノリティ(社会的少数者)って煙たがれるし集団生活の上で損するものじゃないですか。芸人ってマイノリティが良かったり、マイノリティをありのままにって言ってるけど、表では仮面を持ってて、本当の自分を出したくても出せないところがあるんですよね。でも、ニナはマイノリティでも自分の価値観を突き通すみたいな。

    松井:周りの人間のことを何とも思ってなくて冷たい性格な感じですね。

    佐藤:言いかたが悪いですけど、松井先生はニナと似てるんじゃないかなと、松井先生は敵キャラに自分を投影してるんじゃないんですか?

    松井:ニナだけじゃなくて、ぜんぶ僕の中にあるものです。ニナは嫌なヤツとしてキャラを作ってるので、読んだ人にはとうぜん嫌な奴と思うはずなんですが、僕の中にもあるものだから「嫌なヤツ」って言われるとちょっと複雑な感じになります(笑)でも、芸人さんもそうじゃないですか?どっか引いてる自分がいないとうまく立ち回れないし、天然じゃできないと思うんですよ。この人のどこが面白いんだろうって客観的に見れる人が笑わせれると思うんです。そういう部分を僕は漫画の中で『ニナ』だからと割り切って描けるんです。

    佐藤:僕ら芸人のネタもそうですけど良い意味で頭おかしい人の集まりで、ネタを作るのもそうなんです。楽しんでもらえるネタを考えて作るんですけど、その中にどんだけ自分が気持ち良くなれる要素も組み込めるかというのもあるんです。

    松井:ひとつやり方として、自分の一番言いたいことは本筋に置かないってのがありますよね。歌を聴いてても思うんですけど、1番から言いたいことを言っちゃうのは上手くないなと。本当に言いたいことは2番から。

    佐藤:そうそう、そうなんですよ!高橋優さんの『誰もいない台所』と言うのが秀逸でして、夢を追いかけてた男とずっと連れ添ってた女と別れてしまう話なんですけども、1番はもう言い訳の繰り返しなんですよ。2番ではじめて実はこういうことをずっと思ってたんだっていう本音を語るんです。夢を追いかけてた男全員に刺さって2番でみんな泣くんです。

    松井:日常生活のどこにでもある景色から入っていくみたいなのがいいんですよね。

    佐藤:あと思うんですけど、僕はガキの頃にやってた◯◯ゴッコの延長でネタ作ってるので、本人たちが楽しまないとはじまらないなと。やっぱり真剣にやるから面白いじゃないですか。僕ら30超えたおっさんがですよ、ウンコを踏んだネタを死ぬ気でやってるからこそ楽しさが伝わると思うんです。

    松井:どっか照れがあったらやらない方がいいですもんね。

    佐藤:昔からやってるプロデューサーさんが「いま芸人をどうやって売れさせるかがわからない」って言うんです。時代が変わりすぎて、みんながチャンネル持つ時代で『ニコニコ動画』『YouTube』『Ustream』とか、素人が売れる時代になってしまって、それに対してプロの芸人がどう対応できるかが勝負なんですけど。

    松井:昔って録画もできないし、「あの人がおもしろいよ」とか「あの歌手がいいよ」って聞いたら、その人が出る時間にテレビの前で待機しなきゃだったのに、今は「あれ面白いよ」って聞いたらネットですぐに見れちゃうんですよね。だから飽きられるのが早い。それってめちゃくちゃキツくないですか?

    佐藤:この人、本当に面白いなって思ってもらわないと残れないと思います。

    松井:ですね。やっぱりキャラクターが愛されるかどうかですよね。漫画も今は無料で読める時代で、でもその上で単行本を買ってくれるのってやっぱり「キャラクター」を好きになってもらう時だなと。改めてキャラクターが大事だなと思いました。

    佐藤:僕は「『スラムダンク』読んでないやつは人生損してる」と思ってるんですけど、これを言わせられてる時点で「井上雄彦」先生の勝ちですもんね。

    松井:それを言うなら、僕、もっと損してますよ(笑)スラムダンク終わったあとにも読みきり描いてたじゃないですか、その時に井上先生の所にヘルプでアシスタントに行かないかって打診があったんですけど、結局行かなくて…。

    佐藤:えっ、そんなチャンスをなぜ!。

    松井:確か当時仲間内でやってたバンドの練習がその日だからみたいな理由で(苦笑)なんちゅう理由で断っとんねんって(笑)一回でもその場の雰囲気を味わうだけでも全然違ったのに…後悔してます。

    佐藤:先生、良いエピソードを持ってるじゃないですか(笑)キャラクターで言うなら僕は『ハナカク』の中では「鉾田」さん推しです。主役も大事だと思うんですけど、脇役も大事だと思うんです。3巻の最後で鉾田さんが泣きながら良いセリフ言うじゃないですか、あれグッときました!

    松井:キャラに涙流させるのって難しいんです。絵なので涙描けばそれでいいんですけど、やっぱり本当にここで泣く!っていう時じゃないと描けないですね。

    佐藤:またスラムダンクの話になっちゃうんですけど、春子さんが小暮くんの3ポイントシュート決めた時に泣くのが本当さだと思うんですよね、いままで全部見てきてるから。

    松井:読者とリンクするんですよね。

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    佐藤:ぜんぜん話変わるんですけど、また格闘技ブームが来ると思うんです。

    松井:来ますか?

    佐藤:アイドルブームが終わって、今プロレスが来てるんですけど、(アイドル)→(プロレス)→(格闘技)→(お笑い)ってずーっとループしてるんですよ。

    松井:確かにそうかもですね。ジャンプも『ドラゴンボール』とか『スラムダンク』みたいな王道が来た後、少し影のある『るろうに剣心』が始まって、また『ワンピース』とか王道が来て、そのあとまた影のある漫画とかってループしてますからね。

    佐藤:だから『ハナカク』くると思うんですよ。小説を読むことができなくて漫画をずっと読んできた僕が言うので間違いないです。

    松井:じゃあ、アニメ化したら声をお願いします(笑)

    佐藤:マジでやりたいです。お願いします!!これからも宣伝部長として頑張ります!今日は楽しかったです、ありがとうございました。

    松井:ありがとうございます。今日は楽しかったです。お互い頑張っていきましょう!これからもよろしくお願いします。

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    元アニメーターのおもしろ佐藤さんに「ハナカク」のイラストを描いていただく事に。

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    おもしろ佐藤さん執筆の主人公・安藤花夏。

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    [月刊コミックゼノン] 
    http://www.comic-zenon.jp

    漫画配信サービス『まんが王国』(http://k-manga.jp)にて「ハナカク」電子版も近日配信予定。

    ・松井勝法Twitter @MATSUKAKU
    ・御茶ノ水男子 おもしろ佐藤 @fugashiou

    [執筆・撮影/近藤哲也]

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    3月3日、秋葉原の工作スタジオ『DMM.make AKIBA』にて、東京アニメアワードフェスティバル2015、アニメドールトロフィー制作発表が行われた。

    DMM.make AKIBA では、レーザーカッター、3Dプリンターなど、パソコンと連動する高度な工作機械や設備を一般に貸し出し、フィギュア、アクセサリー、スポーツ用品、スマートフォンケースなど、アイディア次第であらゆるモノが製作できるスタジオとして開放している。
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    3Dプリンターで作成された品々。

    3Dプリンターで作成された品々。

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    3Dプリンターで作成された、大河原邦男氏デザインのトロフィー。

    アニメドールとは、アニメアワードフェスティバルにて、アニメを変え、時代を変え、世界を変え、未来を変える力を持ったクリエイターや作品に授与される特別賞であり、スタジオジブリの高畑勲監督、アンパンマンに授与されてきた。

    会場には、トロフィーをデザインしたメカニックデザイナーの大河原邦男氏、DMM.makeプロデューサーの小笠原治氏、株式会社Cerevo代表の岩佐琢磨氏、トロフィー3Dデザインを担当した吉田晃永氏らが集まり、トロフィー制作秘話、アニメがモノ作りへもたらす影響力を、熱く語ってくれた。


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    大河原:「トロフィーは、金属、メッキ、白木など、異なる素材を組み合わせる難しい課題がありましたが、とてもチャレンジしがいがありました。日本橋にある麒麟の像の羽と、スチームパンクを連想するデザインが浮かび、『これしかない!』と決めてデザインしました。このデザインはアニメではありえないデザインですが、現物を見て大変満足しています。

    3Dプリンター等の最新技術によってアニメのロボットが現実になっていくのを見て、とても責任を感じますね(会場、爆笑)。
    とある大学のエンジニアが、「これは『ボトムズ』のAT(注:大河原氏がメカデザインを担当したアニメ作品『装甲騎兵ボトムズ』に登場するロボット)です!」と、自作のロボットを見せてくれたときは感激しました。今、多くの核家族や独居老人がペットを飼っていますが、そういった可愛いロボットがどんどん流行っていくのではないでしょうか。
    自分のデザインしたメカでは、ヤッターマンのような暖かみのあるデザインが好きで、そういったロボットが見てみたいですね。」

    吉田:「大河原先生のデザインを見て、実際に動かすことを想定して作りました。また、すべてのパーツに曲面をつけ、暖かみを感じさせるデザインになっています。3Dデータは、DMM.make AKIBAで作りました。

    このスタジオの設備なら、金型を使った造形ではなく、3Dプリンターを使った圧倒的な製作スピードが実現しました。あとは、やはりアイディアですね。」

    小笠原:「どんな人でもアイディア次第でモノ作りができる環境を整えたいと思っていました。音楽業界では、エイベックスなどがインディーズアーティストの作品を世に出すサポートを行っていますが、造形の業界では我々がインディーズクリエイターのサポートを行えたらと思っています。

    IOT(『Internet Of Things』。モノに通信機能を搭載すること)や、ハーフボーグ(人体に装着するサイボーグ装置)などを連想します。人間やモノが、それごとネットに繋がる可能性を拡げていきたいと思います。」

    岩佐:「日本のデザインは海外ではまだまだ評価が高いです。私の会社では”スピード”を最大の武器としていて、製作するスピードを最大限にアップさせ、どんどん新しい試みや挑戦を行って、デザイン性を向上させています。

    私は、”役に立たないロボット”が好きで、ロボットの究極である人間と同等の機能にはまだまだ追いつかないから、どこか欠けている部分があるロボットがあると、人間が『しょうがないな』と手助けして、人間とロボットの間が埋まっていくと思います。そういう点で、愛着の湧く外観デザインがとても重要だと思います。」

    【60歳を過ぎてから、モノ作りを楽しむ】

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    また、大河原氏はモノ作りに対する独自の熱い想いも語ってくれた。

    「私自身、実は絵を描くより、モノを作る方が好きなんです。
    アニメは、マーチャンダイジング(消費者に応える商品作り)のもと、大勢のスタッフの意見をまとめて作るので、私個人の意見を押し通すわけにはいかず、あまり自由がききません。作中ロボットのデザインをオモチャ会社へ提出するとき、『本当にこれは動くのか?』、『本当に変形や合体できるのか?』といった心配が起こります。メカデザインって、アーティストというより職人寄りで、何度も手直ししてOKをもらわなくてはいけない。過去に、担当さんがOKをくれたのですが社長の一言で変更になったこともあります(登壇者一同、「あるある」と頷き、会場爆笑)。
    そこで実際にロボットの模型を作って、社長の前で動かせて採用していただいたこともあります。それにはお金はもらわず、自宅で自主的に作りました。
    タツノコプロ入社後、美術の仕事に始まってガッチャマンのメカデザインを担当してから43年間、メカデザインという仕事を確立するため、多くの仕事をやってきました。
    60歳を過ぎてからは、仕事以外でやりたかったモノ作りを楽しんできましたね。
    自宅の作業場では、iPhone6の音を良くする木製スピーカーを作ったりしています。電子部品は使わずに、外装の構造だけで音を良くする仕様で。
    モノを作っているときってとても楽しくて、工具を使っていると、とても自由を感じます。ロボットに限らず、何でも作りたいです。
    DMM.make AKIBAさんでは、クリエイターが自由にモノ作りできる場所になってほしいですね。」


    アニメーション業界において、メカデザインという職種を確立するため活躍した大河原氏は、モノ作りの喜びを知る生粋のクリエイターであった。

    【 東京アニメアワードフェスティバル2015開催概要 】
    ■会期:2015年3月19日(木)~ 3月23日(月)
    ■会場:TOHOシネマズ 日本橋
    ■主催:東京アニメアワードフェスティバル実行委員会/一般社団法人 日本動画協会
    ■共催:東京都
    ■後援:外務省、観光庁、経済産業省、文化庁、中央区、国際交流基金、日本政府観光局(JNTO)、日本貿易振興機構(ジェトロ)、イスラエル大使館、フランス大使館、カナダ大使館

    「東京アニメアワードフェスティバル」公式WEBサイト  http://animefestival.jp

    「DMM.make 」 http://make.dmm.com

    [執筆・穂坂 拓麻/撮影・木瀬谷カチエ]

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    世界初のアニメちっくアイドル・桃知みなみが、クラウドファンディングサービスで、ライトノベルの出版チャレンジに成功。最終的には1,852,300 円を集めた。タイトルは「阿佐ヶ谷通りでつかまえて」。桃知が住んでいる阿佐ヶ谷アニメストリートが舞台になっている。

     桃知みなみは日本のオタク文化の象徴であり、2次元と3次元を行き来できるアニメチックアイドルという2.5次元の存在。原作者の春日康徳さんへは「桃知みなみが主人公の攻殻機動隊のような忍者物」というテーマでストーリーが依頼された。

     桃知の目標は自身がアニメ化されること。アニメ化するために、まずは原作が必要ということで、桃知が拠点とする『あにめ座バロックカフェ』の店長・春日さんが執筆しますと手を挙げた。ライトノベルは無事に完成され、支援者への発送が進んでいる。発送が済み次第、自身のホームページでも予約販売される。

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     ライトノベルはできた。次なる目標は1万部の販売。売れれば2巻目の制作が現実味を帯びてくる。すでに3巻までのストーリー構想があり、次の展開として、ドラマCD化、コミック化などを考えているという。

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    春日康徳さんが店長を務める「あにめ座バロックカフェ」

    春日康徳さんが店長を務める「あにめ座バロックカフェ」

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    ファンの方制作のももちフィギュア

    ファン制作のオリジナル桃知フィギュア

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    阿佐ヶ谷アニメストリート「あげ焼きパン 象の耳 」ではももちコラボパンも発売中

    阿佐ヶ谷アニメストリート「あげ焼きパン 象の耳 」では桃知コラボパンも発売中

    ◆プロフィール

    桃知みなみ
    普通のアイドルと違い、色恋の対象にならないアニメチックアイドル。いつ会っても変わらない、ゆるキャラのような癒しを持ち合わせている。番組「アニソンプラス」のアシスタントとしてデビュー。デビュー当初は恥ずかして喋れずに筆談をしていた。年齢は200歳、6回目の18歳を迎えているという、ややこしい設定。 http://momochi373.com

    春日康徳
    プロダクションIGにて神山健治監督に師事。押井守・神山健治監督の制作スタジオで文芸スタッフとしてノベライズ作品を手がけ、現在はフリー。主な作品に 『東のエデン』『009 RE:CYBORG』『タチコマな日々(特別版)』(以上、脚本参加)、『ブラックジャックによろしく DYSTOPIA311』『タワー・オブ・アイオン』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX SECTION-9』(以上、小説)『あにめ座バロックカフェ』の店長。

    [執筆・眞形 隆之/撮影・木瀬谷カチエ]

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    国内外からマンガ、アニメーション、ゲーム、アート作品が集まる第18回メディア芸術祭が2015年2月4日から2月15日まで国立新美術館で開催され、多くの来場者で賑わいをみせ終了した。あまりの人気ぶりに開催中に入場規制がかかるほどだった。

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    アート部門審査委員会推薦作品「I was looking for Park Hyatt Tokyo 」 JorgenAXELVALL © Jorgen Axelvall

    応募作品は国内外から集まり、アートあり、アニメーションあり、マンガあり、ゲームありと多種多様。アニメーション先進国の日本で評価されたいといった野望を感じる海外アニメーション作品と、それを迎え撃つメイドインジャパンの図式といった妄想が勝手に膨らみ、さながら芸術の異種格闘技といった感じであった。

    いくつか気になった作品をピックアップして紹介してみよう。


    大賞に選ばれたのはgoogleが仕掛ける「ingress」だった。GPSと連動し、街中をリアルに移動しながら遊ぶゲームで世界中で多くのユーザーを熱狂させている。プロジェクターで壁に映し出された映像美と、大きなイメージオブジェが展示されていた。床には多くの人の落書きがあり、何か意味深な謎めいた暗号も見られた。

    大賞  「Ingress」

    エンターテインメント部門大賞「Ingress」 Google’s Niantic Labs (創業者:John HANKE) ©Google / Niantic Labs

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    「Ingress」 展示の様子

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    「Ingress」展示の様子

    体験したい人で行列になっていた先には、優秀賞に選ばれた「3RD」があった。三角の被り物にスマホのモニターが取り付けられている。被り物内のモニターには天井から自分自身を映し出した映像が流れており、第三者の目線を見ながら歩き回るという体験アトラクションとなっている。

    優秀賞 「3RD」

    エンターテインメント部門優秀賞「3RD」 Hedwig HEINSMAN / Niki SMIT / Simon van der LINDEN ©Monobanda PLAY / DUS architects

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    「3RD」 展示の様子

    「のらもじ発見プロジェクト」にも多くの人が集まっていた。実在するお店の看板などに描かれた文字を「のらもじ」と定義し、実際に使われている文字を参考に五十音の文字を新たに制作し、フォントとして販売をしている。キーボードを打つことで映し出された店の看板が打ち込んだ文字に変換されるというアート作品になっていた。

    優秀賞 のらもじ発見プロジェクト

    エンターテインメント部門優秀賞「のらもじ発見プロジェクト」 下浜 臨太郎/西村 斉輝/若岡 伸也 © 2014 Noramoji Project

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    「のらもじ発見プロジェクト」 展示の様子

    「センシング・ストリームズー不可視、不可聴」は坂本龍一、真鍋大度の作品。普段、目にすることができない電磁波を映像化。場所や周波数を専用コントローラーで変更することができ、電磁波が8種類のビジュアルパターンで表現されていた。

    優秀賞 「センシング・ストリームズ―不可視、不可聴」

    アート部門優秀賞「センシング・ストリームズ―不可視、不可聴」 坂本 龍一/真鍋 大度 © SAKAMOTO Ryuichi / MANABE Daito

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    「センシング・ストリームズ―不可視、不可聴」 展示の様子

    アニメーション部門の大賞はロシアの作家の作品「The Wound」が選ばれた。「クレヨンしんちゃん」、「ジョバンニの島」といった日本のアニメーションのほか、アルゼンチンやフランスの作品も優秀賞に選ばれ、グローバルな作品の顔ぶれになっていた。

    大賞「The Wound」

    アニメーション部門大賞「The Wound」 Anna BUDANOVA ©Ural-Cinema

    優秀賞 「ジョバンニの島」

    アニメーション部門優秀賞「ジョバンニの島」 西久保 瑞穂 ©2014 JAME

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    「ジョバンニの島」 展示の様子

    優秀賞 「映画クレヨンしんちゃん「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」}」

    アニメーション部門優秀賞「映画クレヨンしんちゃん「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」」 高橋 渉 ©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2014

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    「映画クレヨンしんちゃん「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」」 展示の様子

    新人賞 「たまこラブストーリー」

    アニメーション部門新人賞「たまこラブストーリー」 山田 尚子 ©Kyoto Animation/Usagiyama Shopping Street

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    「たまこラブストーリー」 展示の様子

    マンガ部門の大賞は近藤 ようこ(原作:津原 泰水)の「五色の舟」が選ばれ、原画が大きく飾られていた。太平洋戦争末期を時代背景に、見世物小屋の一座として糊口をしのぐ異形の者たちの姿を描いた作品は多くの人に衝撃を与えていた。

    大賞「五色の舟」

    マンガ部門大賞「五色の舟」 近藤 ようこ/原作:津原 泰水 ©Youko Kondo/Yasumi Tsuhara 2014

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    「五色の舟」 展示の様子

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    「五色の舟」 展示の様子

    優秀賞「アオイホノオ」

    マンガ部門優秀賞「アオイホノオ」 島本 和彦 ©Kazuhiko Shimamoto/SHOGAKUKAN

    「アオイホノオ」 展示の様子

    「アオイホノオ」 展示の様子

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    「アオイホノオ」 展示の様子

    新人賞「愛を喰らえ!!」

    マンガ部門新人賞「愛を喰らえ!!」 ルネッサンス吉田 ©Renaissance Yoshida 2013

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    「愛を喰らえ!!」 展示の様子

    新人賞「どぶがわ」

    マンガ部門新人賞「どぶがわ」 池辺 葵 © AOI IKEBE

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    「どぶがわ」 展示の様子

    新人賞「ちーちゃんはちょっと足りない」

    マンガ部門新人賞「ちーちゃんはちょっと足りない」 阿部 共実 ©T.ABE2014

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    「ちーちゃんはちょっと足りない」 展示の様子

    優秀賞「春風のスネグラチカ」

    マンガ部門優秀賞「春風のスネグラチカ」 沙村 広明 ©Hiroaki Samura 2014

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    「春風のスネグラチカ」 展示の様子

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    「春風のスネグラチカ」 展示の様子

    優秀賞「羊の木」

    マンガ部門優秀賞「羊の木」 いがらし みきお/原作:山上 たつひこ ©IGARASHI Mikio, YAMAGAMI Tatsuhiko/KODANSHA

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    マンガ部門優秀賞「チャイニーズ・ライフ」
    李 昆武/フィリップ・オティエ/訳:野嶋 剛 Une vie chinoise – T1-2 2009, T3 2011
    © Kana(DARGAUD-LOMBARD s.a.), by P.Ôtié, LiKunwu www.mangakana.com All rightsreserved Published in Japan by arrangement with Mediatoon Licensing, through le Bureau des Copyrights Français.

    優秀賞には、マンガ家デビューを志す熱血マンガの島本 和彦の「アオイホノオ」ほか、「チャイニーズ・ライフ」「羊の木」「春風のスネグラチカ」が選ばれた。

    会場で販売していた受賞作品集は、期間限定で3月10日(火)まで公式ウェブサイトでご購入可能。
    詳細は、文化庁メディア芸術祭公式ホームページから。http://j-mediaarts.jp

    [執筆・眞形 隆之/撮影 ・木瀬谷カチエ]

  • 劇場ポスター
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    メイキング_AS-00028r
    映画好きで知られる漫画家・巻来功士。
    巻来功士が最新の映画を観賞し、心臓がピクピクするほど感動及び興奮、または憤慨?した作品”心ぴく映画”を紹介するのが 『功士の心ぴく映画コラム』です。

    第六回目にご紹介する映画は『アメリカン・スナイパー』。本年度アカデミー賞6部門ノミネート(作品賞・主演男優賞含む)、あの『アバター』を超えて2015年最高のオープニング成績を記録、全米興行ランキング3週連続NO.1を獲得、クリント・イーストウッド監督作品史上最大ヒットにして最高傑作。伝説のスナイパーの半生を描く衝撃の実話の映画化作品です。

    日本公開2日間(2/21&2/22)では、3億3200万円を突破し週末興行ランキング1位獲得。注目の作品を観た巻来巧士の心ぴく度は?

    【STORY】
    舞台は9.11以降のイラク戦争。米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊を果たしたクリスが命じられた任務は「どんなに過酷な状況でも仲間を必ず守ること」。その狙撃の精度で多くの仲間を救ったクリスは “レジェンド”の異名を轟かせるほどになる。しかし、彼の腕前は敵の知るところとなり、“悪魔”と恐れられ、その首には18万ドルの賞金を掛けられ、反乱兵たちの標的となってしまう。一方、クリスの無事を願い続ける家族。平穏な家族との生活と想像を絶する極限状況の戦地…過酷なイラク遠征は4回。愛する家族を国に残し、終わりのない戦争は幾度となく、彼を戦場に向かわせ、度重なる戦地への遠征は、クリスの心を序々に蝕んでいくのだった…。息つく暇もない極限の緊迫感で誰もの心を打ち抜く、伝説的スナイパーの半生を描いた衝撃の実話。世界を震わせる真実のドラマが幕を開ける――。

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    第6回「功士の心ぴく(心臓がぴくぴくするほど感動した?)映画コラム」は巨匠クリント・イーストウッド監督作『アメリカン・スナイパー』です!イラク戦争で160人の敵を撃ち殺したネイビー・シールズのスナイパー、クリス・カイルの自伝を基に作られた映画です。

    いきなりイラク人の母子をライフルで狙う場面から始まります。素晴らしく緊張感に満ちた演出で、瞬時に心をわし掴みにされました。そこから、なぜクリスがこの場にいる事になったのか?経緯が語られてゆきます。その後、再びイラクの場面に戻ってからの、怒濤の戦闘シーンの連続。作戦の合間に本土に帰還し、また戦場に舞い戻り、人間を狙撃し続けるカイル。この繰り返しの演出は、戦場を日常として捉えなければ生きてゆけない兵士の精神状態に、観客を共感させてゆきます。そして徐々に観客も、カイルが戦場にいる場面より、アメリカ本土に帰って、家族と共に休息している風景に不安を感じるようになってゆくのです。

    こんな演出なので、フラットな状態で本作品を鑑賞できれば大丈夫ですが、ある種の思い込みで見る観客(通常のミリタリーアクションでカタルシスを得たいと思った観客の方など・・)は、居心地が悪くなってゆくのは当然の事。つまり、イーストウッド監督は、PTSD(神経外傷後ストレス障害)の症例を丁寧に描く事によって、戦争の現実全体を描こうとしているのですから。

    戦争の本質、マッチョイズムと正義という御題目が平然と語られ始めた時に戦争(人殺し)が正当化(国家としても個人としても)されるのだという事を・・。その結果、精神が崩壊した兵士が帰還し、アメリカ本土そのものが不安定になるという事実をも突きつけます。しかし、そんな状態のアメリカだからこそ、現在、本作のような深く人間を見つめる素晴らしい映画が量産され始めているという皮肉な現実があります。まるで、ベトナム戦争の傷から、人の生き様を深く見つめるアメリカン・ニューシネマが生まれたように。そういう意味でも、この映画は、まさにアメリカン・ニューシネマの落とし子、いや、そのものだと言って過言ではありません。

    アメリカン・ニューシネマは、60~70年代、明らかにベトナム戦争の影響下で発生してきた、新しい映画の波でした。そこに、描かれたテーマは、戦い(戦争)に正義も悪もない、どんな状況であるにせよ他人の命を奪ったものは、それなりの代償を払う事になる。簡単にいえば全てそういう内容でした。どの作品も皆スッキリしません。それは当然です。アメリカン・ニューシネマは、カタルシスを描くよりも社会(問題)を描く事に力点を置いた作品群なのですから。その波を、幼いころから受け続けた私は、その目線の映画が大好物になりました。アクション映画は、ヒーロー物より社会派物(「ローリングサンダー」「ドッグソルジャー」etc.)やノワール物(「グッドフェローズ」「スカーフェイス」etc.)。そういう意味でも、この「アメリカン・スナイパー」は涎が出るほど好きな作品です。

    主人公カイルは、敵を殺すたびに少しずつ精神が崩壊していきます。それをなんとか止める為に罪悪感を消そうと、敵を「野蛮人」と決めつけます。決めつけないと彼らを殺している自分を正当化できないからです。それは、どの時代の戦争でも起こっていた真実です。敵を人と見ない事により、人を殺すことに専念することが出来る。それが、戦争の実態だとこの映画は語ります。そんなカイルの目線で描かれている為に、敵兵にはキャラクターがほとんど与えられていません。

    戦争PTSDのほとんどの患者は、戦場では正気に戻り、平和な故郷で錯乱する傾向にあります。戦場では味方、敵、そのどちらかにハッキリと色分けされた関係が、単純な世界なのですが、平和な故郷では、味方、敵と色分けできるのは少数で、ほとんどが赤の他人です。その全てが、油断していると後ろから刺してくるかもしれない敵に思えてくるのです。

    後半の戦場のシーン、西部劇「リオ・ブラボー」を想像させる要塞攻防戦の描写に我々は心躍ります。事実カイルの心は躍っているのです。大戦闘シーンの中、敵スナイパーとの一騎打ちは、まさにアクション映画の真骨頂です。その後、故郷に帰った後の主人公の色あせ具合の徹底した描写。監督が狙った落差演出は見事に成功しています!観客のため息、その虚無感こそ監督が観客に体験させたかった戦争そのものなのですから。もしも続編が作られることになればアメリカン・ニューシネマの名作(「ソルジャーボーイ」「ローリングサンダー」「タクシードライバー」etc.)のようなストーリーになるのは明らかです(決して、セガール映画のようにはなりません)。全てPISDを描いた映画です。

    主人公カイルが、いずれそれらの映画の主人公達と同じ運命を辿る事になるであろうと思えてしまう事が、この映画が、社会派戦争映画の傑作であるという事を示しています。撮影中に、ある悲劇が起こってしまい、脚本の修正が成されたという事もあり、ラストのシーンが長過ぎたという指摘は納得する所もあるのですが、それでも直、今見るべき映画だという事には変わりありません。なにせ、その悲劇そのものが戦争PTSDによるものですから・・。事実として、戦場を経験した兵士の4人に一人は、重度なPTSDを発症しているといわれています。軽度な患者はどれだけいるのか想像もつきません。それが戦争の現実なのです。この映画を見て、物足りなさを感じた人、つまらないと感じた人は、もう一度、どこに、なぜそう感じたか、再考してみてください。そこが戦争の恐ろしさ、虚しさ、そして楽しさ(愚かしさ)を描いている場面なのですから。

    ラストのエンドロールはその事を、観客に提示している素晴らしい演出です。皆さん是非ご覧ください。いまでこそ日本人全てが見るべき映画だと思います。超お薦めの、反戦映画の傑作です。

    『アメリカン・スナイパー』の心ぴく度、85点です!

    『アメリカン・スナイパー』
    出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラージェイク・マクドーマン、ルーク・グライムス、ナヴィド・ネガーバン、キーア・オドネル
    監督:クリント・イーストウッド  脚本:ジェイソン・ホール
    プロデューサー:クリント・イーストウッド、ロバート・ロレンツ、アンドリュー・ラザー、ブラッドリー・クーパー、ピーター・モーガン
    原作:「ネイビー・シールズ 最強の狙撃手」クリス・カイル、スコット・マクイーウェン、ジム・デフェリス著(原書房刊)
    2014年 アメリカ映画/2015年 日本公開作品/原題:AMERICAN SNIPER/映倫区分:R15+/配給:ワーナー・ブラザース映画
    © 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

    『アメリカン・スナイパー』大ヒット上映中!
    オフィシャルサイト: http://www.americansniper.jp

    ゾルゲ市蔵-プロフィール画像

    【巻来功士]

    1958年長崎県佐世保市生まれ。1981年、「少年キング」誌で『ジローハリケーン』でデビュー。 「週刊少年ジャンプ」に発表の舞台を移し、代表作『ゴッドサイダー』を執筆。その後、青年誌を中心に『ザ・グリーンアイズ』『瑠璃子女王の華麗なる日々』『ゴッドサイダーサーガ神魔三国志』など数々の作品を連載。 クラウドファウンディング「FUNDIY」にて『ゴッドサイダー・ニューワールド(新世界)〜 ベルゼバブの憂鬱 〜』の制作 プロジェクトを成功させて現在鋭意執筆中。


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    巻来功士の漫画(マンガ)コミックはまんが王国で配信中! 

    ※『功士の心ぴく映画コラム』では皆様からの巻来先生に観て欲しい映画のリクエストをお問い合わせフォームとTWITTERから受付中。TWITTERでは #心ぴく をつけてつぶやいて下さい。

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    2015年 4月25日(土)の森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ)での「連載完結記念 岸本斉史 NARUTO-ナルト-展」開幕に先駆け、2015 年 3 月 2 日(月)から4日(水)まで、 3 日間限定で展示作品の一部を特別に六本木ヒルズ ウェストウォークにて先行公開展示。

    話題の展示の様子をいち早くMangaStyle編集部がお届けします。

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    今回一般公開されたのは、連載開始前に描かれたネームやアイデアノートなど、岸本斉史さん直筆の制作資料数点です。

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    会場で集英社展示担当者の方に展示についてお話を伺ってみました。

    「展示される150点以上の原画は、岸本先生監修のもと、ナルト第1話から最終話までストーリーの流れに沿って選び、ナルトを最後まで読んでない方でも楽しめるようにしました。

    原画のほかに、ナルトの故郷である火影の里を立体造形にしたり、キャラクターフィギュア、オリジナルムービー、津軽三味線奏者の吉田兄弟が本展示のために作曲したオリジナル曲を楽しみながら、ナルトの世界観に浸れます。

    また、岸本先生がストーリー構想を練る時に利用していた、故郷である岡山県の奈義町の図書館の本や机の一画も再現します。岸本先生の熱い想いが伝わる展示内容です!」

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    火影岩[1]
    戦闘(たたかい)のキオク[1]
    終末の谷[1]

    「連載完結記念 岸本斉史 NARUTO-ナルト-展」は、『NARUTO-ナルト-』の数々の名場面が描かれた原画や、会場でしか見られないオリジナルのシアター映像、立体造形など様々な仕掛けが満載、

    現在、 全 国 の ロ ー ソ ン ・ ミ ニ ス ト ッ プ に 設 置 の 「 Loppi 」 と 、 WEB サ イ ト 「 ロ ー チ ケ .com 」にて、東京会場の前売券を販売中。

    また、展覧会会場マップやオリジナルグッズ情報などの最新情報は、公式サイトにて随時更新。なお、東京会場となる六本木ヒルズでは、会期中に約 30 店舗が参加する大規模な飲食タイアップキャンペーンも企画中です。

    「NARUTO-ナルト-展」先行公開展示 実施概要

    実施日時 : 2015 年 3 月 2 日(月)~3 月 4 日(水)10:00~20:00

    会 場 : 六本木ヒルズ ウェストウォーク 2F (南側吹抜け) (東京都港区六本木 6-10-1)

    ア クセ ス : 東京メトロ 日比谷線「六本木駅」1C 出口 徒歩 0 分(コンコースにて直結)

    注意事項 : 一般の方の展示品の撮影は禁止とさせていただきます。

    「連載完結記念 岸本斉史 NARUTO-ナルト-展」開催概要

    会場・会期:(東京会場)森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)
     2015 年 4 月 25 日(土)~2015 年 6 月 28 日(日)

    (大阪会場)大阪文化館・天保山(海遊館となり)
    2015 年 7 月 18 日(土)~2015 年 9 月 27 日(日)

    公式サイト :http://naruto-ten.com

    [執筆・穂坂 拓麻/撮影 木瀬谷カチエ]